サッチの取材日記
八女部部長と副部長が白壁ギャラリーに出かけた際に見つけた「てんごや」。
ここは竹を使った工房で、コロンとした形の竹の椅子がとても座り心地がよくて、
機会があればぜひ番組で紹介したいと思っていました。
竹といえば、皮白竹の話題もあったように、
八女市では竹が増えすぎて問題になっています。
やっかいものの竹を使って何かできないかと考え、
新しいものを作り出していらっしゃるのがこの「てんごや」の染谷明さん。
元々は千葉出身で、鹿児島の口永良部島に移り住み、そこで地元の方々が使っていた
「てんご」=「竹かご」を作り始めたのが、竹に触れたきっかけだそう。
染谷さんが作る一人がけのチェアーは見た目も座り心地も最高!
使っていくうちに、あめ色に変化するのも魅力の一つ。
使えば使うほど味わいが出てくるんだそうです。
お手入れも「ナイロンたわし」でサッサッサっと埃を取るだけでOK。かーん単♪
欲しいなぁ、これ。
インテリア博覧会みたいなものに出展したら、すぐに売切れてしまうほどの人気。
でも今の作り方では量産できないため、ネット販売や世界進出ももうちょっとお預け。
もし状況が整ったら、八女から世界に竹の文化が広がっていくかも・・・
そう考えるとわくわくしますね。
染谷さんいわく、「竹は今の生活スピードに合っている植物」だそうです。
杉やヒノキは大きく育つのに何十年もかかりますが、
竹は毎年どんどん出てくるし、加工もしやすく、手入れもしやすい優れもの。
竹を使った伝統工芸も大事だけど、
新しいものを作って、需要を生み出したいと熱く語る染谷さん。
そんな考えから編み出されたのが「椅子」でした。
和室にも洋室にも合うし、家庭には必ず椅子が置いてある。
需要は必ずある!と、形、大きさ、編みこみ方など、
細かくチェックしながら作り上げました。
今もまだ研究の余地はあるとのことで、
椅子の設計図を細かくイラスト入りで作ってらっしゃいましたよ。
「絵はあまり上手じゃない」とのことでしたが、
いやいやこの質感を描けるってかなり上級者ですよ、染谷さん!
こうやって設計図を詳しく作るのは、
自分じゃなくても、技術を持った人が同じものを作れるようにするため。
染谷さんは、竹の未来と技術の継承をしっかり見据えてらっしゃいます。
だけど、ただ同じものを作っていては面白くない、ということで、
椅子の形もいろいろ研究してらっしゃいましたし、いずれは竹で装飾された
バイクを走らせたい!という夢も。これは夢じゃなく、近々実現するはず。
染谷さん、出来上がったらぜひ教えてくださいね!