9月29日のゲストは引き続きAimerさんです。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。本日のお相手はちん。です。

今日のゲストは先週に引き続き Aimerさんです。 #Aimer

先週はAimerさんの声に関するこだわりや楽しいお話をたっぷり聞くことができました。

とっても忙しい中で、正直あんなにディープなお話に付き合っていただいて申し訳ないなーと思っていたんですが、それでも「嬉しい」と言ってくれるAimerさん、ホントにいい人なんです。

そんなAimerさんの行為に甘えて今週は、さらに深く。
紐解いた先には、Aimerさんのライブへの熱い想い。そして、思いがけないアーティストと受け渡される音楽のバトンについてのお話を聞くことができました。感無量。そんな感じです。

この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


今日の1曲めは今月5日に発売されたばかりの7周年を飾る15枚目のトリプルA面シングル「Black Bird / Tiny Dancers /思い出は奇麗で」からとびきりのアップナンバー「Tiny Dancers」スタート。

さかのぼって2017年に発表された「ONE」は開け放たれた窓のようにポジティブでエネルギーに満ちたAimerさんの新しい一歩を示すようなナンバーでした。以降、アップテンポで軽快なナンバーも増えてきましたが、この曲はその流れを感じつつも、もはやアンセムのようにアガるナンバーです。

この曲はライブのことを想像しながら皆さんが盛り上がっているところを見たいな という思いで作りました。」

確かに、この曲のMVでは少女のようにステージでピョンピョン跳ねながら歌うライブでのAimerさんが登場します。お話を聞くほど思っていた以上にライブへの熱い想いがあることが分かってきました。

「やっぱりライブが、活動するごとに自分の中で大きなものになってきて、その中で皆さんと盛り上がるような双方から力を分け与えると言うかぶつかり合って爆発させるような場面が欲しいなー。っていう思いをが増してきて」

「ONE」と「Tiny Dancers」この2曲はライブへの強い思いでつながっていました。

「『ONE』は武道館のために作った曲だったんですね。どうしてもアンコールで自分の曲で盛り上がる曲が欲しいので作ったんですけど、 それが思っていた以上に反響をいただいて。その事もあって今回ライブのことを見据えてまたもう一曲作っててみようと思ったんです」

少し語気に力も入り楽しそうで、想像するよりAimerさんシンプルにライブが好き、という感じがすごくつたわってくるのです。

というか、もしかしたらもともとクラブに行ったりアクティブな方に強い方なのでは?

「完全に弱いです(笑)」

あ。よくわからないですけど、良かったです。 イメージ通りで。

さて、今回の「Black Bird / Tiny Dancers /思い出は奇麗で」では、バラエティ豊かな楽曲とともに、全体に「歌の楽しさ」みたいなところをすごく感じますね。

自分でも意識しながら本当に(楽曲と同様に)声でも色とりどりにしたいなと思って作っていきました。「Black Bird」ではちょっとシリアスでロー(低音)の効いた声になってて、「Tiny Dancers」は意識してちょっと高めの幼い声で、「思い出は綺麗で」は少し昔の思い出を今懐かしむような大人びた声で歌っていたりと、本当に今できる表現できる「声色」を最大限に使っているので、楽しんでくれたらうれしいです」

そんな声の魅力をぜひ目の前で楽しみたいものですね。   
   

『Aimer Hall Tour 18/19 "soleil et pluie"』

福岡公演 11月3日(土)『福岡サンパレスホテル&ホール』、
広島公演 11月4日(日)『広島文化学園HBGホール』


この秋からスタートするツアー「soleil et pluie」。このタイトルはフランス語で「太陽と雨」だそう。

「遡ると"blanc"と"noir"、「白」と「黒」というベストアルバムを出して、優しいバラードと激しいロックのような曲を二つに分たりしたんですけど、それ以降「白」と「黒」に分類できないようなカラフルな曲も増えてきたなって思いが今あって、また新しい定義と言うかコンセプトとして、『太陽と雨』それを今回のツアーで皆さんに提示したいなんて思ったんです」

成長する音楽性にふさわしい新しい分け方、定義。
とはいえ、やっぱり相反する2つの世界を描きたいことに変わりはない あたり、とてもAimerさんらしいですね。

さてライブに話を戻しましょう。

「それこそその太陽のようなアップテンポなメンバーで明るく皆さんを照らすような場面もあれば、雨が降るようにしっとりとしたバラードをじっくりお聞かせする場面もあったりして。今まで以上に自分の今の世界観を表現できるライブになると思います」

今回は今までで一番の規模と本数のライブになります。
ここでも再びライブへの熱い想いを話してくれましたが、表現としての『ライブ』の可能性と魅力を感じていることがわかりました。

「本当にライブっていうものは、今は自分の中でやっぱり一番上ウェイトを占めているものだなっていう意識はあって。表現者としてライブで歌を歌ってみなさんと一緒に一夜を作り上げるっていう行為にすごく意味を感じていて、今は本当にいろんな場所に歌いに行きたいなと思いますし、今しかできない今だからこそできる歌を聴いて欲しいなと思います」

