毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手はこはまもとこです。
今日のゲストは先週に引き続きORIGINAL LOVE(オリジナル・ラブ)、田島貴男さん。
先週は音楽への溢れんばかりの愛と、コラボの楽しさについてお話していただきましたが、今週はオリジナル・ラブの楽曲から一曲田島さんにピックアップしてもらって、そこからオリジナル・ラブの音世界を紐解いてもらいました。
その一曲は「ラヴァーマン」。
傑作アルバム「ラヴァーマン」のタイトルチューンでもあり、近年のオリジナル・ラブを代表するナンバーとしてもおなじみですね。
「名刺代わりの一曲ってやつです」と田島さんも笑顔です。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→http://bit.ly/ORIGINAL_LOVE
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員の方が聞くことができます)
「この曲はね。6年くらい温存していたんですよね。自分でも気に入っていて、いいタイミングの時に出そうと思ってて」
その間に「白熱」「エレクトリックセクシー」とアルバムが2枚出ていますが、それぞれスルーしてこの曲に見合うアルバムをつくるまでと、ずっと手元において完成度を高めていたとか。
「歌詞も3回ほど書き換えて、曲も詞も削ぎ落として削ぎ落としてますし、結局シンプルなラブソングになりました」
なんて執念。というか田島さんにとっての曲作りとはすべて程度の大小はあれ、そういうもののようです。
「最初からシンプルな曲なんて浮かばないんですよね。一曲の中で100通りくらい色々試してみて、またいらないものを削ぎ落として削ぎ落として残していくんですね。最初は例えば、思いつきから始まっても(試行錯誤の中で)自分がなにを歌いたいのかって自分で見つけていって、最終的に『自分でこういうことなんだな』ってわかる時もあります」
なるほど。最初から大きな完成形やイメージがあってというより少しづつ作り上げるようなかんじでしょうか。
「そうですねえ。意外と日記や思いつき程度からスタートして作り上げるほうが自然な表現になりますね。だから曲がかけないときってのはだいたい最初からでっかいことを考えているときです(笑)」
どの楽曲も徹底的に試行錯誤して楽曲としての洗練を極めるべく突き詰める。そんな気の遠くなるような作業の結晶が例えばこの「ラヴァーマン」だったりするのですね。
さらにこの曲は田島さんの歌もご自身で満足の行くものだったようです。
「この曲はR&Bのリズムだけど、少し後ろにずれていくグルーヴのあるリズムで、結構うまく歌えましたね。日本人には難しいんですよね」
ここからリズムを軸とした邦楽と洋楽の特性の違いのお話に。
「(例えばR&Bなどは)常に音楽は踊るためのものってところがあるんですけども。まずダンスが前提にあってそれに合わせて踊る、体を動かすとリズムに対して自然に音は後ろにずれていくの。これが日本人にはなかなかできない。0.0何秒くらいの話なんだけどホントに難しい」
田島さんも例に漏れず今までとても苦労したそう。日本の音楽をやっている人でもほんの一握りしかできている人はいないんだそう。
「でもラヴァーマンはできてるの」とニッコリ。
ちなみに日本でそういう後ろノリができている人は?と尋ねると、日本を代表するR&Bシンガー久保田利伸さん、最近ではAIさん、宇多田ヒカルさんは抜群だとお話してくれました。
「意外と普通に聞いていてもわからないんだよね、わかってほしいんだけど。時々「田島さん歌が遅れてるよ」なんて言われたりして(笑)」
初期のオリジナル・ラブに戻ったかのような軽快でスマートな楽曲ですが、そこにはブラックミュージックのフィーリング「グルーヴ」にこだわったキャリアを重ねて成熟した音楽の知識や経験が生かされているんですねえ。
そんな風に次から次に出てくる田島さんのこだわりや知識にすっかり前のめりで聞き入ってしまって、気がつけば「ラヴァー・マン」のお話だけで番組の殆どを占めてしまいました。
一つの曲をつくること、私達がスーッと心地よく聞いている一曲の中にこれほどのこだわりと過程と努力が積み込まれていること。これから音楽の聞き方がちょっと変わりそうなくらいですね。
「一小節の中で何が起きるのかってことばっかり考えて生きてきましたからね」
そんな田島さんの最新のお仕事としては、人気が加熱している話題のアニメ「おそ松さん」の第2期エンディングテーマ「レッツゴー! ムッツゴー! ~6色の虹~」に1966年生まれのアーティスト総勢27名の超豪華な顔ぶれが並ぶ"ROOTS66 Party with 松野家6兄弟"に参加して、メンバーとしてはもちろん作曲とプロデュースにも参加しています。
そのメンバーの豪華さたるや。
宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))、大槻ケンヂ(筋肉少女帯、特撮)、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、増子直純(怒髪天)、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、斉藤和義、渡辺美里、スガシカオ、ABEDON(ユニコーン)、伊藤ふみお(KEMURI)、吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)、八熊慎一(SPARKS GO GO)、トータス松本(ウルフルズ)、斉藤由貴にリミックスにはFPMなど。
レコーディングも楽しかったようですけど、これまた大変だったようですよ。
そんなわけで、まだまだお話は尽きませんが今回はここまで。
本当に楽しくて時間を忘れてしまいました。
田島さんも疲れも見せず、むしろ音楽の話をするほどに瞳がキラキラしていくのが印象的。
またぜひ、スタジオに来ていただきたいです。
ありがとうございました。
熊本市民会館復活記念!浜崎貴司GACHIスペシャル
浜崎貴司 vs.奥田民生 vs.斉藤和義 vs.トータス松本 vs.田島貴男【追加公演】
2018年1月8日(月・祝) OPEN 17:45 / START 18:30
市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)※詳しくは公式サイトでご確認を。ORIGINAL LOVE OFFICIAL WEB SITE (外部リンク)
田島貴男 弾き語りツアー2018
3月9日(金) くまもと森都心プラザホール 開場18:30 開演19:00
3月10日(土) 福岡電気ビルみらいホール 開場17:30 開演18:00ORIGINAL LOVE OFFICIAL WEB SITE (外部リンク)
次週12月30日はUinaさんをお迎えします。どうぞお楽しみに。