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雛の里・八女ぼんぼりまつり

◆スタッフの取材日記

八女市福島地区で現在開催中の「雛の里・八女ぼんぼり祭り」。
一体どんなお祭りなのか取材に行ってきました。

訪れたのは「伊藤勘助商店」という提灯屋さん。
お店の中にはズラリと提灯が並んでいます。

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国の伝統的工芸品に指定されている八女提灯。
たいていの提灯の骨組みはらせん状の一本の骨で出来ています。
この技術はなんと八女が発祥なんだそう。
また、市のHPによると八女提灯は全国一の生産量を誇るんです。

お話が横道にそれてしまいましたが、

そんな八女提灯を作っている「伊藤勘助商店」の女将であり、
雛の里・八女ぼんぼり祭りの実行委員会もされている伊藤美奈子さんにお話を伺いました。

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八女は雛人形の産地のひとつであり。ぼんぼりまつりはそのことにちなんだお祭りです。
「おひな様パレード」「十二単衣と束帯姿の結婚式」など
ひな祭りにちなんだ様々な催しが1ヶ月間にわたって開催されます。

こちらは横町町屋交流館に展示されたお雛様たち。

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すっ

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凄いです。

横町町屋交流館だけでなくぼんぼり祭りの期間中、八女福島一帯ではいたるところで、
箱雛(はこびな)という雛人形が展示されます。

箱雛の説明をいたしますと、江戸時代にもなると庶民にひな祭りの文化が浸透しますが、
豪華な段飾りの雛人形は庶民には手が出せません。そこで、八女の仏壇屋さんに
「わしら庶民でも買える雛人形を作ってくれんかにゃ~。娘にせがまれてしもうてにゃ~。」
みたいな注文が入ります。
子供たちの笑顔を守るため、仏壇屋さんは廃材などを使って極力安く雛人形を
作りました。それが箱雛なんです。

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おだいり様とおひな様のお二人のみと大幅に人員削減を行い、装飾も最小限に抑え
極限までコストを切り詰めています。大鉈を振いっぷりが凄まじいです。
子供たちの笑顔のために、五人ばやし、官女、右大臣には泣いてもらったのです。

こうして八女では箱雛が普及することになります。
作られる時代によって箱雛の装いは変化します。例えば物が豊富にあった豊かな時代には
金箔が貼られていたり、反対に戦後の何にも無い時代には紙で出来ていたりします。
仏壇屋さんも子供の笑顔のために必死です。

そんな、箱雛ですが次第に雛壇の雛飾りが庶民でも買えるようになり、
箱雛の需要は減少、1960年ごろには生産されなくなってしまいます。
五人ばやし、官女、右大臣の歓喜の声が聴こえてきそうです。

そして現在になって、昔を懐かしむ人々の声にこたえてわずかながら
復刻版が生産されています。

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昔のものよりも装飾が少し豪華です。マンション暮らしの人なんかにはかえって
場所をとらなくて良さそうな気もします。


さて、箱雛の話が長くなってしまいましたが、今年で15回目の開催となるぼんぼり祭り。
毎年同じではつまらないと伊藤さんたち実行委員会では新たな企画を行います。

その一つが、八女公園で行われる「願い雛(ぼんぼりまつり流し雛)」です。
これは、お願い事を紙で作ったお雛様にのせて流すというもの。

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2月26日(日)、3月4日(日)に朝11:30から15:30まで行われます。 
八女公園にて無料で願い事を書かせてもらい、それを噴水に流します。
楽しそうですねー。

また、毎年好評なのが「和服でめぐる八女のまち」。
ほんぼり祭りを和服を着てまわると、抹茶の接待や粗品のプレゼントなど
多くの特典を受けられます。着物を持ち込めば着付けサービス(無料)もありますよ。
こちらは、3月4日(日)と3月11日(日)に行われます。

特に催し物の無い日でも箱雛の飾られた白壁の町並みを散策すれば、
時間が止まったような雰囲気を味わうことが出来ますよ。

期間中の土日には「無料巡回タクシー」も運行しますので便利です。
さらに、『福岡~八女間 直行臨時高速バス』なんていうものも運行されます。

是非一度行ってみてください。

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雛の里 八女ぼんぼりまつり
期間: 2012年2月11日~3月11日
時間: 10:00~17:00(但し、営業の場合は営業時間内)
会場: 八女市福島地区一帯
問合: 八女市観光振興課(電話:0943-23-1192)

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