毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。
今日のゲストは今年でソロ20周年の Chageさん。 #Chage
CHAGE and ASKAはもちろん、MULTI MAX、ソロ、多くのコラボ活動と一貫して陽性のキャラクターと圧倒的なボーカルで愛されてきたChageさん。
アーティストとしてのChageさんは、ビートルズをこよなく愛する王道のメロディメイカーといったイメージでしょうか。
周囲を決して緊張させないリラックスした雰囲気で登場したChageさんが、最初にドライビングミュージックとして選んでくれたのはこれもまたこよなく愛するエルトン・ジョンの名曲をカバーしたレディ・ガガの「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」でした。
まさに今を走り続けるChageさんならではの選曲から今日の音解はスタートしたのです。
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(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)
ソロ20周年で還暦イヤーを迎えたChageさん。今年5月に初のソロ・ベスト・アルバム『音道』をリリースしました。
「ソロ20周年と人生60年ちょうど重なっちゃいまして」
そういえば今回のジャケットも鮮やかな赤ですね?
「クリムゾンですね(笑)」
ソロ活動の全シングルはじめ多彩な活動や楽曲がオリジナルアルバムのように並んでいて、改めて新鮮に聞こえてきます。
「もうタイトルを「音道」と決めた途端に曲順に悩むことなく、もう発表した楽曲をそのまんま並べてさかのぼって行こうかなぁってやってみたんですが、結果お互いの相乗効果が出てきて非常に不思議な化学反応が起きちゃったんですね。
ベストアルバムっての過去の作品を振り返るんですけど、それを振り返ったと同時になんか未来が見えてくるっていうかね。またやりたいことが見えてきたっていうかね」
そういえばそんなChageさんの活動を振り返ると不思議な符合に気が付きます。
1979年CHAGE and ASKAデビュー、1989年マルチマックス、1998年初ソロシングル、アルバムと10年ごとに活動の節目があり、「Chage」という表記も、チャゲ(1979年 - 1989年)、CHAGE(1989年 - 2008年)、Chage(2009年 - )と大体10年周期で変わっていきます。
「偶然なんですよ。僕そんな深読みしないですから。節目節目にいろんなChageがいたんですねえ。ほんとありがたいです」
そう言って笑うChageさんにはそんな偶然のような必然のような、自身の活動をドラマティックに彩る不思議なことがいくつもあります。
これも意識的なのかな?と思っていたのが、今回のアルバム一曲目のにもなっている「 終章(エピローグ)」です。一曲目が「 終章(エピローグ)」から始まる構成もとても洒落ています。
「自分でも一曲目に 「終章(エピローグ)」を持ってきたことが勝因というか「やった」とてごたえを感じました」
ただインパクトある一曲目としての意味だけでなく、この「終章(エピローグ)」こそ、Chageさんのデビューからの音楽活動に関わってきた運命の一曲でもあります。
「この楽曲は数奇な運命をたどった楽曲で、もともとこの楽曲がなかったら僕は存在してなかったんですね」
それはデビュー前にさかのぼります。
「アマチュア時代の19歳の頃にコンテストに出るために作った楽曲なんですね。だけどこれを当時のスタッフに持っていったら『いい曲だけど、コンテスト向きじゃない』って言われちゃって。のちにやっぱりいい曲だから入れましょうということでファーストアルバムに入って世に出ることになったんです。 これが20歳です」
それ以降もこの楽曲はライブでずっと歌われ、いろいろな活動をまたがってアルバムにも収録されています。
CHAGE and ASKAの初アルバム「風舞(1980)」、「PRIDE(1989)」、「STAMP(2002)」、ソロになってからの「Many Happy Returns(2009)」、そして今回。
