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星のふるさと・冬まつり 中編

「プロジェクトY」 星のふるさと
~厳冬の麻生池 風前水面の浮上作戦~ 中編

設置場所の問題から、竹灯籠による開催が危ぶまれた
「第5回星のふるさと 冬まつり」であったが、
営業企画の祝原の発案による「麻生池に浮かぶ水燈籠」で開催が決定。

祝原は、森の工作館でキャンプや木工の指導をしている荒川を誘い、
水燈籠の実験に入った。

祝原のプランはこうだ。

竹灯籠と同じく、星野村の間伐材を輪切りにした土台を作り、
その周囲を様々な色のコピー用紙で包み込む。
土台の底にはヒートンを埋め込み、釣り糸を通して並べれば、
湖面に整然と並んだ「水燈籠」が完成するのではないか。と。。。
大前提として必要な事は「エコロジー」と「小予算」だ。

RIMG0183.JPG

さっそく祝原と荒川は試作に取りかかった。

程なく完成したプロトタイプを麻生池に浮かべてみる二人。
だが、結果は絶望的なものだった。。

障害物のない湖面では風の影響を直接受けて燈籠が倒れた。
倒れた燈籠を待ち受ける水。
周囲に巻かれたコピー用紙は数分と持たず水に濡れ、
二人に残された物は無残な結果だけだった。


祝原と荒川の試作は連日に及んだ。

だが、一向に向上しているとは言い難い状況だった。

気が付けば半袖だった服も長袖へと変わっていた。。。
周りのスタッフからは、冬まつりの開催を危ぶむ声さえ聞こえてきた。。。

そんな時だった。
水燈籠の試作に一点の光明が差し込んだ。
水に沈まず、ひっくり返らない土台が現れたのだ。

それは意外な土台だった。

土台に使用しているのは間伐材の輪切り。
どうしても傷があったり、穴が開いているものもあった。
最初、傷や穴があるものは中に水が入り込みそうだと使用していなかったのだが、
勿体無いからと使用してみた所、全く沈まないのだ。

RIMG0098.JPG

それどころか、燈籠の中に直接水を入れても直ぐに水を排出して浮かび上がるのだ。


二人は大きな壁を一つ超えることが出来たのである。


それは本当にコロンブスの卵のような発見であった。

(明日UPされる後編へ続く......)

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