毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。
今日のゲストは先週に引き続いて東洋一のサウンドマシーン、クレイジーケンバンドの横山剣さん。 クレイジーケンバンド #CKB #CRAZYKENBAND
結成20周年。
その集大成でもありネクストステップでもある3年ぶりのオリジナルアルバム『GOING TO A GO-GO』を中心にクレイジーケンバンドの音世界をひも解いていたら時間も忘れて、そのお話に夢中になってしまいました。
2週目になって剣さんもすっかりリラックス。
剣さん自身の人生観も垣間見える素敵なお話をたっぷり聞くことができました。
どうぞお楽しみあれ。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→ FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)
今日のドライビングミュージックに剣さんがピックアップしてくれたのはニューアルバムから5曲目「ZZ」。変わったタイトルですけども。
「そうですね。ま、かっこいいZZ=ジジイになりたいという願望ですね。
おじいちゃんになってもポルシェのタルガをぶっ飛ばすような、かっこいいジイサンになりたいなって理想はあるんだけど、でも現実は BBA=ババアをのせて(笑)家内を乗せてるのが現実なんだけどでもまあいいじゃんっていう。でもそんな毎日楽しいよって。これもまあ、歳を重ねることを肯定するソングですね」
誰だってあんな大人になりたいと憧れる剣さん。
なんといっても歳を重ねることを楽しんでいる様子に憧れる方は多いのでは。
「僕も10代20代の時も30になったらどうしようっていつもイライラしてたけど。なんか逆になってきて良かったですよね。今は歳を取るのが楽しみ」
先週もお話いただいた20周年でこれからの20年にまたワクワクしている。
そこにはお手本になるべきやんちゃな先輩たちとの交流も大きいようですよ。
「特にクラシックカーの集まりでいろんな方の話を聞いていると、みんなますますヤンチャになると止まらなくなっちゃう。堺正章さんが言ってたんですけど『仕事はやりがい、趣味は生きがい』そうなのかなあ、なんてだんだん思ってきて。
58歳だけど最年少なんです。 かつての日本を彩ったレーシングドライバー生沢徹さんとかミッキー・カーチスさんなんかも顔をだすんです。そういった方々の話聞いてるとずっと小僧でいられる。『お茶持ってきました!』なんてね(笑)新鮮なんですよね」
そんな、まさに今が絶好調の剣さん率いるクレイジーケンバンドの3年ぶりのオリジナルアルバムにして20周年記念アルバム『GOING TO A GO-GO』。
剣さん自ら「出したくて出したくてしょうがなかった」という新アルバム。
テーマは「支離滅裂」。
この間、ずっと新曲を作っていながら「できるだけ新しい曲を出したくて、結局今年生まれた曲が8割」なんだそうです。
そんなアルバムの中から、特に1曲剣さん自らピックアップしたのは、アルバムの中でもとりわけ剣さんのエッジの効いたボーカルと全体にクールで危険な雰囲気が魅力的なナンバー「MIDNIGHT BLACK CADILLAC」です。
このナンバーにはすごい秘密が隠されていました。
「さっきも言ったように、今年の曲ばっかりの中でこの曲は異色なんです」
「実は20年前に既にレコーディングを済ましていまして、1st アルバム『Punch! Punch! Punch!』に入る予定だったんですけど、どうも気に食わないと。でそのままデッドストック状態で放置してたんですけど。
なぜかというと当時サックス一本しかなくて。でもホーンセクションじゃないとヤなんだよなと思って、当時は5人編成で、キーボードもホーン・セクションもいないわ、パーカッションも女性コーラスもいない状態で。しょうがないから寝かせたんですけど、20年経ったんで蘇生させようかと。(新たに)ホーンやキーボードをトッピングして、20年の歳月を経て完成しました」
つまり声もドラムもベースもギターも20年前のまんまなんですこれ。
もう一度、イチから全部録り直しとか考えなかったんですか?
「そうですね。これに関してはチャレンジしようとすら思わなかったぐらいに。
この時の声って絶対出ないので。この時の、この空気感が音に入ってるわけなんですよ。こりゃもう、これを使うのがエージングというか。はい。 瞬間瞬間の輝き、煌めき、爆発を感じるということですね、やり直しちゃダメですね」
音楽家としてのこだわりを感じますね。
20年前、環境も力量も理想に及ばなかった当時の横山剣さんの頭の中に鳴っていたサウンドが、時を経てついに完成させた、ということなんです。
「結構、恥を忍んで、というところもあるんですけど(笑)今だったらもっとこうやって歌いたいとか思うんだけど、でもそういったスケベ根性とか色気づいちゃうと良くなくなっちゃうってかね。
例えば、ベテランシンガーの方が代表曲をね、ためすぎて歌ったりとかちょっとメロディ変えちゃったりとか。そうじゃなくて正調で歌ってよ!ってリスナーの時の僕は思うんですよね。そういうのも含めてそのまんまが美しいと僕は思うんですよね」
もちろん過去のままではなく、新たに加える音は細部にまで剣さんのこだわりがほどこされていて、アルバムの中でもしっかり馴染んで、今の音楽になっています。
「頭の「せーの!」も20年前のドラムス廣石恵一の声です。今より気合入ってますね(笑)」
アルバム『GOING TO A GO-GO』はまさに結成20周年のクレイジーケンバンドの歴史も音楽も、隅々までぎっしり詰まっていて、さらに未来へと旅立つ一歩として相応しい思いの詰まったアルバムなんだなあと、思いますね。
そんな20年を迎えてなお今が旬!のCKBのライブ、これは見逃せませんね。
CRAZY KEN BAND TOUR 2018 GOING TO A GO-GO
10月8日(月祝)福岡国際会議場メインホール(福岡)
11月1日(木)防府市公会堂(山口)※詳しくはクレイジーケンバンドOFFICIAL WEB SITE (外部リンク)
2週に渡ってお届けしたクレイジーケンバンド、横山剣さんとの音解、いかがだったでしょうか?
人としての横山剣さん、音楽家としてのクレイジーケンバンド、それぞれの魅力にちょっとだけ迫ることができたのでは?と思います。
その語り口や所作、随所に覗かせる照れなどスタジオの横山剣さん、やっぱり素敵なオトナだなあと改めてファンになります。
最後に皆さんに向けて剣さんからひとこと。
「我々クレイジーケンバンド、20年やってましたけども、ここでちょっとハーフタイムの時間を取って、これからもバッと行こうとアグレッシブな気持ちになっております。是非確認しにライブ会場に来て下さい。皆様のご健勝を心より祈念申し上げます。イーネッ!」
次週、8月25日はフレンズを迎えします。お楽しみに。