6月30日のゲストはサラ・オレインさんです。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」

今日のゲストはサラ・オレインさん。 #サラオレイン

音解では2度めの登場、いつものようにハッとするくらい美しいサラさんですが、今日はサラさんが選んだドライビングミュージック、いきなりのバリッバリのEDM、Zeddの『Beautiful Now (feat. Jon Billion)』でスタート。最初からニッコニコです。

ちょっと意外?

EDM大好きで。車に乗ってる時、自分自身は運転できないんですけど特に夜!助手席でボリュームガーンと上げてビート感を楽しむのが大好きです」

「昔からちょっと古いですけどDJ Tiesto とか好きです。意外かもしれないけど、EDMはいい意味でのプリミティブで根源的な鼓動がいいですね。エレクトロニックではあるんですけど、むしろとても自然に近い人間っぽさもあるから好きだと思うんですね」

今日のサラさん、元気いっぱい。
眼の前でEDMの魅力を熱弁する様子は、私達がイメージするサラさんからするとちょっと不思議だけど、今日の音解は間違いなく楽しくなりそうですね。


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(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)

 
サラオレインさん、今年2月に現在放送中の大河ドラマ『西郷(せご)どん』のエンディングテーマ『西郷どん紀行/薩摩編』そして併せて『池上彰の現代史を歩く』のエンディングテーマ『明日のMemory』を配信リリースしました。

なんといっても話題の大河ドラマの「西郷どん」への参加ですが、この曲では「声」で見事なパフォーマンスを聴かせてくれます。

言葉がないんですよね。楽器としての声。
ドラマで特に一番印象的だったのが吉之助さんのお母さんが亡くなられるシーン。おんぶしている桜島を見る時に声が流れるシーンですね。他のシーンでもちょっと懐かしい、故郷とか思い出す時に使われることが多いのでだ暖かさやノスタルジーも意識しつつ歌いました」

またこの作品は、大河ドラマ史上最年少作曲家ということで話題になった富貴晴美さんとのコラボです。実はお二人以前から縁は深いそう。

「毎年、何かしらは富貴さんとはご一緒できて、いつも感謝してるし幸せなんです。

自分もほとんど無名な時代から何回もオファーしてくださって。大河ドラマの話が来た時にも、真っ先に自分に連絡が来て『一緒にやりましょう』って言ってくださって、感動しましたね 」」

それにつけてもこのジャケットデザインにも触れないわけにはいきませんね。
思わず息を呑む艶やかな浴衣姿。サラさん自身の提案だそうです。

「あまり和服着てる写真がないんですけどね、大好きなんです。自分で着付けできないんですけど、できるものなら毎日和服着ていたいくらい。自分自身に日本のルーツもありますしね。そして西郷どんのイメージカラーは白とブルーなので ぴったりかなって」

鹿児島は実際行かれたことあるんですか?

「何年か前テレビで一度だけ屋久島に行く機会はあったんですけど、この仕事が始まってからは一度も。薩摩おごじょから薩摩弁もちゃんと習ったのでぜひ披露したいですね」

今どうですか?

すると少し考えて突然「わせ、ひったまがった!」

びっくり!まさに「わ、びっくりした」って意味だそうです。

「(笑)いろんなところでコンサートする機会がある時は、ヘタでも必ずその場所の言葉で話すようにはします。例えばタクシーの運転士さんの話を聞いてイントネーション覚えたりして。お客様も来てホッとされる姿を見るのが嬉しいです。 」

各国の言葉のみならず方言まで。本当に努力家のサラさんの一面を見るようでした。

さらにもう一曲の「池上彰の現代史を歩く」のエンディングテーマ「明日のMemory」では音楽としてのこだわりをさらに紐解いていただきました。

まずはこの曲を手がけるきっかけから。

「とても嬉しいことに、番組サイドと作曲家の渡辺俊幸さんから是非とオファーいただいて。こういう歴史の番組のテーマ曲、チャレンジでもありますけど取り組めて嬉しいですね」

