5月5日のゲストはスキマスイッチです。

  • 投稿日:
  • by

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」

今日のゲストはスキマスイッチ。大橋卓弥さんと常田真太郎さん。 #スキマスイッチ

結成したのは1999年、今年でデビューして15周年。

極上のメロディとサウンド、背中を押してくれるような応援歌も、胸が締め付けられるようなバラード。唯一無二の世界を作り続けるお二人。

スタジオにスッと入ってきて、目の前に並んでやわらかに微笑んで座っているお二人からは、人生の多くを共に過ごし、様々なことを乗り越え共に戦って来た関係ならではの絶妙な空気感が感じられます。

そして今回の音解は通算7枚目のオリジナルアルバム『新空間アルゴリズム』についてじっくりお話を聞かせていただく中で、今の充実した関係性もちょっとだけ垣間見ることができました。

今週のお相手はこはまもとこです。

この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→  FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


今年3月にリリースされた『新空間アルゴリズム』。
リアレンジアルバムの制作や対バンツアーなど3年の活動を経て、レコーディングされた珠玉の10曲。そして、15周年を迎えての今回のテーマは「原点回帰」。

「デビューした頃って、本当にただ必死に自分たちがこんな音楽あったらいいな、っていうものをテクニックも知識も経験値もなかったのでむしゃらに作っていて」

大橋さんのお話はまさにそんな原点の「初期三部作」の頃からスタートしました。

「前作のアルバムでそれまで積み上げてきたものを全部駆使して作ったので、じゃあもうこれはタイトルも『スキマスイッチ』とつけたんですが。それ終わったら本当に全部空っぽになっちゃって」

「そこからしばらく、お互いちょっと違う活動をしてきて出てきたのが今回の『原点回帰』。

当時の情熱だけで作っていた、そのマインドでアルバム制作に取り掛かったら面白いものができるんじゃないかな、ということで取り掛かったんです」

タイトルも漢字+カタカナ『新空間アルゴリズム』で、初期の頃を思い出させてくれますね。

それを受けて常田さんもアツい制作時の様子を話してくれました。

「楽しかったですし、やっぱり今回、難しくならないように、テクニカルにならないように、言葉でお互い『ちょっと今難しくなってない? 』とか『初期はそんなことやっぱり思わなかったよね』とかいう、そういう会話もしながら密に喋りながら作ったので楽しかったですし、スタジオのテンションも高かったような気がします」

そんなアルバムの中からお二人が象徴的な一曲として選んでくれたのは、ピアノだけのシンプルなバラード「未来花(ミライカ)」です。

「これはアルバムに収録するか最後の最後まで悩んでた楽曲だったりするんです」と大橋さん。

2015年頃にこの曲のデモが出来上がって、その時すごく手応えがあったので大事にしたくて。二人の中でこれは一番いいところで発表したいな、と思っていたら(タイミングを図りすぎて)いつまでも出し惜しみしちゃってるようなところがあったんですね。

今回のアルバムの制作に入る前にも『未来花』みたいな曲が今回のアルバムに収録されたら全体がぎゅっと締まるよね、って言って『未来花』みたいな楽曲、『未来花』みたいな楽曲ってずっと言ったので(笑) 。だったらもう『未来花』を収録するのはこのタイミングでしょ!ってことで収録したんです」

満を持して世に出すこととなった大切なこの曲、歌詞はそこからつけ始めたんだそうです。

「悲しいバラードがいいのか、あったかいバラードがいいのか。二人とも思ったのは、大きな世界観のピアノ一本で素朴なアレンジではあったとしても『素朴な曲にしたくない』。歌詞の世界観も大きなテーマを歌えたらいいなと二人で話をしましたね」

ピアノだけのシンプルなナンバーだけに、そのアレンジもこだわりつくしました。常田さんのお話もやはり「素朴なだけの曲にしない」ことにこだわったと言います。

「例えばコードを弾いて歌が乗るという、それが普通の伴奏だと思うんですけど、そうではなくてピアノもやっぱり歌と同じように歌っていて、フレーズを弾いていているけど邪魔はしないという。 今回派手な曲も入ってますけどね、そういう曲と並べても素朴になりすぎないように。

