毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。
今日のゲストはバンバンバザールのお二人。
1990年結成。ギタリスト吾妻光良氏に見いだされ、1stアルバム「リサイクル」でデビュー。幾多の変遷を経て現在は福島康之さんと黒川修さんの二人で、ジャズ、ブルース、ジャイブ、フォーク、カントリーなど様々なルーツ・ミュージックをベースにしながらユーモアたっぷりで独自のグッドミュージックを送り続けています。
そして現在は拠点を福岡に移し、大名の拠点でもある拠点「LIV LABO」の運営や、北九州出身の黒川さんはエフエム福岡で「GOW!」はじめパーソナリティとして大活躍...は、福岡の皆さんはもうご存知ですよね。それぞれも多方面で活躍中です。
いつもとはちょっと違った雰囲気の中、勝手知ったるスタジオでなじみの顔合わせ、リラックスしてはじまりましたがそんな中でもバンバンバザールの音楽について深い部分まで聞くことができました。みなさんもタイムフリーでぜひお聞きくださいね。
お相手はこはまもとこです。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→ FM福岡 / FM山口
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミア会員 の方が聞くことができます)
バンバンバザールは、今年3月に5年ぶり15枚目にして、福岡に拠点を移して初めての新しいアルバム「えとらんぜ」をリリースしました。
「5年ぶりってなんか大御所みたいですけども(笑)、できないんですよ曲が。頑張って頑張って絞り出したアルバムで今回は」と、笑う福島さん。
もちろんこのアルバム、そんな苦労?苦悩?は一切感じさせない、日常で思ったことや感じたことがふっと出てきたような素敵なアルバムだとこはまは感じました。
「実際、音楽的なことよりは考え方というか。作ってる間に、今までやってきたことは一旦置いておいて、ここでの生活の変化とかそういうものがじわっと出るようなものじゃないと。とは何となく頭の中にあったので」
美しいジャケットを始めとして「福岡」に対するこだわりも感じられます。ここまで黙ってニコニコうなずいていた黒川さんもそれを受けて、
「東京のメンバーもいて、彼らをライブツアーの時にちょっと延長戦で残ってもらって、福岡で音を閉じ込めてもらったり、曲が作り上げられるバッグボーンも福岡だし、福岡で音が積み重ねられて福岡で作り上げられたものですね」と続けます。まさに「メイドイン福岡・博多」。
気になるタイトルは「えとらんぜ」。
「見知らぬ者」とか「よそ者」というような意味です。
アルバムの惹句には「どこに暮らして居ても、哀しくて楽しいね。終わりなき人生路のサウダージ。」という一文が添えられています。
どこに居ても感じる、郷愁のような楽しさも悲しさもないまぜになったまさにサウダージ。
「東京にいても僕は居心地が悪いなーって思ったりしたこともあって、福岡にいてもやっぱりなんかちょっと違うんだなあ、とか。そんなことをなんか曲にできないかなみたいなところです」
すかさず黒川さんが「居心地が良いはずの家もね。厳しいときもあるし、いつもの近所の公園だって寂しい所はあるでしょうねリーダー」と一言添えます。
「毎日の中で自分が今どういう風に心が動いてるかなみたいなことをちょっと捉える時間としてはなかなか良い時間頂いたなと思って、福岡に来て」
そんな情感豊かなタイトル通りに、色々な形の音楽の楽しさに溢れたこのアルバムをこはまは大絶賛。とりわけフォーキーな「BUDDY BUDDY」がお気に入り。
長年連れ添ったパートナーとの長い時間を過ごして出来上がった微妙で得難い距離感と思いを繊細に歌って、暖かい気持ちになるそんな詞も素晴らしいです。
「なんか時間がたってきて友達との関係とかも、口では説明できないかんじとかあるじゃないですか。で、なんとなくたまには話そうか、とか時間過ごそうか、ってことを歌にしたかったんですね」
そういう意味ではパートナー黒川さんのお話も聞きたい所。
バンバンバザールでは基本的に福島さんが作詞作曲をしています。それらを受け取る黒川さんは福島さんが今思っていることなどを感じたりしますか?
「毎回 どの曲を聴いても俺のことを怒ってるか、俺のことを仲いいと思ってくれてるんだろうなと思って聞きますよ。少なからず自分に向けてるのかなとか『BUDY BUDY』は違うと思いますけど(笑)ファーストファンとしては誰よりも最初に聞かせてもらうので感激していつも演奏してます。そのときの感激が入るように演奏を心がけてますね」
そうやって福島さんの手により作られた楽曲は、黒川さんやその時のメンバーも加わって生命が吹き込まれます。その過程もちょっと変わっているようです。
「いつも『いきなりやるよ』って言ってはじめますね。練習とかプリプロでこんな曲やりますからとかキーはこうです、みたいなことは誰にも知らせません(笑)」
「準備を許さないバンドなんですよ(ニコニコ)」と黒川さん。
えええ。
「自分たちが楽しいってことをまずメインにしたいので、やり尽くしてつまんなくなるよりはドキドキしながら知らないでやったほうが面白いんじゃないかっ、て思ってる節があるんですよね」
今回の「えとらんぜ」でも「マフラー」はそうやって作られたナンバーだそう。
結果、メンバーがヒートアップして、福島さんの最初のイメージとは大きく変貌してしまったそう、それもまたよし。音楽って不思議です。
そういえば時にエキセントリックに語る福島さんと、いつもすかさず柔らかく受ける黒川さんのコンビネーションもまたよくできたセッションのようです。目の前で観ているだけでも楽しいですね。
結成以来一貫してライブ、生の音楽にこだわってきたバンバンバザール。今もツアーで全国を飛び回っています。ぜひ生で感じて下さい。
近々では、5月3日から5日までの間に開催される「佐賀城下ジャズフェスティバル」に登場です。
佐賀城下Jazz Festival 2018
2018年5月3日(木)~ 5日(土)
※バンバンバザールは5/4(金)の出演です。
詳しくは公式WEBでご確認を。
「なんかこうやって九州県内のいろんなイベントに呼んでもらえるようになったのは本当に嬉しいですね。地元枠として声がかかるようなってきたので最近は 」
「だいぶ気軽な感じですよ『空いとるっちゃろ?』みたいな(笑)」
楽しそうに笑うお二人。
まだまだ、お話は尽きません。
来週もお二人をスタジオにお迎えして延長線。
さらにバンバンバザールの音世界を紐解いていこうと思います。
BanBanBazar☆Website (外部リンク)
来週4月28日は、ひきつづきバンバンバザールを迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに。