10月14日のゲストは引続き上妻宏光さんです。

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毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手はこはまもとこです。

今回は先週に引き続き三味線プレイヤー上妻宏光さんをお迎えして、さらに深く音世界を紐解いていきます。

この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→ http://bit.ly/AGATSUMA_onair2
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員の方が聞くことができます)


昨年は上妻宏光 Newest Best「粋-sui-」をリリース。

三味線の伝統と革新を推し進めるべく、日本国内のみならず世界中で活躍している上妻宏光さんですが、 今年は中央アジアに位置するカザフスタンの首都、アスタナで開催された『2017年 アスタナ万博』で、日本館の公式プログラムとして「 JAPAN TRADITIONAL MUSIC "WAGAKKI" 」をプロデュース。

日本を代表する奏者や新進気鋭の和楽器奏者を加えた編成で、上妻宏光のボーダレスな音楽活動を象徴するような内容で大成功だったそうです。

「カザフスタンは実は日本とは縁が深い土地なんですよ」

万博が開催された首都アスタナは、1997年にそれまでの首都アルマトイから遷都されているのですが、その際に都市計画案を手掛けたのが、日本が誇る建築家 黒川紀章さんなのです。

全てが完成するのは2030年の予定だそうですが、そんなご縁もあって今回は現地のミュージシャンとのコラボレーションなども積極的に行ったそうです。

そんなこともあってか当日の反応はとても良かったそうで、上妻さんとしても大満足だったようですよ。

「国内では三味線の新しい表現方法を求めて戦い続けてきたので、なかなかうけいれられないところもあったんだけど、海外では基本的に三味線のイメージがないぶんむしろ日本よりすんなり受け入れてくれるような気がしますね」
と、また笑顔。  

さて、そんな上妻宏光さんの音世界をさらに紐解いていくべくご自身がピックアップしてくれた曲は上妻宏光さんと佐藤竹善さんの「木蓮の涙」。

もちろんスターダストレビューを代表する名曲中の名曲です。

お二人のバージョンは佐藤竹善さんのどこまでも伸びやかな美しいボーカルに上妻宏光さんの三味線の思いがけないくらい優しい音色が寄り添う美しいナンバーとなっています。

「もともとJ-POPなどは三味線がなかなか入っていけない所もあったのですが、今回はそこへのトライでもあるんです」と語る上妻さん。
そこには様々な苦労や工夫が。

「いわゆるJ-POPと伝統曲や民謡とでは根本的なコード感や進行なども随分違うので、普通の運指では対応できないところもたくさんあるんですね。 そこで馴染むように様々な工夫やいわゆるオブリ(助奏)などでもどう絡むと良いのか」かなり試行錯誤はあったそうです。

またこの曲中ではおなじみの力強く凛とした三味線の音色と共に、所々、ハっとするようなとても優しい音色に三味線の意外な魅力を発見もしますが上妻さんがタネ明かし。

通常はやらないのですが「三味線で通常使うバチを使わず、親指の腹で弦を弾いたりしています」。

なるほど、三味線のどうしてもエッジの立ったシャープな音を佐藤竹善さんの柔らかなボーカルとフィットさせるための工夫の一つなんですね。

最初から相性ピッタリに聞こえるこの楽曲の中にはこれほどの工夫とテクニックが施されているとはちょっと意外です。

さぞレコーディングも大変だったのでは、と思えば竹善さんとのレコーディングは本当にスムーズだったそうです。

「竹善さんとは事前に軽く打ち合わせをして、じゃあ実際に音を合わせてみて...OK?みたいな(笑)」

ええ?

必要なところで必要な音を出すっていうことがプロの音楽だと思うんですよ。自分がその音楽をきちんと把握して理解してコンビネーションを考えながら必要な音が出せれば、そんなにしっかりした打ち合わせは必要ないんですね。佐藤竹善さんとはそれができるのでとても相性はいいんですよね。」

そんな佐藤竹善さんとのツアーですが、来年福岡に来る予定もあるとか?
こちらも楽しみですね。

その前に来年年明けに東京で行われるコンサートにもご注目。

「同世代ぐらいを中心に集まってくれたんですけど 音楽もこんなにかっこいいんだぞというところを見せたいと思っています」 意欲満々。

「J-CULTURE FEST / にっぽん・和心・初詣」
上妻宏光 コンサート‐和心伝心‐其ノ四?若き和の賢者達?

2018 年1 月2 日(火) 東京国際フォーラム ホールC
上妻宏光・中 孝介<歌手>・朝倉さや<歌手>・大江戸助六太鼓<和太鼓音楽集団>・大塚宝<和太鼓アーティスト>・佐藤和哉<篠笛奏者>・藤原道山<尺八演奏家>・山井綱雄<シテ方金春流能楽師>※出演者五十音順

上妻宏光 三味線プレイヤー (外部リンク)


そんなわけで2週にわたってお届けしました上妻宏光さんとの音解。

飾らないキャラクターととっても楽しいお話で大満足の今回でしたが、上妻さんも楽しんでいただけたようで「次は佐藤竹善さんときますね」と笑顔で約束してくれました。

お待ちしています!

 

次回10月21日はDEENを迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに。