6月2日のゲストは、藤原道山さんです。

  • 投稿日:
  • by

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手は香月千鶴です。

今回お迎えしたゲストは尺八奏者、藤原道山さん。 #藤原道山

当番組のリスナーのみなさんにはもうおなじみですね。
古来の伝統を継承しつつ、国内のみならず海外でもオーケストラやポップス、ジャズとのコラボレーションなど尺八の可能性を大きく広げる演奏活動を続ける藤原道山さん。

かつて知ったるスタジオにいつものように柔らかな物腰で入ってきた道山さんは、今日も傍らに尺八を携えて登場。座るとスッと背筋を伸ばしてニッコリ。今日も楽しいお話をたくさん聞かせてくれました。

この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


いつも旺盛に様々な活動を続けている道山さんですが、そんな中でもマリンバ奏者SINSKEさんと「藤原道山×SINSKE」としての活動はすっかりおなじみ。

気がついたら7年目ですねえ。思えば僕が福岡でのコンサート始めたのが今から8年前、10周年の時がきっかけだったんですけどね。ゲストでSINSKEさんに来てもらったんですよ。そこでちょっと来年から何か二人でやりたいねってことになったんですね。本当に縁が作ってきたんだなあって思いますね」

今年も6月16日、電気ビルみらいホールでお二人の公演が行われます。今年のテーマは「花」。

「このテーマもですね、最初の時は花の中でも桜をテーマに行こうかなって話が出てましたね。それこそ『桜前線ツアー』とかって、沖縄から(桜を追って)北上して行こうかなって話してたんですけどね。でも最近よく開花時期ずれることがあるし。そう考えるとリスクが高いと(笑)。それに桜だと春しかできないじゃないですか、じゃあもっと広げてやりましょうって話でこのタイトルがつきました」

藤原道山×SINSKE 「花 〜FlowerS〜」

日時:2018年6月15日(金) 昼・夜2回公演
昼公演 13:30開場 14:00開演
夜公演 18:30開場 19:00開演
会場:電気ビル・みらいホール
※藤原道山×SINSKE Official Web Site (外部リンク)


「今回も花にまつわる色々な作品、クラシックの名曲や私のオリジナル作品、歌の作品であったり。そういうものも色々織り交ぜながらまた今までの僕たちの作品もお届けしていきたいと思っています」

そしてファンの皆さんが毎回楽しみに待っているのは、会場だけで販売される会場限定CD。
コンサート会場限定CD第7弾は公演タイトルと同じ「花 〜FlowerS〜」です。

公演でも披露される予定のチャイコフスキーの「花のワルツ」、滝廉太郎さんの「花」など名曲の数々に加えSINSKEさんオリジナル曲の「君影草」そして、道山さん作曲の「茉莉花(ジャスミン)」なども収録されています。「茉莉花」って素敵なタイトル。そこにはお二人が出会った美しい風景の思い出がありました。

「二人でマレーシアのペナンてとこにコンサートで行ったんですね。公演がビーチの近くだったもので、終わると夕暮れ空。陽が落ちて行って星が出てくる。そんな感じですね。なんとなくジャスミンのあの甘い香りが南の島をちょっと思わせてくれるっていうところがありまして。このジャスミンをテーマにちょっと書いてみようかなって思ったんですね。

波打ち際の風景であったり夕日が沈んでいって星がひとつずつ輝いて行くという、そんなまー情景をお酒を飲みながらですね(笑)そんな感じです」

そんなお話をする道山さん、本当に楽しそうなんです。そう思って聞くとまた違う感慨が湧いてきそうですね。


さて、そんな藤原道山さんの音世界をさらに紐解くべく、ご自身の楽曲から、1曲ピックアップしてもらいました。

藤原道山&シュトイデ弦楽四重奏団の「MINORI」。

弦楽四重奏との和を感じつつも勇壮にして華麗な一曲です。
「実りの秋に黄金色に輝く大地の中での収穫祭の様子、というような感じで作った曲なんですけどもね。 一緒にやっているこのカルテットはシュトイデ弦楽四重奏団と言いまして、ウィーンフィルの首席奏者たちがメンバーなんです

すごい方たち!どうやって出会うんですか?

まあ、たまたま(笑) 街でばったりってわけではないんですけど。
ウィーンフィルの方々が、ちょっと小さなアンサンブルで来日された時に、ゲストで呼んでいただいたことが一度あって。その時にトップで弾いているのがフォルクハルト・シュトイデと言うバイオリニストなんですね。『今度、僕のカルテットが来日するんだけどそれのゲストに出てくるない』って向こうから、声かけてくれましてね。最初は社交辞令だと思ってて(笑)ああ、もちろんもちろん!よろしく!みたいな感じだったんですけど。翌年にカルテットで来た時に本当に一緒に共演して、せっかくだからCDも作りましょうとなって、そのさらに次の年にウィーンに行ってレコーディングしたんです」

そのウィーンのレコーディングした場所が観光地としても有名なまたすごい場所。

ホーフブルク教会って言って宮殿の中にある教会なんです。ウィーン少年合唱団、シューベルト、ブルックナー、そんな話を聞いた場所で演奏できるっていうのは、僕はまずそこに感動しまして。気分もすっごく盛り上がってレコーディングだったんですね」

そのレコーディングは一発撮りで、とってもスムーズに進んだそう。

「2日で10数曲ですね。本当は3日間用意してたんですけど、2日で終わっちゃって。1日観光に当てられたって言う(笑)」

まさに相性もピッタリ。
その十数曲は2011年、「FESTA」として1枚のアルバムにまとめられています。

そんな中でこの楽曲は「日本のね、ちょっと民謡的な音階を使いつつも、西洋的な要素も取り入れてクラシカルなところもありますね。変拍子も入ってますのでリズム的なところも楽しんでいただきたいですし、いろんな要素を混ぜた作品でもあるのでアンサンブルの妙を楽しんでほしいですね」

とのこと。
みなさんもぜひもう一度タイムフリーで聴いてみてくださいね。

そんなわけで、今日も楽しいお話をたくさん聞かせてくれた道山さん。

よく通る低目の声でゆったりとお話してくれる道山さんの声は、なんとなく道山さんの尺八の音色によく似ているように思います。そして、語尾によく「ね」と付けつつこちらの様子を見ながら、時に楽しくそしてわかりやすくお話しようとしてくれる姿勢は、端正なルックスと相まって心掴まれてしまいますね。ちょっと褒めすぎでしょうか。

最後にライブに向けて、道山さんからみなさんへのメッセージ。

「やっぱり生でみてもらえるって言うのは、一番大きいことだなと思ってるんですね。お手軽にパソコンとかでも聞けたりするんですけども、皆と一緒に音のキャッチボールをしながら聞いてもらうっていうのはね、僕達もお客さんからの気持ちっていうのが伝わってくるんで。それによってまた変わってくものなんですよね。
そういうやり取りができる、これも一期一会の出会いだと思うので、僕も楽しみながらそして皆さんと一緒に同じ空間を味わいたいと思います。会場で皆さんお会いできること楽しみにしております」

また次にスタジオに来ていただけるのが、早くも楽しみですね。
ありがとうございました。

藤原道山オフィシャルサイト (外部リンク)

  

次回6月9日は斎藤誠さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。