作曲は渡辺俊幸さん、歌詞はサラさんの手になるもの。ほとんど自由なオーダーの中でたった一つだけ強い要望があったそうです。

「番組サイドからはテーマは『希望』と言われたんです」

簡単なようで実はとてもむずかしい注文だったようです。

「もう1回『現代史を歩く』ということを最初からよく考えたんですね。そして、今を深く知るためにやっぱり昔のことをちゃんと理解しなくていけないってことを思いました。もちろん、歌ですから政治的なこととか重たいことは避けたいと思いつつ、そこから逆に逃げちゃダメだなって」

もうひとつのチャレンジ。それは日本語での歌詞づくりです。

「いままでも日本語でも歌詞は書いたことあるんですけれど、ここまで全部日本語で書いたのは初めてですね。でも今回は日本語じゃないといけないと思ったんです。日本の方にメッセージをきちんと伝えなきゃと」

そうやってできたのが「明日のMemory」。

「タイトル自体が矛盾じゃないですか?明日の記憶って(笑)」

でも、このタイトルにもサラさんの深い思いがこもっています。

「最初、渡辺さんの美しいメロディーを聞いて「何度も何度も」っていう言葉が浮かんだんですね。何回も(私達は)過ちを犯して、悲しいことにまだ戦争はなくならないし、悲しい事件もまだあるわけじゃないですか。過去の歴史は変えることはできない。だけど塗り替えられるとしたら、今から作る未来のための『記憶』。それこそ明日を生きる私たちの子どもたちが、いずれ振り返ったときにも後悔しない記憶を作っていこう。そんな強い思いを込めました」

スタジオでも思わず息を呑むほど胸を打つようなお話。    

結果、この曲の反響はとても大きくサラさん自身もびっくりするほどだったそう。レコーディング中にはサラさんにとって嬉しいサプライズもあったとか。

池上彰さんご本人が忙しい中、ロンドンからわざわざレコーディングスタジオにいらしてくださったんですね。その時に『むしろこの歌詞を見て僕たちこういう番組にしなくちゃいけないんだなと思った』って一番の褒め言葉を頂いて。本当に嬉しかったですねえ」

歌詞はもちろん、少しケルティックスタイルの印象的なヴァイオリンももちろんサラさん自身。

こうして、渡辺俊幸さんの美しい旋律に乗せてサラさんの素晴らしい歌唱と演奏によってその強い思いが、ひとつの楽曲として完成しました。

今日お話いただいた2つの楽曲はそれぞれ、表現者としての今のサラ・オレインさんの充実ぶりを改めて示しているようです。

そんなサラさんの表現者としての素晴らしさと、もう一つ上へとステップアップする姿が確認できそうなのが間もなく福岡で行われるコンサート。今年3月、広島・東京公演の大好評を受けてこの秋、福岡でも開催です。

『シネマ・ミュージック with サラ・オレイン』

2018年9月29日(土)
アクロス福岡シンフォニーホール
【開場/開演】14:15/15:00

   
「博多弁で言うとバリバリ嬉しかと(笑)」

ふふふ。と笑うサラさん。

「シネマがテーマでシネマミュージックもちろん大好きで。このコンサートは自分がプロデュースしたコンサートなんですね。私いつか映画監督になりたいと思っているので、最初のチャレンジとしては今回はほぼ全部制作に関わっています。選曲はもちろん、舞台監督もしてますし、衣装も選んで、映像もありますし全部!歌って演奏に集中、じゃなくてそのあれもこれも全部同時にやらなくちゃいけないので結構忙しくて。でも結構追い込まれるのが好きなんです(笑)」

と楽しそうに笑顔で話してくれました。

なんだかいいなあ。と少し思います。
すべての活動がどれもチャレンジで、決して楽ではないはずなのに、目の前のサラさんは活き活きとまるで自分の楽しい趣味を自慢するように話していて、だけどそこにはしっかりとプロとしての信念を伝えたいという意思も伝わってきます。輝いているってこういうことなんですね。

サラ・オレインさんの語るべき言葉はまだまだ尽きないよう。
来週もお迎えして、さらにサラ・オレインの音世界を紐解いてもらいましょう。

Sarah Àlainn | サラ・オレイン (外部リンク)

  

次週7月7日もサラ・オレインさんをお迎えします。どうぞお楽しみに。