食べものとお酒の関係に注目する、「飲んで、うまい 食べて、うまい」。
米焼酎は、究極の食中酒。
つまり、どんな食べ物とも相性が良いというわけです。
このコーナーでは、米焼酎と食べ物を合わせる、
つまり、ペアリングを追求していきます。
先週は、人吉で米焼酎と合わせている食べ物の話をしました。
今週も、米焼酎についてさらに深く知るために、
白岳しろを作っている杜氏の藤本さんにお話をお伺いしました。
今週は、「一口に米焼酎と言っても、色々あるぞ!」という話です。
常に研究しています
食中酒でも、食前でも、食後でもよく、生活の中で飲み分けてもらえるように、
米の種類、麹の使い方、樽で仕込むなど、様々な味を追求しています。
もちろん、どのような飲み方で料理に合わせたら良いかまで考えています。
プレミアム米焼酎「待つ宵(まつよい)」28度、白岳全麹
全麹仕込みの米焼酎です。
通常は麹を作り、一次仕込みにもろみを、二次仕込みに蒸した米を使います。
この焼酎は、大量の掛米が必要な二次仕込みにも、麹を使っているのです。
お金と手間と設備が必要で、とても贅沢で時間のかかる焼酎です。
その分、旨味が増し、重厚でトロッとして、美味しいです。
焼酎の味もしっかりして、食べ物の邪魔もしない焼酎です。
まさに、麹の可能性を追求した焼酎。
謹醸しろ(金しろ)
アメリカンホワイト樽、コニャック樽、シェリー樽の3種の樽の中で
熟成させた本格米焼酎を、ブレンダーが絶妙のバランスでブレンド。
これは樽貯蔵の可能性を追求したものです。
吟麗しろ(銀しろ)
おいしい水と米、そして吟醸酵母を使い、低温発酵で造った本格米焼酎。
新しい酵母の可能性を追求しています。
藤本杜氏の夢
いつでも誰にでも美味しいと言われる焼酎を作っていきたいと思っています。
日本の蒸留酒を海外にも発信して、世界で通用する焼酎にしたいということです。
そして、今週も人吉で見つけた、地元のお酒「米焼酎 白岳しろ」と、
ペアリングしてきたものをご紹介します!
今回のスポットは、「きじや」。
なんと、藤本杜氏が、球磨焼酎と合わせるならと、オススメされたお店です。
山の中をドンドン登っていくと、「きじや」の看板が見えます。
すぐそばを流れる胸川のせせらぎを聞きながら、キジ料理を楽しめるお店です。
そこで、店主の中島さんに、お話をお伺いしました。
きじや
熊本県人吉市木地屋町2522
電話番号 : 0966-29-0401
できて30年以上になる、熊本県でも珍しい、キジ料理の専門店です。
通常キジは、半年ほどで食べられるくらいに育ちますが、
ここでは1年を越したものを使っています。
そのほうが、脂ののりも良くて、美味しいそうです。
【きじ刺し】(800円)
濃い色の、脂ののったモモ肉を、生姜醤油につけて食べます。
中島さん曰く、「脂を食べないと雉の旨味を味わえない。」
甘い醤油と脂の旨味の相性がよく、美味しいです。
これに白岳しろの水割りを合わせると、口の中をすっきりとさせてくれます。
【きじ炭火焼き】(2000円)
七輪の上で、炭火で、胸肉を網焼きしていきます。
焼きすぎると硬くなり、旨さが半減するので注意ということで、
我々は、中島さんが言うように、タタキ状態くらいの焼き加減で頂きました。
ふわっとした食感で、噛んだら脂がじゅわっと染み出てきます。
塩か味噌ダレで食べるのですが、
塩で頂くと、肉の旨味がはっきり分かって美味しいです。
味噌ダレは、柚子を合わせてあり、味噌の甘みが肉の旨味に重なります。
白岳しろの水割りと合わせるのなら、断然、味噌ダレのほうが合います。
キジ料理とのペアリングの結論
やはり、地元の食材、好みと地元のお酒は合うのだと実感しました。
濃厚な旨味だと、水割りがさっぱりして良いです。
ということで、杜氏の藤本さんとの話は、これで終了。
来週からは、福岡で見つけた米焼酎とペアリングした一品を紹介していきます。
お楽しみに。