9月8日のゲストは、クラムボンの原田郁子さんです。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」

今日のゲストはクラムボンから原田郁子さん。 #クラムボン

音楽専門学校の同級生の原田郁子、ミト、伊藤大助で結成され1999年メジャーデビュー。
高品位なポップスでありながら常に実験精神旺盛な音楽性と、それぞれ充実したソロ活動、そして音楽のみならず活動形態から運営まで既成概念にとらわれない姿勢で、国内外から大きな尊敬も集めるクラムボン。

原田郁子さんは福岡生まれ。いつものように、のびやかな歌声にふさわしい柔らかな笑顔で登場。さっそくのドライビングミュージックはJanet Jacksonの『Got Til It's Gone』をチョイス。

「私遅ればせながら、この何年かで免許とったんだけど、すごい初心者でドキマギがすごいんですよ。いいんすか右折ここで。みたいな。だからあまり疾走感ある曲だとちょっと焦っちゃうんで、これくらいのかんじでお願いしたいなと(笑)もうほんとすみませえん」

なんか最初からホッコリ。今日の音解も楽しくなりそうですね。

この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


「最近、自分が10代の頃福岡から上京して東京に出てから、聞いていた音楽を今また聴き直したりしてるんですけど、TLCとかアレステッドデベロップメントとか、今の耳で聞くとなんかその時代独特のクールさっていうか、音はすごいシンプルなんだけどグルーブとかかっこいいなと思って。

この曲高い声のパートのところがジョニ・ミッチェルの「Big Yellow Taxi」って曲のサビの所をサンプリングのようにジャネットジャクソンが歌い直してて、当時それもすごい新鮮だったんですよ。こんなになっちゃうの!?って」

のっけから、根っからの音楽ファンっぽいお話をアツく語ってくれた原田さんです。

さて、クラムボンと言えば今年6月に『モメント e.p.』シリーズの第3弾『モメント e.p.3』がリリースされました。

今のクラムボンは2016年から、全く新しい形でのバンド運営、CD販売を行って大変な注目を集めています。原田さん自身に解説してもらいました。

「2015年でクラムボンが結成20周年の節目でそれを機にずっとお世話になってたメジャーレコードから離れて、流通を通さずにできるだけ一番届けたいリスナーの皆さんに直接渡したいということで直売ツアーと呼んでるんですが、ライブハウスをそのまま新譜のレコード屋さんみたいにできないかなと。

出来たばかりの曲を生で聞いてもらって、もし『いいじゃん』って思ってくれたら購入してもらって、その後でサイン会して、ホントにお一人ずつに手渡ししたい。その熱量がそのままダイレクトに届けられるんじゃないかって2年前から始めてて今年で3作目ですね」

一枚一枚音質から装丁までこだわってCDを作り、ライブをして直接販売する。完全な自主制作のスタイル。それが、現代にふさわしい心地よい制作環境で、未来に続く商業としての音楽のひとつの在り方じゃないか。そんな思いで取り組んでいるのだとか。

ただ会場だけでは欲しい人のすべての手には届かない。そこでユニークな「販売店」システムがとられています。

「ツアーで回りきれない街の方とか、来れなかった方たちに作品を手にできるチャンスがない。なんかいい方法無いかなってことで、ミトくんがライブのMCで『CD を取り扱ってくれるお店あったら教えて下さいっ』て呼びかけたんです(笑)。そしたら、ウチ飲み屋やってるからいいっすよ、とかホントにそんなかんじで始まって。通ってるバーでも病院でもカフェでもなんでもいいんですけど、今は自分たちの想像を遥かに超えるお店で扱ってもらっているんです」

福岡でもいくつかのお店で取扱中詳しくはクラムボンのWEBでご確認ください)。山口はただ今募集中なので、われこそは!と思う方応募してみてください。

箔押しのとても洗練されたデザインのジャケットに、開くと蛇腹型の超変形歌詞カードが広がる凝りまくった仕掛けも美しい「モメント e.p. 3」。
先程の言葉通り、一曲一曲にこだわりを尽くした全くタイプの違う5曲が収められています。

そんなアルバムの中から音を紐解いていただくべく一曲選んでいただいたのはJR西日本の夏キャンペーンCMソングにも提供されていたポップでダイナミックな「グラデーション」です。

こはまさんの興奮が伝わる感想をそのまま引用しますね。

「この曲すごく面白いなあと思って。静かな感じで始まってたラララララララっていうクラシカルな雰囲気があって、そっから今度ダイナミックにそのタタ、タタ、タタ、タタ、タタ がジャンジャンジャン、ジャンジャンジャンって三拍子になっていくっていう変化に うわっ!て驚きました!

