毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はちんです。
今回のゲストは藤井フミヤさん。 #藤井フミヤ
昨年チェッカーズから35周年、ソロデビューから25周年。
熱狂的な人気を誇ったチェッカーズから日本のポップスの歴史に残る名曲の数々を残し続けるソロ活動にユニット。アートや多才な表現活動まで、すべてが第一線で走り続ける藤井フミヤさん。今日はそんなフミヤさんに軸となる音楽活動についてじっくりとお聞きできました。
今日のドライビングミュージックとして選んでくれたのは「ゴールデンウィークみたいなときは軽快な音で走りたいですね」と、シェリル・クロウの『Soak Up the Sun』。
まずは車好きのフミヤさんの音楽との付き合い方から。と思ったら。
「いえ、車にはそんなに興味ないんですよね」
そう言って笑うフミヤさん。
ああやっちまった!そんなふうに今日の楽しい音解がスタートしました。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→ FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)
「とりあえずいろいろ乗ってみましたけどね(笑) フェラーリのときはさすがに、ここまで乗ったらさすがに車に興味なくなるだろうと思って乗ってみたんですけどね」
で「音楽がないと。ドライブのときはね」 と、やはり、車の中では音楽は欠かせないそう。
そういえば、この番組ではアーティストのみなさんサウンドチェックで車の中で聞く方も多いようですが...
「あ、聞きます。結構、今の世の中ってイヤフォンで聞いているか、車の中で聞いているかと思うんですよ。だからアルバムが出来上がると車の中で必ずチェックしてますね」
やはり、お隣さんなど気になりがちな住環境では、気兼ねなくいい音を楽しめるカーオーディオって最適なリスニング環境なんですねえ。
「もういっこよくやるのは、これは仕事なんですけど、コンサートの順番に流す曲を決めて大声で歌うんですよ(笑)。 大声で歌える環境ってなかなかないんですよ。 車の中でリハーサルしてんですよね(笑)」
さて、節目の年の昨年、藤井フミヤさんはソロデビュー後の楽曲の中から、ファンのリクエストをもとに上位100曲をピックアップした、3枚組ベストアルバム『FUMIYA FUJII ANNIVERSARY BEST "25/35"』を、2作品同時リリースしました。つまり合わせて6枚の大ボリューム。
「そうですね。(自分自身は)最初はベストアルバム出るんだ、くらいの感じだったんですが、結局ファンが選ぶので。ファンが棚に入りぱなしだったしだったアルバムを全部取り出してイチから聞いて、それでそのたびに アルバムを開くように自分の思い出を思い出してこうだったとか。 でそこから選んでくれたんですね。そういう行為があったことが良かったですね」
結果的にフミヤさんの中でも自身の作品の棚卸し的なふうになったんですね。
「そうですね。25年分なんですけど。だから本当にコンサート思い出して、とか、CD を買った当時の自分を思い出してとか。これ100曲あるんでなかなか聞けないから、これこそ車でしか聞いてないです僕(笑)」
3枚組アルバムを2作品同時発売ですからね。
「東京から熱海くらいまでいけちゃうんですよ。だから車でしかこれはチェックというか聞きませんでしたね(笑)」
投票で選ばれた曲が、ライブで人気の曲が上位だったりと面白いですよね。
「『ALIVE』が1位で。 アルバム曲ですよね。ファンが選ぶとそんなかんじになっちゃうんでしょうね」
この曲が上なんだとか、もっと歌ってあげなきゃいけないなと思った曲なんてありました?
「ありますよ。おかげで努めて歌うように心がけようと思いました。勉強になりました!(笑)ほとんど世の中知られていないと思いますけど『点線』という曲が7位に入っているんですけど、これなんてもう本当にこれ入る!?みたいな感じですね。 だから歌いましたよこの前(笑)コレ入れなきゃまずいじゃんって言って。嬉しかったのは一番新しいアルバムからも何曲が入ってますね。それも嬉しかったですね」
年代的にもバランスが良くて、ファンの方ってすごいですねえ。
「そうですね。あの曲入れなかったんだってちょっとムッとしたのもありましたけどね(笑)」
ええ!ちなみにここだけの話、入ってほしかった曲って教えてくれたりします?
