3月23日のゲストは SEKAI NO OWARIのみなさんでした。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はこはまもとこです。

今回のゲストはSEKAI NO OWARIのみなさんです。 #SEKAINOOWARI

Fukaseさん、Saoriさん、Nakajinさん、DJ LOVEさんからなるSEKAI NO OWARI。
今年2月に、大ヒットアルバム「Tree」以来実に4年ぶりとなるニューアルバム、しかも「Eye」と「Lip」という2つのアルバムを発表して話題です。

このアルバムのプロモーションでハードな中、疲れも見せずSEKAI NO OWARIの今を伝るべく、貴重なお話もたくさん聞かせてくれました。

まずはドライビングミュージックを1曲選んでもらいました。

興味津々のその曲は、Cupsuleの「Starry sky」です。


この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


「僕、NakajinとLOVEさんで決めたんですけど。でもこの曲は結構メンバー四人とも思い出があると思うんです。僕たちがデビュー前に音楽作りながらライブハウスを手作りしてたんですけど。たまに休憩がてら工場地帯の方をドライブしたりっていうことがあったんですけど、そういうところですね。この曲を流しながらみんなでドライブしたなっていう思い出がすごくあるので、すごくお気に入りの曲です」

SEKAI NO OWARIの原点でもある印刷工場だった場所を自分たちで改造して作り上げたライブハウス。そのBGMのひとつがこの曲だったのですね。

常に行動をともにしていたみなさんにとってその時々の思い出の曲はたくさんありそう。

NakajinさんとSaoriさんが口を揃えました。「そうですね、めちゃくちゃあります」「共通の曲はたくさんありますね」。

とりわけ今回のCupsuleはサウンド的にも共通点もありそうです。それについてはFukaseさんが答えてくれました。

「シンセサイザーを僕らも使っているので、 最初聞いたときはすごくいいなと思っていてこの『Sugarless GiRL』ってアルバムをよく聴いていて、なんかすごいなって思ってましたよね」

このアルバム2007年の発売ですからまさに「世界の終わり(当時)」が結成した年でもあり、非常に印象深いですね。

「僕たちバンドだけどドラマーとベーシストがいないバンドなので、打ち込みの音ってどうやったらクオリティ高くできるだろうとか思ってすごい日々研究してたので、こういうのを聞いて、どうやったらここに近づけられるだろうなんて研究を日々やってた思い出がありますね」

ある意味、原点の曲。なのかもしれません。



そんなSEKAI NO OWARIのニューアルバムが「Eye」と「Lip」。
それぞれキャラクターの異なる楽曲が13曲づつ収められた2枚のアルバムが同時発売されました。

4年ぶりなのですが、その間シングルや色々な活動もあり、あまりそんなに間が開いていたようにも感じません。

「割と4年も経ってしまったというしまったって感じですねえ」
「忙しくはしてて、シングルもいくつか出させてもらってましたからね」

その上で、今回久しぶりにアルバムを出して、いきなり2枚同時の発売というあたりは一番聞きたいところですが、ここはFukaseさんがしっかりと説明してくれました。

「本当に4年間シングル曲は出していて、それを集めるだけでひとつのアルバムになっちゃうぐらいは出させていただいてたんですけど。

ただ(それで一枚のアルバムにすると)なんか自分たちの片側しか表現できていない感じがして、それこそアルバムだから作れる楽曲こそが、俺たちが今作ってない楽曲なんじゃないかなと思いまして。「Eye」は新曲がすごく多くて「Lip」はシングル曲が多いんですけども、なんかそういったことはあったかなあって気はします。アルバムだからって言ってできた曲ってのは正直すごい多いと思いますね」

今回のアルバムでは、従来から実はあった多面的な表情をきちんと表現したいという思いが一つのきっかけになっているようです。

「自分たちの中にある、例えば『Rain』って曲を題材にすると、 歌もので綺麗な言葉で綺麗な曲になっているんですけれども、カップリングで『スターゲイザー』という曲がありまして、『Rain』を作った反動のようにできていったと言うか。呼吸をするように酸素を吸って二酸化炭素が出て行くように、『Rain』が自分の中に入ってきて『スターゲイザー』として出てしまうみたいな、そういうシングルだったんですけど、これは同じアルバムに入らないほうがいいなって思ったんですね。

あと『ANTI-HERO』と『サザンカ』(というシングル)もそうですね。これもおんなじアルバムに入っているイメージがどうしてもつかなくって、じゃあ受け皿が2個あった方が健康的なんじゃないかなと。例えばアルバム1枚に、曲を減らして新しい曲を増やして一枚にするって、何かうまくまとめようとしちゃう感じが僕にはして、それがどうしても嫌で。もっと自由に自分たちの表現をしたいって思った時、それには最低2個は受け皿が必要だったということですね

なるほど、納得です。

とはいえそうなると、新曲もたくさんつくることになるわけで楽曲はもちろん、SEKAI NO OWARIのほとんどの楽曲のアレンジを担当しているNakajinさんは大変だったのでは?

