2月24日のゲストは寺岡呼人さんです。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手はこはまもとこです。

今日のゲストは寺岡呼人さん#寺岡呼人

ソロアーティストとして、JUN SKY WALKER(S)として、コンポーザーとして、あるいは人気プロデューサーとして50歳を迎えて大活躍の呼人さん。その的確な仕事とご本人の人柄から多くのアーティストから慕われて幅広い交遊、交流関係などもよく知られます。

そんな呼人さん、ラフなスタイルでどうぞよろしくっと軽やかにスタジオ入り。少年のような若さと大人の誠実さに感激。

それは今の年齢の自分と無理なく向き合ってその時なりの自分を自然に表現したい、というそんな姿勢の表れでもあることが今回の音解で理解できたような気がします。そして意外なお話もたくさん。

この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→http://bit.ly/YOHITO_onair
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員 の方が聞くことができます)


ドライビングミュージックとして「土曜のお昼にピッタリ」と紹介してくれたのはBill LaBounty の「Livin' It Up」。

いわゆる「AOR」を代表するアーティストですが最近は懐かしいイーグルスとかリンダ・ロンシュタットなどのウェストコーストの音楽と合わせてよく聞いているそう。

「憧れもあるんですね。この時代の音楽って今聞いても演奏も楽曲も素晴らしいなと思っていて、僕は最近家でアナログレコードばかり聴いてて、アナログレコードをPC経由でCDR に取り込んでそれを車で聞いてるっていう。それくらい音も好きです」

そんな最近の好みも実は今回の新しいアルバムと深く関わっているんですが、これは後ほど。

そんな寺岡呼人さんが2月7日、ご自身の50歳の誕生日に発売されたニューアルバムが『LOVE=UNLIMITED』です。      

ポップでバラエティに富んだ今回のアルバムは、新鮮でありながら確かに50代ならではの深みのある音楽になっています。

「そうですね。本当のロックンロールっていうのは多分30代は30代の、40代は40代の日常を歌うことがロックだなと思っていて、そういう意味で50代の日常を切り取ってみようという感じですね

無理やり10代のことまた歌おうと思っても絶対に昔のようには書けないですね。例えばピカソがその時代によって作品が変わるように、それってとても大事なことだなと思いますね」

そんなアルバムから自らピックアップしてくれた一曲は、ちょっとノスタルジックでユーモラスなナンバー「仕舞支度」。

五十過ぎて残された人生を考えるって、ちょっと早いんじゃないって思いますけど ?

「早いんですけど。でも実際(50が)来ちゃうと完全に折り返した!って感じがしたんでついついこういうフレーズが出てきましたね。詞が先なんですよね。最近ずっと詞先なんですよ、今9割の人は曲が先だと思うんですけどね」

何と言ってもこの曲は古くて新しいメロディと雰囲気が印象的です。

「この曲に関しては歌詞もこうなんで、イメージがフォークの人がニュージックになった感じというか。その頃の海援隊とかですね。フォークから来たんだけどなんか歌謡曲みたいなアレンジになっちゃったりするじゃないですか。ああいうごった煮感とかイメージしましたね」

ギターやピッコロの音色が懐かしい感じですよね。

ピッコロが僕の中の海援隊です。荒川土手歩いているみたいでしょ(笑)ラジオで流れてくると、懐かしい感じがするんだけど昔の曲じゃないよねっていう雰囲気にしたかったんですね。で後は高田漣くんにバンジョーとスティールギターを入れてよりそれらしく」

そう説明してもらうと、もう荒川土手を歩いているようにしか聞こえません!

さらにこの曲は春風亭一之輔さんを迎えてなんと落語とのコラボ「仕舞支度 feat.春風亭一之輔」としてボーナストラックとして収められています。

「大好きな噺家、一之輔さんに手伝って欲しいなと思ったんですけど、好きすぎて言い出せなかったんです。でも意を決して『ちょっとこういう感じでお願いしたいんですけど』てオファーしたら二つ返事で快く引き受けてくれたんですね。 いやーもう贅沢でした」

と本当に感慨深げ。

「きっと男女の機微っていうのは江戸時代も今も未来も変わらないような気がしたんですよね。男のだらしなさも奥さんの強さも。だから我ながらナイスアイディアだなと」

今回のアルバムを通して寺岡呼人の今の音楽との向き合い方はこんな言葉にハッキリと示されていました。

「音楽って結局ファッションもそうですけど良い意味でのリサイクルみたいなところあると思うんです。ブルーノマーズなんかがまさにそうですけど、ちょっと前までかっこ悪かったことが今の時代に聞くとかっこいい。日本でも今のJ-POPの音が溢れていますけど、何か昔の音に新しいヒントっていっぱいあるような気がするんですね。その先人が築いた音をかっこよく今の時代のセンスにして蘇らせるって事って大事なことなんじゃないかなと思います」

そんな今の寺岡呼人さんの「今」をたっぷり詰め込んだ素晴らしいアルバムを携えてライブへの期待も高まります。

この春には、ソロツアー『寺岡呼人ツアー 50歳/50祭 プレミアム』がスタート!

寺岡呼人ツアー 50歳/50祭 プレミアム

4月1日(日) 「寺岡呼人とK〜新曲披露もしちゃいます」
福岡 Gate's7 ※プレミアムゲスト:K
open/start 16:30/17:00

4月3日(火) 下関Live & Bar RedLine SHIMONOSEKI 
open/start 18:30/19:00

寺岡呼人 OFFICIAL WEBSITE (外部リンク)


福岡ではKさんがプレミアムゲストとして登場するんですね。

「そうなんです。Kくんが出演してくれるんですけど、実はこの間 Kくんのライブにも行きまして終演後チケット手売りしましたから(笑)」

そして呼人さんからみなさんへのメッセージです。

「最近はライブでも鹿児島の方から熊本とか、改めて九州の食べ物美味しいなと(笑)景色もそうですけどなるべく仕事にかこつけていきたいな、と思うような愛着のある場所です。もっともっと来れるように頑張いきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします」

呼人さんは、流れるように自分について自身の音楽について、そして現在のシーンを俯瞰しながら自在に語ります。その言葉は音楽の世界で生きてきた経験と自信を感じさせ、それでいて気さくで少しもこちらを緊張させません。

とてもとても濃密な25分。
呼人さんも「自分の音へのこだわりや思いをこんなに喋ることが出来なくて、ミュージシャンとっても幸せな音時間でした」と喜んでいただいたようですが、寺岡呼人の音世界はまだまだその一部。

そこで次週も引き続きお迎えして、今度は「プロデューサー寺岡呼人」やまだ語り尽くせない寺岡呼人さんの音世界について紐解いてみたいと思います。

どうぞ次週もお楽しみに。

  

次回3月3日は 引き続き寺岡呼人さんをお迎えします。どうぞお楽しみに。