毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。お相手はちんです。
今回のゲストはDEENの池森秀一さん。 #池森秀一
昨年、デビュー25周年を迎えてあまたのヒット曲とともに総売上1500万枚。
常に第一線で作品を送り出し続けるDEENの音世界を今日は紐解いていきましょう。
前回同様に、にこやかに登場した池森さん。
物腰の柔らかさと、穏やかな語り口の中にもプロフェッショナルとしての視点と変わらぬ音楽ファンとしての一面が伺えて、今回もどんなお話が聞けるか楽しみです。
そんな池森さんがドライビングミュージックに選んでくれたのはペンタトニックス「Attention」。
今や世界中で人気を誇るテキサス州出身5人組アカペラグループによる、チャーリー・プースの大ヒット曲のカバーです。
「最近よく聞いてますね」
ペンタトニックスはYouTube時代の新しい才能ですが、新しい音楽には常にアンテナを張ってらっしゃいますね。
「そうですね。観ますよいっぱい(笑)置いていかれちゃいかんですから」
今日はそんなリスナーとしての音楽通、池森秀一さんからスタートしました。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→ FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)
「最近のアメリカの 音楽スタイルと言うか若い人たち、 ヒット曲をすぐカバーするんですよね。良い音楽に対するみんなでシェアするっていうのがすごい好きで。日本でももっと広がればいいな ってところもありながら。チャーリーブースのスタイルなり彼らならではの意外と難しいことやってないんですよね」
前回ゲストにお迎えしたときにもお聞きしましたが、池森秀一さん個人としてのベースにはブラックミュージックを中心に多様な音楽があり、それらを吸収した上で絶妙の距離感でDEENの音楽に反映されています。
近年では、昨年7月に配信で発表された3部作では、トロピカルハウス?ジャワイアンへと言った新しい音楽へのストレートなアプローチを披露して新境地を垣間見せてもくれました。
そんな池森さんが最近注目しているアーティストについても伺ってみました。
すると即答でこんな答えが。
「ブライアン・カルバートソンていうキーボードニスト。この人の去年の『Funk!』っていうアルバムなんですが、 この人キャンディ・ダルファーがゴリゴリの ファンクやってる頃のアレンジやキーボーディストとして腕を奮ったプレイヤーで。自分ソロのアルバムはインストルメンタルなんですけど、歌もちょっとあってコーラスが入ったファンクアルバムでね、 今この時代にそれをやるんだ!という潔さがかっこいいんですよね」
いわゆるスムースジャズやフュージョンの世界ではトップの一人。だそうですが、ちん。はゼンゼン知らないよう。池森さんのアンテナの広さと鋭さを垣間見えた気がしますね。
そんな音にこだわる池森さんは、当番組を提供するサウンドピュアディオのカーオーディオを楽しんでいるんだそう。
「僕らいつでもスタジオで音作って、スタジオでフィードバックした音が常に耳に残っているから、どこで音楽聞くのも同じ状態で聴きたいんですよ」
お話を聞くと、実はかなりのヘビーユーザーで原音に忠実な音作りへアドバイスなどもしてるなんてお話も聞きました。
「いえいえアドバイスというほどではないんですが、 とにかくスタジオの音のまま表現されるというところに惹かれて。車買って『動くスタジオを作ろう』と思いたってワンボックスカーを購入して、色々チューニングとかしてね。
まあ、僕は車好きなんで買ったらすぐ車に会いたいところじゃないですか?でも直接山口(サウンドピュアディオの拠点)に納車して。で山口で全部ガッツリやってもらって 全部仕上げて僕のところに来たと言う(笑)。 それぐらい音に惚れ込みましたね」
なんと、当番組とも浅からぬ縁のある池森さんでした。
さて、お話を戻して。
昨年、25周年イヤーを駆け抜けたDEEN。2月6日には47枚目のシングル『ミライからの光』をリリースしました。
メガヒットゲーム『テイルズ オブ』シリーズの最新作『テイルズ オブ ザ レイズ』のテーマソングでもある今作。シリーズ3作総てに楽曲提供しているのはDEENだけです。
数多くのアーティストがひしめく音楽の世界で、一つのグループが途切れること無く音楽活動を継続していくことの難しさと尊さをいつも感じます。
そんな中でDEENはシングル曲にこだわりがあり、さらにポイントポイントでタイアップ曲でのヒットが転機となることも多いイメージがあります。また、タイアップを非常にポジティブにクリエイティビティにつなげている印象があるのが特徴です。