するとNakajinさん、即「大変でした!」と笑いながら一言。
「今回、新録の曲を14曲作ったんですけど14曲つくるのかー!って 作業すると途方もない気持ちになっちゃうんで、とりあえず目の前の曲。目の前の曲とやり続けて進んだって感じでした(笑)」

そんな、Nakajinさんが大忙しの時、みなさんはどうされていたんですか?

「(Fukaseさん)でもまあ、みんなそれぞれバタバタしてましたね。僕作詞作曲は多いほうなので、楽曲を作ったり、楽器を色んな所に試奏しに行って。なんていうんでしょう料理でいえば食材を探す作業とかをしてましたね」

「でも、ラブさんはおだやかに」
「ええ、僕はおだやかに」

こういった時のムードメイカーはDJ LOVEさん。LOVEさんは何をしていたんですか?

「そうですねえ。僕は一番忙しかったのはSaoriさんの子供を寝かしつけるのに(笑) 」
「はい、今1歳になって」

Saoriさんも今やお母さんなんですね。
どうやらレコーディング中もお子さんは、メンバーのアイドル的存在として活躍していたようですよ。

「(Fukaseさん)それは僕がお願いしたんです。佳境に入ってくるとピリピリしてくるじゃないですか。時間もないところに、もう舞い降りる天使でしたね。HPがゼロになったところにピューって(笑) 」

5人目のメンバーとして活躍してたみたいです。

「ぜひインタビューにもキてほしかったですね。
寡黙ですしマイク、めっちゃ触ると思います(笑)」

「口にも入れると思います(Saoriさん)」

全員、思わずホッコリ。このお話になるとみなさん急に和みます。
そういうこともあって、レコーディングは穏やかに進められたそうですね。

「そうですね。なんか休憩時間の濃度があまりに濃くて。かわいい。」

さて、話を戻して。
このアルバムは独立した2枚のアルバム、ダークな「Eye」とポップな「Lip」と紹介されることも多いのですが、単純にそうとも言えない相関関係にあるアルバムのようにも思いました。

例えば、両アルバムの4曲目に収められている「夜桜」と「向日葵」は実はメジャーとマイナー調にアレンジされている同じメロディ。そんな仕掛けもあって、同じ根っこの2つの表情くらいのアルバムのようにも思えます。

新曲もたっぷりで新たにこのアルバムのために書き下ろされた曲もあるせいか、肩の力が抜けて非常に風通しのいい2つのアルバムとも言えそうです。

いい感じに肩の力は抜けてると思いますね。緊張感も適度というかピリピリしすぎず、いい感じだったなあとすごく思いますね。曲数いっぱいあって、曲を作るメンバーが3人いてそれぞれ作るわけですけど、それぞれの個性も尊重しあえたというか。個性がすごく出た曲が集まったと思いますね」

こうやってお話を聞き進めると、今回のアルバムが2枚なのは必然だと思います。
新曲もどれも今までのSEKAI NO OWARIでは聞くことの出来ないタイプの楽曲もあったりして、アルバムの新鮮なイメージに大きく寄与しているようにも思います。

「なにしろ結構曲数があるから、こういうのがあってもいいだろう。みたいな振り切るというか、なんか中途半端にすることがもったいないなと思ったんですね。こういう対の2枚があるから、どっちかに行くなら行く、って中途半端にせずに行ききっちゃった方がいいよねっていうのは結構ありましたね」

Fukaseさんの次の言葉が今回のアルバムを象徴的に示しているように思います。

「エンターテイナーになりたいみたいな感じでずーっと来てたんですけど、このアルバムでなんかこうミュージシャンであるってことに戻ってきたのかなあって自分でも思いますね」

そんな久しぶりでもあり、新境地をまた開いたみなさんの今回のライブも期待が高まります。


LIVE TOUR 2019 「The Colors」

広島県・広島グリーンアリーナ 
2019年5月3日(金・祝) OPEN 17:00 / START 18:00 
2019年5月4日(土・祝)OPEN 16:00 / START 17:00

福岡県・マリンメッセ福岡
2019年6月1日(土)OPEN 17:00 / START 18:00
2019年6月2日(日)OPEN 16:00 / START 17:00

※詳しくは SEKAI NO OWARI 公式サイトでご確認を



「今まではストーリー仕立てでステージに大きな木があったりとか、そういう有機的なものを表現することが多かったんですが、今回のツアーはちょっと無機質なものになっていて、冷たい印象を受けるかなと思っています。 もちろん『おおっ』ていうものもあるんですが、それがすごく体温のない。アルバムが逆に体温のあるアルバムが出来たから、ステージは極限まで体温を減らしたものにしようと思っています。その対比にもちろん意味があるんですけど、アルバムに反して体温を抜くというようなライブになりますよ」

全く想像がつかないのですが、今までとは全く違うステージになることは間違いないようです。

そんなあたりで今回は時間切れ。
まだまだ聞かせてほしいことはたくさんありますから、来週も引き続きSEKAI NO OWARIのみなさんをお迎えして、さらにその音世界を深く紐解いてみたいと思います。

どうぞ、お楽しみに。

  

SEKAI NO OWARI オフィシャルサイト (外部リンク)

次週、3月30日は引き続き SEKAI NO OWARI をお迎えします。どうぞお楽しみに。