スタッフの取材日記
江戸時代は文政年間、立花町に「宗商店」というよろず屋さんが創業しました。
明治、大正と激動の時代をへて昭和に入り、「宗商店」は黒木町へと移転します。
そして、3代目によってよろず屋からお菓子屋さんへと業態が変わり、
屋号も「丸宗菓子庵」に改められます。
つまり、現在黒木町には「丸宗菓子庵」さんという
大変歴史のあるお菓子屋さんがあるのです。
5代目店主の宗恒道さんにお話をうかがってきました。
黒木町中心部の国道442号線沿いにたたずむこちらのお店。
よく車で前を通り過ぎるのですが、趣のある建物にいつも目を奪われます。
こちらは店内の様子。
基本的には持ち帰り用の商品を製造されていますが、
喫茶スペースもあり予約すれば店内で葛きりをいただくことができます。
(黒木大藤祭りの期間中は予約無しで葛きりをいただけます)
穴ぼこでなんだか妙なテーブルだな~、と思っていたのですが、
実はこのテーブル、水車のパーツを再利用して作られているんです。
テーブルだけでなく商品のディスプレイにも水車のパーツが使われていますよ。
よーく店内を見わたしてみると他にも変わったものが沢山。
古銭に(販売もしています)
時刻表??(昭和60年に廃線になった矢部線の駅で使用されていたもの)
このような変わった品々はすべて4代目の趣味だっだんだそうで、
お店の中を見て回るだけでも楽しめてしまいます。
さぁ、ここからお菓子の話に入っていきますよ。
まず注目すべきは3代目が商品化した「八女茶羊羹」。
昭和天皇に献上されたこともある凄い一品なのです。
そして、「丸宗菓子庵」さんの名物は本葛を使用した「葛きり」「葛湯」などの葛菓子。
九州ではまだまだ葛菓子が珍しかった時代に4代目が京都で製法を習い、
黒木町で販売を始められたそうです。
こちらは「葛もち」と「抹茶葛もち」。本葛のお菓子いただくのは初めてだったのですが、
なるほど!!今までに食べたことの無い独特の触感で癖になる美味しさです。
高倉さんもツルッと平らげてしまわれました。
こちらは葛湯。冷え込みが厳しくなってきた今の時期本当にオススメ。暖まります。
また抹茶・生姜・コーヒーなど種類も豊富で、特にコーヒー葛湯は受験生に人気。
5代目の恒道さんは「茶の葉サブレ」「お茶まんじゅう」など地域に貢献する為に、
八女産の素材を使用したお菓子作りを日々研究されています。
代が変わればお店も変わるんですね。
伝統を大切にしつつも、
時代にあったお菓子を作り続けることが大切なんだな~、と感じました。
恒道さんお世話になりました。またお邪魔します。
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■丸宗菓心庵■
住所: 八女市黒木町黒木51
電話: 0943-42-0115
営業: 9:00~19:30
定休: 水曜
久留米岩田屋新館1F催事場にて、
2012年2月15日~21日の期間出店されます。