きっとファンの皆さんはこの言葉嬉しいでしょうね。


さてここで少し話題を変えて、今週はAimerさんに「ルーツミュージック」というテーマで一曲選んでもらいました。

Aimerさんが選んだその曲はスピッツの「渚」です。

   「この曲は特に歌詞のワンフレーズにすごく大事にしているところがあって、それを自分の作品に活かしたと言うか、自分の作品で同じようにと言うかリスペクトを込めて作った部分があってこの曲を選んでみました」 

ちなみに言葉通りのルーツ、記憶にある限りで始めて好きになった曲は映画「アニー」の「トゥモロー」だそう。
「最近リメイクされた方ではなくて、古い方の作品が本当に好きで。主人公の女の子が7歳とかまだ幼い子なので、声が透き通っていて。そういう声に憧れて歌い始めたのが歌うってことの最初かなと思います」

さてスピッツです。スピッツ自体お好きなんですね?と聞くと少し大きめの声で即答「大好きです!」。

「大好きすぎて一口では言えないんですけどまず草野さんの声の感じがすごく好きで、ある意味ちょっと中性的な人って声に憧れてます。 自分の声を褒めていただく時に『ちょっと中性的な部分があるね』って言われるのがすごく嬉しくて、こういう声になれたらいいなと思うアーティストの一人ですね

やっぱり「声」。好きになるアーティストなどもやっぱり声で好きなることが多いですか?

「今はそうでもないんですけど、本当に声ですぐにのめり込んだりって言う人が多かったですね」

なるほど、じゃあボーカルはイマイチだけど曲がいいからとかはないんですねえ。

「はい(キッパリ)。声がだめだと思う何もかもダメという(笑)」
思わず笑ってしまいました。


しかし、今回は大好きなスピッツだからではなく、この曲、とこの曲の一節。

「はい。端的に言えば この曲の中に出てくる単語がすごく頭に残っていてそれを自分の歌詞を書く時の言葉のストックの一つに入れていてそこから生まれた曲があるっていう感じですね。」

そこから生まれた曲とは、Aimerさんの2011年のファーストシングルでもある「六等星の星」です。アニメ『No.6』のエンディングテーマでもあるこの曲。

どの部分に影響受けたんでしょうね?なんてお話していると、たぶん今回いろんな部分で垣間見えたAimerさんの優しさなのか、ちんのあまりのしつこさに根負けしたのか(すみません)、「これ本当に初めて言うんですけど」とこんな秘話を披露してくれました。これにはびっくり。

ズバリ『六等星』って単語ですね。『渚』の中で『ぼやけた六等星だけど思い込みの恋に落ちた』っていう一節が大好きなフレーズで、自分のストックのひとつに入れていてこの最初のデビュー曲のタイトルをつける時にそこから「六等星」と」

ええっ!アニメのタイトルが「No.6」だからだとばっかり。

「もちろん、それもかけてるんですけど。英語で「No.6」というのがまずあるし、スピッツのフレーズを思い出して『六等星の夜』というふうにつけました。この曲は歌詞には六等星っていう単語は一回も出てこなくって、タイトルだけがちょっと違うという私の曲には他にはあんまりない珍しいパターンなんです。
これ本当に今始めて言う話なんですけど(笑)」

ああ、本当にしつこくてすみません。
でもお話を聞いてAimerさんとスピッツの共通点にすごく納得しました。

昔から声にこだわってきたAimerさんにとって、草野マサムネさんの死と生、あるいは生と性、宇宙のような独特の感性を二重三重に周到に含みをもたせるように織り込まれた歌詞世界は、改めて歌詞、しかも日本語の歌詞と向き合う契機になったのでしょうし、そこから再び日本語詞を表現する「歌」という意味で草野さんに強く影響を受けたのかもしれません。

一つの単語の話ですけど、意識してか偶然か、旅立ちのその一言には尊敬するアーティストの意匠が人知れず刻まれていたとも言えそうです。グッとくる素敵なお話です。

さて、そろそろお時間。
本当に色々なお話を披露してくれたAimerさん。
「先週と同じく濃厚な時間で(笑)とても紐解いていただきいろんなことを引き出されたな、と思います」

なんだか申し訳なくなってきました。だけど、ファンの皆様もきっと喜んでいただけたのでは。

「今回この番組に呼んでいただいて濃厚なお話をさせていただいてとても嬉しかったです。ぜひ新しいシングルを聞いてツアーで皆さんにお会いできたら嬉しいなと思います

ちなみに今回の写真は、ちん一人が写っていますが撮影したのはAimerさん。
濃厚に絡まれた挙げ句に無理を言って写真まで撮っていただきました。おじさんしか写っていませんが、その視線の先にAimerさんがいると想像して御覧くださいね。ちょっと斬新。

そんなおふざけみたいなお願いにもAimerさん、最後まで優しくてノってくれました。そんな方でした。史上最高に素敵な方でしたよ。

 

Aimer Official Web Site (外部リンク)

次週、10月6日は小曽根真さんをお迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに。