メシュラングルメ研究所 9月13日
今は、蕎麦について研究中です。
「多め勢」の店主、田口さんにいろいろお伺いしているのですが、
今週は、蕎麦の食べ方の歴史、そして、「かえし」について聞いてきました!
多め勢
福岡市早良区室見1-5-9
092-846-3001
営業時間/11:30-20:00
定休日/水曜日
江戸の蕎麦の食べ方
最初はぶっかけ蕎麦でした。
しかも、醤油は貴重品なので、味噌ダレです。
薬味は大根で、消化剤の役割もありました。
実は、昔は蕎麦の実を集めた時に石も混ざり、石抜きの工程もあったそうです。
なので、「蕎麦を食べると、子供は身を冷やす」と言われるほど、消化に悪かった。
そこで、大根(ジアスターゼ)を摂るようになったとのこと。
また、氷はなかったので、当然、生ぬるい蕎麦になります。
氷で冷やすようになったのは、つい最近のことです。
屋台の蕎麦は、ぶっかけか、温かいかけ蕎麦でした。
ただ、江戸時代の屋台は水周りの設備も当然ないので、
一度茹でた蕎麦を、玉にして準備していました。
「かえし」について
江戸時代中期に、高級品だった、醤油、砂糖、味醂が、
一般庶民に広がったことがきっかけです。
江戸の伝統的な「かえし」の作り方
①醤油、砂糖、味醂を合わせて1度火を入れます。
②それを土の中に埋めた甕に寝かせます。
土の中に埋めるのは、冷蔵庫の代わり。
一定の温度で寝かせ、熟成させる役割があります。
1週間くらい置くと、角が取れるそうです。
つゆについて
この「かえし」とダシを割ったものが、「つゆ」になります。
江戸のダシは、カツオ、ソウダガツオなど、カツオのみを使います。
しかも、1斗で炊いて、6升くらいになるまで煮詰めるので、味が凝縮されます。
関東の醤油が辛いので、濃い目のダシで良いのだそうです。
関西は昆布を使い、醤油も薄いので、全く違う味になります。
そうして造ったつゆを、土に埋まった「どたんぽ(土湯婆)」の中に入れ、
さらに寝かせてから、2度目の火を入れていたそうです。
火を入れるのは、当時の醤油の品質に安定感が無かったことと、
殺菌作用もあってのことです。
ちなみに、盛り蕎麦に使うつゆ、温かいお蕎麦などで、
ダシと「かえし」の分量も変わります。
来週は、蕎麦屋のサイドメニューのお話をお送りします。