一つの楽曲をここまで時代時代に併せてセルフカバーする例をあまり知りません。
「気がついたら10代、20代、30代、40代、50代までのバージョンで歌っていたという。ずーっと歌い続けてますから今回60になった時に『あ、60の終章が今度作れるんだ』と思ったらワクワクしました。それで亀田くんにお願いして、そしたら亀田くんが洒落た恋人みたいなことをしてくれましてね。レコーディングメンバーが当時僕がソロで一番最初にレコーディングしたメンバーを集めて、サプライズですよ。泣きそうになりましたよ」
そんな盟友からの嬉しいプレゼントもあって、また新しいイメージに生まれ変わった「終章(エピローグ)」。
「今回の60の『終章(エピローグ)』は希望さえ感じる、辛いこともあったけど今は未来に向かって歩き出したい。そんな前向きな歌にしか聞こえなくなって。歌もそんな感じで歌ったのでこれはもう一曲目しかないなと思ったんですね」
晴れやかに、少し自慢の息子を自慢するようにそんな風に説明してくれた今回は「希望の終章(エピローグ)」とでも呼びたい作品になりました。
歌唱法の変化にも注目したいところ。
今回は近作でのChageさんの歌唱法、サッパリとしてのびやかにでそれでいて深みのある歌声で聞かせてくれます。
「それでいいのかなって思ってましてね。わかんないですよ80くらいになったらビブラードバンバンきかせるかも(笑)」
「出ると思うな高い声(笑)。スピードでやって来たピッチャーが年とともにコントロール重視になるのと一緒で、自分のうたいかたも全身で歌っている、全身で歌うためには体も健康じゃなきゃいけない、うたうというより体で鳴らしていく。そのかわり体幹を鍛えないとフラフラするのでそのへんは気をつけてますね。もうヴィンテージですから(笑)メンテが大変なんです」
CHAGE and ASKA時代からすごく愛されている楽曲。
「ほんとにライブで育った楽曲で、みんなに育ててもらった珍しい曲です。
今回の60代の「 終章(エピローグ)」歌い終わった時に、「ああ70のエピローグが歌えるんだ」と思い、80代90代、100だって歌えるのかも、と思ったらなんだか嬉しくなっちゃってね。一曲の楽曲でそんな歌ってほんと稀有だなと思います」
実はこの「終章(エピローグ)」は一度もシングルになることもなく、しかしチャゲアス時代からファンにずっと愛されてきた人気の高い楽曲でもあります。そんな運命の一曲とともに今の自分を確かめながら歩んでいく人生ってなんて不思議でなんて素晴らしいことなんだろう。そう思いますね。
そんなChageさんはといえば...この夏、『Chage Live Tour 2018 CRIMSON』を開催。
Chage Live Tour 2018 ◆CRIMSON◆
9月4日(火) 『電気ビル みらいホール』
開場 18:00 開演 18:30
「歴代の3人の Chage を演じてみようかなと思って。主役は末っ子のソロのChageですけどね。やっぱり歌いたい楽曲を歌いたい、そしてお客さんが聴きたい楽曲ができればいいなと思ってます。この9月4日の日はもうこのツアーの千秋楽なんですね。千秋楽ってのはまた特別な気分になるんですよね」
福岡で燃え尽きると思います。と笑うChageさんの今回のステージ。見逃せんませんね。
そんなわけで、今回のChageさんの音解。
一貫して楽しく、それでいて細やかに気を使っていただける優しい、イメージ通りのChageさんでしたがその本質であるアーティストとしてのChageさんにも少しだけ触れることができたような気がします。
最後にみなさんへ一言。
「ソロとはいえ決して一人じゃたどり着けなかったアルバムだと思っています。たくさんのファンや関係者の方々も加わってひとつのアルバム作って頂いたんで、これを自分の中にしまって何かあった時これを思い出して未来に進めていけたらいいな。と思ってます。そしてライブは楽しんでいきたい。ぜひおいでください。
そうですねまた10年頑張れるかなと思っています(笑)」
Chageオフィシャルサイト (外部リンク)
次週7月21日は関取花さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。