7月26日のゲストは、SABANNAMANの吉田涼さんと上田雄さんです。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」

今日のゲストはSABANNAMANからボーカルの吉田涼さんとヒゲが印象的なギター上田雄さん。 #SABANNAMAN

90年代のミクスチャーロック?オルタナティブに強く影響を受けたロックを現在に堂々と鳴らすそのサウンドとイキのいいライブは2012年の結成以来大きな評判を呼び、HAWAIIAN6所属のレーベルIKKI NOT DEADと異例の契約。以降、ライブシーンを中心に人気が拡大しています。

スタジオに入ってきたお二人はちょっと落ち着かない様子。

「ちゃんと音楽の話できるかなあ」なんて緊張気味にスタート。
だけど、上田さんが自らピックアップしたドライビングミュージック、Red Hot Chili Peppers の「Around The World」がスタジオに流れると、少し落ち着いたよう。

「ちょうど走るのにいいテンポっていうか最初のベースの バーンってところからドライビングミュージックかなって」

SABANNAMANというとRed Hot Chili Peppers、レッチリ。
そんなイメージ通りの選曲からスタートしました。

   

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(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)

 
なんといっても「SABANNAMAN」というバンド名からして、レッチリの楽曲からとられたものです。

「そうっすね。レッチリの曲で「ジャングルマン」ってのがあって、向こうがジャングルならこっちサバンナだなってことで決めたっす」

お二人のレッチリ愛は本物です。

「すべてを愛してます。最近の大人なかんじも、最近超かっこいいだと思いますね。(最近のアルバムは)出た当初とかは『なんかちょっと違うくない?』みたいだったんですけど、最近聞いてたらハマっちゃったんですねえ」

結成は大学のサークルでというみなさんですから、自分たちの成長に伴って長い歴史のRed Hot Chili Peppersの作品の中でも好みが変わっていくわけですね。そして、そういった自分自身の嗜好の変化がそのまんま音楽に反映されるのがSABANNAMANの魅力でもあります。

そんな、みなさんの最新アルバムが2015年のデビューアルバム「Magic Mutant」以来3年半ぶりとなる7月に発売されたセカンド『ADVENTURE』です。

この間、数多くの大舞台や様々なアーティストとの共演を経て進化したバンドの豊かな楽曲が収められています。

「すごい今までにない新しいこと挑戦していて、バラエティにも富んでいてタイトル通りアドベンチャーなアルバムができました」

今回、一聴してわかるのはエッジの効いたサウンドも進化しつつ、なによりも「うたごころ」溢れるメロディへのこだわりが感じられます。お二人はこうお話してくれました。

ボーカルとかに関しては曲にメロディーをしっかりつけようって思いましたね。1枚めとかはまだ大学生のころで、ハードコアパンクとかが好きで、そういうノリの曲が多かったんですけど、今回は歌にこだわりましたね」

「ライブとかやってるうちに歌がやっぱり大事だなと思って。特に大きな会場になってくると勢いだけでは伝わりにくいって言うか自然に」

ライブハウスからフジロックはじめ大きなステージを踏むことで、伝えること、大きなフィールドへ伝えたいという気持ちが今回のアルバムにつながっています。そして音楽の嗜好もより広いものへと変化したそうです。

「最近はレゲエっぽいものとかポップミュージックもテクノも聞きますね。好きな音楽があるととりあえずやってみよう!とやってみるけど、出来上がってみるとあれ、どうも違うな。という感じ(笑)」

それがSABANNAMANらしいサウンドとして出来上がるから不思議。

「まあ、同じ音楽になってもしょうがないですから。それがおもしろいっす自分たちでやってても」

そうやって、今回のアルバムはより広く世間へアピールするかっこいいアルバムができました。

今回の変化をもっとも象徴するのが、全編日本語で書かれたミドルチューン「Wandering」でしょう。異色のナンバーですが今回のアルバムはこの曲から始まった、といいます。

心地よいリズムとメロディ、アーシーで雄大な歌詞。すべてが新境地であり新たな代表曲です。

「まずリフができて、その瞬間『あ、これ名曲できるわ』って(笑)昔は英語をにこだわってて、その方がかっこいいんじゃね、と思っていたんですけどね。日本語でやることにテレがあったんでしょうね。でも今回はやってみようと思ったんですよね」

照れることなく堂々と日本語で。それは自分たちの音楽への深まった自信でもあります。

片や、お二人が自らピックアップしたナンバー「The Way」は従来のSABANNAMANのイメージを受け継ぎながら、より研ぎ澄まされ、フッと入る叙情的なメロディなど、先程お話してくれたメロディのこだわりが光る、もう一つのこのアルバムを代表するナンバーです。

「この曲は、ちょっとおしゃれなジャジーというかファンキーなノリを大事にしたかったんですね」

作曲した上田さんは、そんな楽曲が完成するまでかなり苦労したことを教えてくれました。

「この曲、前作のミニ(2016年発売の『Psychedelic Sox Funk』)の時から Bメロだけあったんですけど、そん時作れなくて、今回やっと作れた曲なんですね。Bメロのギターとベースの絡みとか歌の絡みとかがパズルみたいにバチっとハマってよかったんですが、結局、曲としてできなくって」

そこから数年、やっと今回完成して収録することになりました。そのきっかけは?

「吉田がメロディを良くしたいって言うので、それですごいすんなりいけたって言うか 」
「最初のイントロのリフとかを上ちゃん(上田)に10個くらい出してもらって。そん中のひとつがうまくハマったんです」

ひたすらあれじゃないこれじゃないとフレーズを作ってはジャッジ。メンバーとセッションしてまたやりなおしと繰り返すのだそう。

「一ヶ月かかることもあるし一瞬でできることもあるし。これは一ヶ月かかったっすね。駄目なときは寝かせて。その間にアイディアを思いついたりして引っ張り出して」

毎回いろんなアーティストにお聞きしますが、私達が何気なく聞いている4分前後の一曲ができるまでの苦労たるや。いつも驚くばかりです。

そういえばこのアルバム、ファーストに比べると変幻自在なギターの音がそれぞれの楽曲に効果的に鳴らされているのも印象的です。

「今回のアルバムはヴィンテージっぽいアンプ使ってちょっと荒々しくとか、ストラトキャスターや今っぽいのやら一曲一曲変えてみたりしましたし時間かかったっすねえ。設定覚えるのも大変で(笑)時間置くと音も変わっちゃいますしね」

と笑顔の上田さん。

こういう踏み込んで聞かれることはどうやら苦手な様子のお二人ですが、テレまくりながら考え考え話してくれるお話は、今まさに大きく成長しようとする若いバンドの音楽への情熱と意欲にあふれていて、とても興味深くて気持ちの良いものでした。

そんなSABANNAMAN、残念ながら福岡でのレコ初ライブライブはすでに終了しています。
7月24日、拝見しましたが、圧倒的な演奏力とパフォーマンスに噂以上!と感激したことを付け加えておきます。最高でしたよ。

最後にお二人から一言。
「『ADVENTURE TOUR』全国津々浦々やってますのでどっか見に来て下さい。よろしくおねがいします」
「めちゃくちゃいいアルバムなんでみんなで聞いて欲しいです。お願いします」

今日の放送どうでした?

いやあなんか...楽しかったっす。あんまりこういう話することないっすもんね」
そう言ってやっと満面笑顔のお二人。
本当にお疲れ様でした。また遊びに来てくださいね。

  

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