鍵盤のタッチとかも本当にこだわって弾かないと、歌の裏側に流れているメロディーとか邪魔しちゃったりとか逆に消えすぎちゃったとか、色んな所を本当に繊細に。そう考えながら、作りながら聴きながら音を組み上げたというのはありますね」

そうやって作り上げた楽曲は、大橋さんの歌と常田さんのピアノという欠かすことの出来ないつの要素が呼吸をするように、お互いの息づかいを感じるように溶け合った「原点回帰」にふさわしいナンバーとなりました。

「そうですね、これが僕らの原点というかね、一番シンプルでありますけど最大の形態です


そういえば『未来花』っていうタイトルも、未来ってやはりこう花が開いていくように明るいものであってほしいという思いが伝わるようなタイトルです。
そこから歌詞のお話も聞かせてくれました。

「たとえば『心に一輪の花が咲く』っていう表現を、昔の僕らだったら違う言い方をしてたかもしれないんですよ。 ストレートすぎるなあ、とか、どっかで聞いたことあるなとか。でもやっぱり最初に思ったらそれは歌詞にしようよって。初期衝動というんですかね、パッと思ってそれが一番いいと思ったら今回はまず形にしようというのがテーマでしたし、タイトルとして花を使いたいなったこともありました。本当に結果としてはすべてはそういう風に繋がっていたんだなと思いますね」

素敵なお話。きっとラジオの前のみなさんも歌詞カードを見ながら聞いてくれるんじゃないでしょうか。

「本当に嬉しいですね。僕たちの思いが少しでもたくさん届くといいなと思って書いてますし、一つでもこれでいいやっていう言葉を入れたりはしてないつもりなんで、ぜひ歌詞カード見ながら聞いていただけたらいいなと思います」

ただいまお二人はツアー中。
福岡でも間もなく開催されます。

今回のツアーは単なるツアーではなく重要な意味もあるそうです。


SUKIMASWITCH TOUR 2018 "ALGOrhythm

5月9日(水)会場:福岡サンパレスホール
開場 18:15 / 開演19:00

スキマスイッチ OFFICIAL WEBSITE (外部リンク)


「ツアーまででアルバム完全に完成みたいなところもあって。というのもレコーディング中にいろんアイディアが出てくるんですけど『あ、それはツアーにとっとこうよ』みたいな会話もすごく多くて、ツアーまでやって『新空間アルゴリズム』というアルバムが本当の意味で完成するのかなってところもあるので、完成する瞬間をみんなと一緒に迎えられたらいいなと思ってますね(大橋)」

「ライヴもアットホームでやってますので福岡もすぐですが、例えばちょっと小旅行がてら8月まで各地でやってますんで、もしよろしければ足を運んでもらえたらいいなと。よろしくおねがいします(常田) 」

「新曲と今までの楽曲も加えて、仕掛けもたくさん考えています。とにかく全国を回るのを楽しみにしていて。 だからライブ会場に是非遊びに来ていただいて皆で音楽を楽しみたいと思います。よろしくお願いします」

お二人の音楽への情熱。それは溢れ出るような密度の高い言葉の数々にしっかりと刻まれていて、そんな中でとりわけ今回はお二人が膝突き合わせて、しっかりと言葉を交わし思いをぶつけ合うことで作り上げられたことが強調されていたように思います。

様々なことを乗り越え、お互いの存在を確かめあいながら、今、お二人の関係性もがむしゃらに音楽を追求してきた頃の原点に回帰したのかな。そんな風にも思いました。

今回の音解で紐解かれたのは音世界のみならず、築き上げられたちょっと羨ましいような信頼関係だったのかもしれませんね。

  

次回5月12日はNothing's Carved In Stone をお迎えします。どうぞお楽しみに。