「意外とね。『INSIDE 』(2000)っていうシングルの曲だったんですけど、入ってないんじゃないすかねえ」
確かに藤井フミヤさんのソロ作品だけでもたくさんありますもんね。
「だいたい500曲。もう作らなくてもいいんですよ(笑)。まあ、今ニューアルバム作っている最中なんですけどね」
そんな名曲の数々を送り出してきた藤井フミヤさんですが、フミヤさんといえばコンサート。いつも新たな試みで私たちを楽しませてくれます。
そして、デビュー35周年記念の一環として、7月6日からまた新しいチャレンジ、16都市26公演の全国ツアー『十音楽団(とおんがくだん)』がスタートです。
35周年記念公演 藤井フミヤ "十音楽団"
9月7日 (土) 福岡サンパレス
開場:15:15 / 開演:16:00
※他会場や詳細は藤井フミヤ オフィシャルサイト (外部リンク)でご確認ください。
『十音楽団』とは、今回のツアーの為に結成された藤井フミヤさんを含む10人の演奏家たちの名称で、
『フミヤ劇場』とも呼ぶべき、"ひとつの物語"を語るような曲目と演出で構成された公演です。
「シアターのような演劇のようなコンサートにしようと思っています、ミュージカルじゃないんですけど。編成も弦が入っていて、ドラムがいなくてパーカッションですね。だから座って始まるとそのままずっと音が流れていくみたいなかんじのステージになると思います」
今回の全国の会場を見ているとサントリーホールなどクラシックでよく使われる会場もありますね。
「そうですね。あまり見たことないようなモダンな音楽劇のようなコンサートというか、 途中でちょっとしたセリフが入ったり詩の朗読が入ったり。 シアターに来て音楽を聞くという、『音の演劇』のようなかんじで想像していただけるといいかなと思いますね」
全く今までとはまた違う新しいライブの形みたいなものを期待した方が良さそうですね。
「そういったものでエンターテイメントになるようなものを作らなきゃいけないと思ってますね今。」
『準備中です』といって笑うフミヤさん。
こうやってステージの話をすると本当に楽しそうな表情がチラチラと覗いてきます。
その上で、藤井フミヤさんにとってライブという表現形態への情熱と、長いキャリアの中で改めて自身の表現へ向き合った結論を聞かせてくれました。
「ライブが生業と言うか仕事ですね、どちらかと言うと。ステージの上に立って歌ってなんぼと言うかそれが自分のライフワークですね」
以前別の番組でお話伺ったときに「一旦アーティストは趣味にしてシンガーということでもう一回」と言ったお話をされていました。
「そうですね。自分はシンガーだと思っていますね。ミュージシャンと言うよりはシンガーですね」
あまりに多才であるがゆえに、多様な表現の手段を手に入れたフミヤさん。そして35周年を迎えた今、改めてシンガーとして、ステージでの自分を選び取ったフミヤさんのこれからの活動はいやが上にも注目せざるを得ません。
今回の十音楽団でも期待して良さそうですね。
「歌だけでも感動させられる自信があるので(笑)更なる演出で余計感動をしてもらおうと思っています。シアターでコンサートを見てるような感覚の、演劇まではいかないんですけれど自分で物語を感じてもらって、またじっくり歌が聞けるようなそういうコンサートにしたいと思っています 」
こちらの不躾な質問にも余裕で即答して、50に対して100で返してくれるようなフミヤさん。
穏やかな中にも、揺るぎない自身とこだわりが感じられてお話を聞いているだけでも本当に楽しい。
実は今回は1回だけのご出演だったのですが、急遽もう一週お付き合いいただくことに。
笑顔で了解していただきました。
まだまだ続く、藤井フミヤの音世界。
さらに紐解いてまいりましょう。
藤井フミヤ オフィシャルサイト (外部リンク)
次週、5月4日は引き続き 藤井フミヤさん をお迎えします。どうぞお楽しみに。