毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手は香月千鶴です。
今日のゲストは先週に引き続き大橋トリオ。 #
大橋トリオ
冒頭、昨年10周年を迎えてどうですか?ってお尋ねしたんですが、
「今年は2018?この前、今年は2019だっけ18だっけ?って話してて」と穏やかに笑う大橋さんです。
「だから10年とかあまり気にしないっていう。数字気にしない。まあ、やれることをひたすらやらしてもらってきたっていう感じで、本当に内容は濃かったと思いますけどね」
そんな「大橋ペース」で今週も始まったわけですけど、その後にはちょっと意外なお話も。
「でもね。自信のないままやってる部分が多くて、常に葛藤だったなって思います。
本当はね。アルバムもじっくり作ってお披露目したいじゃないですか、でもペースと言うか勢いが大事ですしね。コンスタントにやってきましたけけども。だけど、ライブが楽しくなってきたっていう部分がひとつ、葛藤が一個消えたんですよね。ライブに対するストレス。10年でそれが変わったってのは言えるかも。ようやく(微笑)」
今日も楽しいお話が聞けそうですね。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→http://bit.ly/OHASHITRIO_2
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)
そういえば、大橋さんといえばマルチプレイヤー、楽器をたくさん持っている印象です。どれくらい楽器をお持ちなんですか?
うーん、と少し考える大橋さん。
「考えたことないんですけど、ありますよ結構。基本的なところはだいたい網羅してます 。
えっと、キーボードでもグランドピアノ、ローズ・ピアノ、ウーリッツァーは持ってますね。アコギは11本...もっとあるかな。エレキ5本。ウッドベース2本とエレキベース3本。12弦ギターとか」
楽器屋さんのようです。果てしなく色々な音色が表現できそう。
「自分の手癖になっちゃうので、発想もね。だから果てしなくいろいろな音色を鳴らすって感じでもないんですよねえ。だから困った時に人に助けを求めるってかんじです」
その言葉どおり、いろんな音色と色んな人で作り上げられたのが最新アルバム「STEREO」です。
大橋トリオの音作りって、一人でいろいろ駆使して作品作りをしているイメージもありますが。
「今回は色んなパターンの曲が入ってますね。『SHE』っていう曲と『鳥のように』は、夏ぐらいにできてて完パケであったんでその時はバンドでレコーディングしたんですよ。
楽しいんですよね。ただ全てが、自分のイメージ通りではないので修正作業は後々必要になってきますね。ただ今の楽しいツアーメンバーでレコーディングするようになって、その修正作業がだいぶ減ったかなと。ありがたいですね」
今回のアルバムはそんな信頼できる仲間たちに委ねる割合も増えて、ある種の風通しの良さも感じられます。
「生ドラムのやつは神谷君(神谷洵平)に全部叩いてもらって、チャーム君(THE CHARM PARK)に何曲か弾いてもらったり割とをやってますね今回はね 。人が演奏してもらったの多いかもしれない。布袋さんにも弾いてもらったりもあるし」
なんだか少し嬉しそうですねえ。
そんな気の合うメンバーと一緒にこの春から全国15会場を回るホールツアーも間もなく。ここ福岡では、4月8日(日)に、『福岡市民会館』でライブを行います。
ohashiTrio HALL TOUR 2018
2018年4月8日(日)福岡市民会館
開場:17:00 開演:18:00
※ohashiTrio Official Website (外部リンク)
「楽しむのみ。お客さんも楽しくなってもらって、それを我々が感じて楽しくなるという連鎖ですね」
と笑う大橋さん。
葛藤を乗り越えて今本当に楽しいライブを心待ちにしているようです。
私たちもそうですよね。
さて、今週は大橋さんのもう一つの顔としてプロデュースした作品にもクローズアップしてみました。
