毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。
今日のゲストは東洋一のサウンドマシーン、クレイジーケンバンドの横山剣さん。#クレイジーケンバンド #CKB #CRAZYKENBAND
ソウルをベースにR&B、ファンク、ジャズ、歌謡曲など、あらゆる音楽を縦横無尽に取り込んで唯一無二のサウンドで大人だって踊らせるCKBことクレイジーケンバンドも結成20周年。
いつだって誰にだって礼儀を重んじてジェントルな剣さん。
どうもどうもとスタジオに入ってきて今日もダンディでおしゃれです。
そんな剣さんがドライビングミュージックに選んでくれたのは横浜の後輩とも言えるSuchmosの『PINKVIBES』。
親子ほど違う年齢ではあるけども、あこがれの先輩たちがやっていたような音楽に後輩気分になってしまうと笑う剣さん。そんな音楽を今の音楽ならではの絶妙のセンスで仕上げる頼もしい後輩を絶賛です。
剣さんのイメージだと1960年台くらいのアメ車でこんな音楽を聞いていそう。そんな言葉を受けて、
「実際は2017年の現行のキャデラックなんですけどね」
そう笑いながら『PINKVIBES』をこんな風に紹介してくれました。
「自宅の本牧から湘南のね、横浜横須賀道路をバーっと行って逗葉道路ってところを走ると、逗子の辺りから海が見えて。そこから134号線を茅ヶ崎に向かって走るんですね。それでだんだんだんだん陽が暮れてきて、水色とオレンジと紫が混じったようなそんな空に夕日が沈んで、マジックタイムっていうんですかね。そんな、なんっとも言えないその時にこの曲を聞いたらたまんないですね」
なんと素敵な。剣さんのショウタイムのはじまりです。
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(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)
伝説のクールスRCのボーカルはじめ数々の音楽活動を経て、クレイジーケンバンドを結成したのが1997年。そこからの20周年、どんな感慨があるのでしょうか。
「クレイジーケンバンドとしてデビューしたのが38なので38歳からの20年って あっというまですよね」
さらりとそう答えてくれました。
そんな思いは今月1日発売された3年ぶりのオリジナルアルバムにして20周年記念アルバム『GOING TO A GO-GO』にたっぷり込められているようです。
今回、興奮してアルバムを作ったという剣さん。
「ここ2年間はオリジナルアルバムも出さなくて、ベスト盤やセルフカバー出したりしていたんです。ここまでを前半戦、ハーフタイムと考えて、これから後半戦に向けてのキックオフという感じなんです」
ここからさらに20年ってことですね。
「確かに、ここから20年と考えると自分はいくつかなって思うと、僕まだ78歳なんですよね。
(剣さんが尊敬する先輩)加山雄三さんが81歳で今もモズライトのギターで速弾きして現役で、これから先もまだまだ現役だと思うんですけど。そう思うと自分たちも生涯現役だな、まだまだ行けるなとアグレッシブな気分になって。
だから今は20年前のデビューの頃より興奮してます」
そんなたぎる思いのもと作られた今回のアルバム。
いつものように、あらゆるジャンルが入り混じって、いつも以上にジャンルのみならずいろんな国の匂いがする濃いアルバムになりました。
土地の匂い。CKBにとってそれはソウルバンドとしてとても大事なテーマでもあるようです。
「そういうアイディアは意外と運転しながら出てきたりするんですね。
『タイガー&ドラゴン』という曲があるんですけど、あれは運転しながら『トンネル抜ければ海が見えるから』ってホントに三笠公園ってところまで走りながら一筆書きで曲ができあがっちゃったんですね。
フィラデルフィアソウルとかシカゴソウルとか やっぱりその土地のかんじって言うか 音の向こうに質感としてあるような気がしますね」
クールなナンバーと共に数多くのタイアップ曲、そしてCKBらしいユーモラスなナンバーもたくさん。
とりわけ自身も母親でもあるこはまは「みんなのうた」のために書き下ろされた「山鳩ワルツ」が耳に止まりました。子供に向けてもいつもと変わらぬジャジーでクールなナンバーなんです。
これは「みんなのうた」で曲を書いてくださいってオファーがあったんですか?
「ええ、自由につくってくださいと。その時に僕は子供の頃のみんなのうたって、子供向けなのに意外にダークダックスとかボニージャックスとか、大人の人達がちょっとジャージーなちゃんと真剣にかっこいいクールなサウンドをやっていたの思い出したんです。ちょっとそんな路線。サウンドは子供に媚びないけど歌詞の内容で優しくちょっと向き合おうかなと。うん」
子供達に媚びないってすごく大切ですよね。
でもこの曲の原型はまさしく剣さんの子供時代にあったというから驚きです。
「50年前の8歳の時に、朝起きたらなんか山鳩が鳴いていんたんですよ「クークーポーポー」って。それが三拍子に聞こえたんですね。だから8歳の時にコーラス部分は誕生したんですけど、まあ、当然そこからは進んでいなくて、残りを今年作って50年の歳月を超えて完成したんですね(笑)」
そんな濃密な20曲と併せて、ジャケットデザインにも注目。
懐かしいような未来的でもあるような曲線が美しい建物と飛び立つ飛行機がなんとも美しいですね。
「ロスの空港なんですね。到着すると最初に見える風景がこれで。今はエンカウンターレストランっていってますけど、昔からなんかスペイシーな不思議な建物だなあと思ってですね」
これも剣さんの子供時代のワクワクした気持ちがベースになっています。
「1970年に万博(万国博覧会)に行ったその感覚で71年の11歳のときに見て。これは万博からさらにスペイシーな世界が目の前に広がって『アメリカすげえなあ』と思った記憶がありますね。まさにレトロフューチャーですね」
そこから飛び立つ飛行機。まさに『GOING TO A GO-GO』!
「わざと背景を黄昏にしてるのもこれから後半戦という。歳を重ねることも肯定的に考えようぜってそういう意味もありますね」
楽曲のみならずビジュアルの隅々まで、いろんな思いや意味を込められているのがこのアルバムなんですね。
そして、そんなクレイジーケンバンドのもうひとつの魅力といえば、大人をも夢中にさせるステージです。
福岡、山口でのライブも予定されています。
CRAZY KEN BAND TOUR 2018 GOING TO A GO-GO
10月8日(月祝)福岡国際会議場メインホール(福岡)
11月1日(木)防府市公会堂(山口)※詳しくはクレイジーケンバンドOFFICIAL WEB SITE (外部リンク)
「ファーストアルバム『Punch! Punch! Punch!』からまあまあのボリューム、『GOING TO A GO-GO』からもまあまあのボリュームで。それでもって微妙な曲や不人気曲もかっこよく仕上げて(笑)車で言うところのカスタマイズ。これをやろうと思ってるんですね。みんなが知ってるようなカバー曲も2曲ほどいれて、遊び心の詰まったステージにしたいと思っています 」
まだまだ剣さんの楽しいお話をまだまだ聞かせてほしい所。
次週も引き続きお迎えして横山剣さんとクレイジーケンバンドの音世界をさらに紐解いていきましょう。
「楽しい時間はあっという間。時間は残酷だと思ったらそんなことはなかったんですね」
そんな粋な一言にまた魅了されちゃいますね。どうぞ次週もお楽しみに!
次週、8月18日は引き続きクレイジーケンバンド 横山剣さんをお迎えします。お楽しみに。