「これは25年という活動の中ですけど、タイアップってすごくいい作品ををつくるにあたって重要なキーパーソンではありますね。自分たちで次はこういう楽曲を作ろうかっていうような作品ももちろんあるんですけど、タイアップって例えば今回はゲームですから、こういうストーリーなのでこういう歌詞を書きたくなる、であるとか、ここに合わせてこういう曲を作ろうっていう、タイアップだからこそ生まれるアイディアってたくさんあるんですよね。だからタイアップして曲を作るっていうのはすごく好きですね。
ストーリーを読まなかったら俺の中からこんな言葉は出てこないなとか。メロディしかりアレンジ然りで。ただ好きでやるだけじゃない何かがありますね。クリエイティブな作業においては非常に刺激的です」
他業種とのコラボであるタイアップはなにかとビジネス面で語られることは多いのは確かですが、DEENの音楽にとっては閉じた音楽にならないための、大切な刺激として捉えていることがよくわかります。非常に面白いし、DEENの音楽を考える上でとても貴重な発言かもしれませんね。
それでは今作『ミライからの光』ではどうだったんでしょうか。
「今回だと、ちょっと未来だとか、このテイルズシリーズで前回その僕たちがコラボした例えば『テイルズハーツ』とか『ディスティニー』とかもまた出てきたりしてとか、そういう再会みたいな。 結局このテイルズオブシリーズというのは、すごく簡単に言えば僕が地球を守るとか悪い奴から君を守るとか、ヒーローですね。男子はやっぱりグッとくるじゃないですか? そういう意味でも今回は完全に主人公の目線を意識して書いています」
またカップリングではいかにもDEEN節ともいえそうなラブソング「離さない君を、離れない僕は。」が収められています。
DEENの楽曲では「離れない/離さない」というモチーフの楽曲が多いような気もしますね。
「そうですねえ...まあ、「君と僕」という関係性は、ラブソングの基本ですしね」
さらに
「永遠の明日 テイルズ オブ ハーツ Version」「夢であるように パチスロ テイルズ オブ デスティニー Version」といった、作品もボーナストラックとして収録しています。
「これはゲームでかかっていたサイズだったりアレンジメントだったりしたバージョンの音源が今回はじめてCDに収録されます」
そんな今回も強力な一枚です。
スタジオでは実際に『ミライからの光』が流れていたのですが、ここで池森さんからサウンドへのこだわりも少し聞くことができました。
「我ながら『いい仕事してんな』とちょっと思ったりなんかして(笑)
今回 32bit、96kHzというハイレゾで録ったんですよ。出てますね良さが。結局音源にする際はCD ですからサンプリング周波数は44.1kHに圧縮されちゃうとおもうんですが、やっぱりハイレゾで録った音が音像、残像なんかがかなり残っていますね。かなり広いですね。これはぜひ音のいい環境で、井川さん(サウンドピュアディオ)の音で聞いて下さい(笑)」
簡単に言えば今回、人間の耳で捉えることのできる音以上までカバーするCDなどよりはるかに高音質な録音を行ったそうです。それがここで言うハイレゾリューション=ハイレゾレコーディング。しかしそのレコーディングにはマイクからレコーディング環境、ミキシング、マスタリングに至るまで総てが対応していなければなりません。
CDにする際は圧縮されてしまうので、その完全再現は望むべくもないのですが、それでも違いは明白。ということですね。
ぜひ、できる限り音の良い環境で聴いてみたいですね。
最後はやっぱりサウンドピュアディオの話になっちゃってましたけど「十数万円のセッティングでもスタジオの音になっていてすげえと思いました」なんて、笑顔でお話をしていた池森さん。とりわけサウンド作りにまつわるお話はグッと熱がこもって、本当にサウンドにまつわることに目がないんだなあ、なんて思いました。
ちなみに池森さんはいくらくらいのセッティングをされたのかお尋ねしたところ「僕のは100万くらいかけたんですけど」とのこと。それこそすげえ、ですね。
今週はここまで。
次週も池森秀一さんをお迎えして、さらにDEENの音世界を紐解いていきましょう。
どうぞお楽しみに!
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次週、2月23日は引き続きDEEN、池森秀一さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。