毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。
今日のゲストはフレンズからひろせひろせさんと、三浦太郎さん。 #フレンズ
それぞれが今に至る音楽シーンを賑わせてきたメンバーが集まって結成されたのは2015年6月。
ハイクオリティの新世代シティポップはあっという間に話題となり、この8月には1stフルアルバム「コン・パーチ!」をリリースという、いま耳の早い音楽ファンの間では話題沸騰中のフレンズ。
一見、メガネの学生風の三浦さんと巨漢でやんちゃなひろせさんの組み合わせがなんだかアニメから出てきたようですが、お二人のやり取りもなんだかイメージぴったりで楽しいもの。しかし、主にひろせさんの口から繰り出される音楽の話はかつてないほどマニアックでテクニカル、フレンズの底知れない音世界をかいま見せてくれました。
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三浦さんが選んだドライビングミュージックは、同じく今話題の福岡のバンドAttractionsの『Leilah』。
「福岡のバンドじゃないですか。僕、三浦太郎も福岡に8年住んでいたこともあってAttractionsのボーカルのTAROとTAKEが前のバンドやってる時に僕も前のバンドやってて一緒にライブやったり、ドラムのAKIRAは僕のサークルの後輩だったり、ベースのJUNは僕の弟と一緒に地元の佐世保でバンドやっていたり、実はめちゃくちゃ縁があるんです」
ひろせ「イケメンだよねえ」
三浦「すごいイケメンなのよ。9頭身くらいある」
ひろせ「(人気とられちゃうのに)なんで紹介すんのよ」
だいたいこんな感じで今日は進んでいきますよ。
東京都渋谷区神泉(しんせん)をイメージした音楽ジャンル、神泉系バンドとして活躍するフレンズ。「神泉系バンド」ってなんでしょう。ご自身に説明していただきました。
みうら「東京都渋谷区、その1駅となりが神泉なんです。飲み屋で『音楽やってます』というと絡んできたおっちゃんに「お前どんな音楽やってんだ?」という会話が絶対あるんです」
ひろせ「あるある」
「そこで『ポップでボーカルが女の子で』とか説明していると『そんなんどうでもいいからきかせろ!』って会話にいつもなるんで、なんとかならんのかなと思っててじゃあ自分で作っちゃおうということで『神泉系』。そこにはなにも深いものはないんですけど。ボーカルのえみさんは『渋谷から一駅離れているしワクワク感とかそのパーティからちょっと離れた、ちょっと落ち着いたイメージ』と解釈して僕らはレペゼン神泉でやっています(笑)」
そして満を持して8月に発売されたファーストフルアルバムが「コン・パーチ!」。挨拶代わりのナンバーが、全12曲収録されています。
ひろせ「いやー、やっとですね。今年の4月に日比谷野外音楽堂でライブさせてもらって、そこで夏にリリースしますと宣言してとんでもないこと言ってしまったなと。そこから制作で曲も本当に4曲ぐらいしかなかったんですけど。なので5月6月の記憶がないですね(笑)。毎日なにかずーっとやってましたね。」
洗練されてワクワクするナンバーの本当にバラエティ豊かな楽曲の数々の間に「元気D.C.T~憧れのマチュピチュ~」...途中コントですかね。
「人間賛歌と言わせていただいております(笑)」
そんなアルバムの制作、さぞ大変だったのでは。
三浦「あのう、アルバム自体かなりタイトなスケジュールでやったので、レコーディングの作業がですね本当に難航して。曲ができてない状態でレコーディングするとか。俺は曲作ってるからわかってるんですけど、メンバーはみんなはわかんないみたいな」
ひろせ「前日レコーディング進んでいる時に、明日録る曲みたいなのがプッと送られてきて『これです』みたいな」
三浦「結果みんな号泣してました」
ひろせ「あっはっは」
タイトルは「コン・パーチ!」。ちょっとラテンぽくもあるタイトルですがどういう意味ですか。
みうら「ボーカルのおかもとえみがネットサーフィンしていて考えてくれたんですが、もともと相撲用語で。相撲部屋で(初めて髷を結えるようになった力士は)挨拶回りをする時に(迎える親方や兄弟子は記念として)デコピンをするというしきたりがあるんだそうです。「ごっつぁんです」パチン。みたいな。なので衝撃の挨拶。はじめてのフルアルバム→衝撃の挨拶→コンパチで。ここからはよくわからないんですけど。おしゃれにイタリア語っぽくしました。イタリアがおしゃれなのかもわかりません(笑)」
なにはともあれ、今回のアルバムに似つかわしい陽気なインパクト溢れるタイトルですよね。
さて、今日もご自身に一曲ピックアップして自らじっくり紐解いていただきました。
その一曲はアルバム最後を飾る「ベッドサイドミュージック」。
「これがフレンズのとして初めて作った曲なんですよね。これが結成のきっかけになって、この曲を演奏するために集まったバンドがフレンズになったんですよね」