その勢いを受けて原田さんの解説も熱が入ります。

「すごいですよね(笑)これはミト君がアレンジもしてくれてるんですけど、すごく小さな繊細な世界からダダッダダって激しくなる。そこで終わるんじゃなくて、収縮するようにまた小さな深い世界に潜って、また爆発の方に行くというのが交互にやってくるんですよね。私も最初は聞いた時にクラシックを聞いてるようですごく面白いなと。このダイナミクスが大きい曲はクラムボンの中でも今までなかったんじゃないかと思ってます」

ここで原田さんクスリ。ミトさんの攻めた楽曲の素晴らしさはともかく、実際に演奏するとなると大変だったようです。

「でも、これってこれどうやって(ドラムスの)ダイちゃんは叩くんだろう?って思って。人間には限界があるというか機械ではないので。(実際に聞くと)最後にクライマックスでダンダン!ってダイちゃんのドラムがもうとんでもないことになってるんですよ!

私はずっと音源としてのダイちゃんのドラムを聞いてたので、レコーディングで久しぶりにあったら。もうファンみたいになっちゃってて(笑) 「ああっ、あのドラムはこう叩いてるんだ!」みたいな(笑)、今だに速すぎてよく見えないみたいな。なんかすごいんですよ、刀を振り回している殺陣の人っているじゃないですか。名殺陣師にみえる。サパサパサパサパサパって...説明できない(笑)ぜひ、ご覧いただきたい(笑)」

ラララでダンダンダンでサパサパサパ。ふたりともなんだか少しテンションあがっちゃって、でも楽しそうですね。

そんな挑戦的なサウンドとそれに応えた演奏。歌詞を書く原田さんとしては力が入ったようです。

「歌詞も集中して書いたんですけど、この世界を一体どういう歌にするのが一番いいかと思って。ダイナミクスをなるべく活かしたいし、サビの所のあの爆発したところではここ数年ずっと感じてきたことであったり、クラムボンでやってきたことも、すべてあの場所にぶつけたいなと思って。 願いと言うかあれだけの場面では歌わなくてはいけないだろうと考えて書きました」

お話を聞いているだけで、今のクラムボンが自分たちの満足の行くまで音楽に向き合い、自分たちの許される自由の中でとことん音作りに取り組んでいる、そのしんどさ、楽しさ、そして揺るぎない自信を感じることができますね。


そんなこだわりの詰まった一枚は、ぜひメンバーから直接受け取りたいものですね。

現在、クラムボンは『モメントツアー2018』を開催中です。

clammbon モメントツアー2018

9月16日(日)、9月17日(月・祝) 福岡BEAT STATION <●サイン会あり>
開場17:30 開演18:00


「今回、新曲を全ての会場で演奏してきてるので、そうとう育ってきてるというか、みなさんに聞いていただくごとに曲が進化していているんです。福岡は地元ですし、ひさしぶりに2Daysでライブをやれることで、しかも日曜日と祝日ですからぜひ山口の方も遊びに来てください」

こはまさんとも何度も顔を合わせているせいもあって、最初からリラックスして楽しい雰囲気の今回の音解。それ以上に、今の活動に誇りと自信を持っていきいきとしていることが伝わってきます。

最後に頂いたリスナーへのメッセージには、そんな今の気分が溢れているのでした。

「今、クラムボンはすごく今良い形で音楽の活動が自分達らしくできてるんじゃないかなと思っていて。なんか私たちもやればやるほど、音楽は素晴らしいって自分たちでも思えているということはすごく幸せなことだと思ってます

ライブ会場でお待ちしてます!そう言ってまたにっこり笑う原田さんでした。

clammbon official website (外部リンク)

  


次週、9月17日はSIRUPを迎えします。お楽しみに。