映画やドラマ、CMなどの音楽制作に、小泉今日子さん、SMAP、山下智久さんなどへの楽曲提供、アレンジ、持田香織さんや平井堅さんのプロデュースなど幅広く活動を展開しています。
そんなプロデューサーとして一曲、ピックアップしてくださいとお願いして選んでくれた曲は、Kitri?キトリ?の「傘」です。
このKitriに関しては単なるプロデュースではなく、大橋さんが惚れ込んで自らプロデュースをかって出た新人姉妹連弾ユニット。
アルバム「opus 0」は昨年、過去の音源を中心に大橋さんのプロデュースのもと再録音され、ただいま配信リリースされています。
ご自分の音楽と同じくらい、いやそれ以上にテンション上げ目でお話する姿もちょっと微笑ましく、プロデューサーとしてのとても興味深いお話が聞けました。
「姉妹ユニットでピアノを二人で連弾で二人とも歌うんですけどね。自分たちで曲を作っているんですがクラシカルで、あんまりポップスを通ってこなかったんだと思うんですよ、その感じがすごい新鮮で聞いたことない種類の音楽ですごい面白かったんですよ」
その出会いがまた運命的。
「この子たちのご両親が、僕のライブでデモCDを持って来てですね『私の娘がこういうのやってまして』って。それを聞いてオヤオヤって思って、これは是非とも何か形になんないかなーって思ったんですよ」
そんなことってあるんですねえ。
「意外とデモをいただくことはあるんですけど、ここまで掴まれたのは初めてだったですね」
さて、そんなKitriを手がけたいと思った大橋プロデューサーですが、
「レコーディングをウチのど田舎のスタジオで、家なんですけど呼んで我が家で録音して。
京都の子たちなんですが、その時点で何もする必要ないぐらいできあがっているんですね。やるとしたら、ちゃんとをクリアな音で、ただそれだけで十分だなーって思ったんだけどね。この曲は僕はウッドベースを弾いてます。後はすこーしドラム入れて」
個性を壊さないように壊さないようにアットホームな雰囲気でシンプルな音作りを心がけたそうです。
「双子みたいなんですよね。四つぐらい離れてるんですけど。でも「ハイ」とか言うタイミングとか音程とか全く一緒なんですよ。 凄い仲良くてピュアで、そのピュアさが音にもよく出てるんですよ」
とても嬉しそうに、なんだかまるで愛娘を自慢するみたいですけど、絶賛はまだまだ続きます。
「歌がまた何でしょうか、どこかを掴まれるんですよ。ピアノフレーズとかも聞いたことない感じなんですよ。いろんなタイプの曲もあって才能が底なしだと思うんで、これからも楽しみですね。一緒に物が作れてよかったなあと思いますね」
自分が惚れ込んだ才能を最大限の愛情で、自分が感じた新鮮な驚きをそのまま広く世間に送り出したい。そんな気持ちがヒシヒシと伝わってきました。
実際、そんなお話を聞いて改めて聞いたKitriの音楽は、大橋さんの言う通り唯一無二の魅力にあふれていいます。皆さんもぜひぜひ。
さて、2週に渡ってお届けした大橋トリオの音解。
イメージ通りだった部分も意外な一面も大橋トリオの音世界を紐解くことができました。
どんなお話も穏やかで楽しそうにお話してくれる大橋さん、当たり前ですけど音楽がほんとに好きなんだなあと嬉しくなってしまいました。
今回もしかしたら一番意外だったのは、思った以上にライブが大好きと語る大橋さんだったのかも。素晴らしいメンバーであり友人たちと出会い、新たな才能と出会い、また新しい音楽の楽しみを満喫する今の大橋トリオ、10年目を越えてまた新しい扉が開けたんだなあなんてちょっと思いました。
最後にリスナーの皆さんになにか一言。
「えーとね。なにはともあれライブですね 。
作品は作品として楽しんでいただくのはもちろんありがたいんですが生ものとして楽しんでもらえれば。毎回違うので。生ものを新鮮なうちにどうぞ、召し上がれ(微笑)」
ありがとうございました!
次回3月24日は阿部真央さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。