メシュラングルメ研究所 10月10日
様々な食材に関して、研究、新たなメニュー開発を
していこうじゃないかというコーナーです。
現在は、キャビア、チョウザメについて、研究しています。
キャビアと言えば、宮崎が、早くから取り組み、養殖がとても盛んです。
ということで、今週も、小林市にある、
宮崎県水産試験場 内水面支場 農学博士 稲野さんと、
宮崎県農政水産部 水産政策課 上林さんにお話をお伺いしました。
宮崎県のチョウザメ
水産試験場が提供した稚魚を養殖業者が育てていきます。
7年かけて、20kgぐらいに育ちます。
それまでの餌は、40kgぐらい。餌料効率でいうと50%くらい。一般的な数値です。
この餌代は、9000円くらい。
もちろん、7年分の人件費、エネルギーもかかります。
1つの池に1000匹いるとして、餌代だけでも900万円の投資になるわけです。
さらに、オスメスもあり、約半分しかキャビアが取れるメスになりません。
また、キャビアになるのは、体重の10%程度、つまり2kgぐらいです。
ちなみに、7年ぐらいから取れ始めるので、それ以上かかるものもいます。
真鱈と比べると、とても分が悪いです。
だから、キャビアは高価なものになるわけです。
チョウザメから卵を取り出すとき
卵を持ったチョウザメは、お腹が膨れてくるので分かります。
天然のチョウザメは、一度卵を産み、何年後かに卵を持つようになります。
養殖のチョウザメでは、お腹を割って卵を取り出しますが、生命力が強いので、
一部を残してお腹を縫い合わせ、水に返すと、
天然と同じように、再び卵を持つようになります。
ところが、ごくわずかしか取れませんし、
それまでに随分時間がかかってしまうので、そういうことはしていません。
オスメスの見分け方
3年ほど育てないと分かりません。
しかも、見た目では全く区別がつかないので、1匹ずつ、陸に揚げてお腹を調べています。
とても面倒です。
ここで選別されたオスは、美味しい魚肉として出荷され、メスはキャビア用に育てられます。
来週も、キャビア、チョウザメの話をします。