そして、この曲と三浦さんにとって切っても切れないある楽曲の存在がありました。
「僕がこれ書いたのが2012年ぐらいなんですけど、当時(ジブリの)「風立ちぬ」という映画がありまして。その中で荒井由実さんの「ひこうき雲」が使われていて大好きな曲なんです。(その影響で)僕、音楽プロデューサーになりたいなと思って音楽始めてるんです。だから僕、楽曲分析野郎なんです。結果的にはそんな風なヤツは良くないなと思って変わってきたんですけど(笑)」
「ひこうき雲」のすごさってどこでしょう。
「後で知ったんですが、荒井由実さんの旦那さんの松任谷正隆さんは『ひこうき雲』を聞いて、こいつと一緒にいたいと思ったと言ってるぐらいパワーがあるんですね。
この曲どこがすごいのか考えると、この曲は『切なさの塊』だなと。せつないことを重ねた先にあの曲ができているんだなと思ったんです。
その一番最初の切なさのキモはベースのイントロがあるんです。
その「どぅどぅどぅどぅん」ってベースの入りを(自分たちのこの曲では)完全に真似してます」
「わかりやすくAメロ→Bメロ→サビという構成があるんですけど、メインを僕が歌って、そこからずっとBメロからえみさんが歌ってる。そうすると場面転換ができないので、サビの前にカウンターメロディ=駆け上がりのピアノのメロディを入れました。ピアノの『パンパンパンパン』ってのは旅に向かう高揚感たっぷりで、歌が変わるよって。(男女が交互に入れ替わりみたいなわかりやすい変化が無い分)場面転換を入れることによってさらにぐっとあげてる」
はらだ「よく考えてますね(笑)」
止まらない!溢れるようにこの曲について解説する三浦さん、とても楽しそうですし実際隅々まで施された工夫に感嘆するばかり。
「サビの折り返しに『♪ベッドサイドミュージック』って後に左右同時にコーラスで『ミュージック』って入っているんですが、ベッドで寝ている間にラジオから流れてきているイメージなんです。じゃあラジオっぽくってどうしようとエンジニアさんと相談して。結局、録音したものを一回電波で飛ばして、それをラジオで受信して鳴らしたものをマイクで録って。というデータなんです。ラジオっぽく編集したとかいうものではないんですね」
はらだ「僕の知らないことも...(笑)」
「今回、初めてのフルアルバムということで歌もギターも改めて録り直してんですけどその ラジオからなる『ミュージック』っていうのは、僕が2012年に録ったときの音そのまま使っているんです」
その他にもボーカルの声を眠りにつきやすい周波数を意識してチューニングしてあったりと、いくらでも秘密が出てくるんです。
「この CDのリリースでいろんなところを回ってるんですけど、今すごく楽しいです(笑)」
そう言って満面の笑みの三浦さん。ホントに音楽好きなんですねえ。その傍らで他人事のように感心しながら少し呆れた顔で笑っているはらださん。ホントにいいコンビです。
そんな、ありったけの情熱とそれぞれの才能と工夫を注ぎ込んだ今回のアルバム、決して聞き逃がせませんよ。
そしてライブも楽しみです。
まずは9月15日に『海の中道パノラマ広場』で今年初開催となる野外フェス『GOLD SOUNDZ 2018』出演。
「初めて開催されるフェスなんですよね。我々がぶちかますしかないですね」
GOLD SOUNDZ 2018
2018年9月15日(土)
開場 10:00 / 開演 11:30 / 終演予定 19:30
会場 海の中道パノラマ広場 (福岡県福岡市)
そして、秋から全国ツアーもスタート。
コン・パーチ! Release Tour シチュエーション・コメディ season3
11月11日(日)BEAT STATION
OPEN 17:00/START 17:30
三浦「今回、福岡は正直ちょっとえこひいきしちゃいます。というのも、ギターの三浦太郎の凱旋なのでスペシャルなことになるかと思います。ツヨシも来てくれることなので」
ひらた「俺のお父さんですそれ(笑)。
嬉しいですね。福岡でバンドやってたんですけどフレンズでまた帰ってこれるというのはまた一つ乗った感動があります。福岡地元でもあるんですけどまふれんずとっても大切な場所なのでまたライブで是非皆さんにお会いできたらと思いますよろしくお願いします]
一つの楽曲にここまでいろんな思いと工夫が施されているもんなんだと、音楽の聞き方が少し変わってしまいなそうなくらいたくさんの驚きがあった今回の音解。アツくアツく語るひろせさんとふんわり突っ込む三浦さんのコンビネーションも楽しく濃厚な30分。みなさんは楽しんでいただけましたか?
お二人、今日はありがとうございました。
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次週、9月1日はコレサワを迎えします。お楽しみに。