サッチの取材日記
房・タッセルって、
今まで意識して見たことあまりなかったような気がします。
何気なく存在しながら、
装飾の役割を果たしている房を作り続けて
およそ100年の老舗「今里」に行ってきました。
場所は、旧八女市の本町。事務所と、ちょっと歩いたところにある
ギャラリー(白壁の町家。昔はそこが作業場だったそうです。)で
色々とお話を伺いましたよ。
お話をしてくださったのは、今里亨さんです!
今回は「八女本流」という、八女の伝統工芸の技を使って、
新たな商品を生み出そうというプロジェクトについての取材。
しかし、まずは房についてお聞きしたい!と思いまして、
今里さんに色々教えていただきました。
元々今里さんの房は、提灯の装飾として代々使用されてきました。
それは今でもそう。
しかし、それだけに留まりません。
房は、色や素材、長さなどで変化をつけ、和にも洋にも使用できる優れもの。
アカデミー賞女優のナタリー・ポートマンが、
房=タッセルのピアスを身に付けていたことでも、
その使用範囲の広さを感じます。
房には「房」という漢字が当てられていますが、
今里さんは「総」の方が作り手側から考えると相応しいとおっしゃってました。
へぇ。そうかぁ。束ねるんですもの、そうですよねぇ。
言葉って不思議。今となっては「房」でちゃんと形が思い浮かべられますもん。
今里では、房と「結び」も行ってらっしゃって、
これはどういうものかというと、お守り袋の口のところが
複雑な形で結んでありますよね、あれですあれ。
結び方にもいろいろありまして、
伝統的なものに、「総角(あげまき)結」「叶(かのう)結」と呼ばれる
結びがあります。
叶結びは、表が口の形に、裏にすると十の形に結ばれていて、
両方あわせると叶という漢字になることからこう呼ばれています。
普通、結んだら表も裏も同じ形になるそうな。
ほぉ、面白い。
作業場にもお邪魔しました。
女性の方が中心になって、お仕事してらっしゃいます。
いろんな色や形の結びや房がありますねぇ。
ちょいちょいって結んでます。すごいです。
どこの部分がどこにはまって、くるっとなって結ばれたのか・・・
自分では絶対再現できません。はぁ、そんけーーーー。
作業場にいる方々意外にも、内職でこのお仕事をされている
女性の方々がとってもたくさんいらっしゃるとか。
八女の皆さん本当に器用!羨ましい!
で、ギャラリーで見つけた叶結びのストラップ、
欲しいなぁと思っていたら、今里さんから
プレゼントしていただきました。
す、すみません。物欲しそうにしてたんでしょ、私・・・
ありがとうございました。
「結び目には神が宿る」と今里さんは教えてくれました。
叶う結びで願い事が叶うといいな。
さて、八女本流ですよ!
これは、八女に息づく伝統工芸の技を終結し、
八女ブランドの新しい商品を生み出していこうというプロジェクトのこと。
第1弾商品は「提灯バッグ」です。
かわいいでしょーーー?!
実は、今里さんにお話を伺った後、
実際に製作に携わった提灯屋さんに行って、
実物を見せていただいたんです。
提灯の卸をされている内田醇(うちだあつし)商店の
内田和夫さん(写真右)が提案されて、
火袋を作る職人さんの高山英樹さん(写真左)に発注。
そして構想から2年、この提灯バッグが出来上がりました。
ちりめん模様の布が提灯に覆われて透けてる感じが
個性的でとってもおしゃれ。
まだまだこれから改善していって、市場に出るまでには
もう少し時間がかかるようですが、
これからどんどん「八女本流」ブランドの商品が生まれるはず!
楽しみです!
内田さん、高山さん、お時間いただき、ありがとうございました!
皆さんぜひ八女本流のHPもチェックしてくださいね。
商品のラインナップやどんな職人さんたちが参加しているのか
見ることができますよ。