毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手はこはまもとこです。
今回お迎えしたゲストはビッケブランカ。 ( #ビッケブランカ )
きらめくようなメロディをパワフルで美しいファルセットで歌い上げるピアノマン。英米のポップスの天才たちに連なる新世代のポップクリエイターです。
エフエム福岡リスナーには7月のパワープレイ「Moon Ride」でもうおなじみですね。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→http://bit.ly/Vickeblanka_onair
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員の方が聞くことができます)
スタジオに現れたビッケブランカさんはボーダーのシャツも爽やかな好青年、明るくて饒舌。言葉を選びつつも自分の音楽を語るのがとても楽しそうです。
そんなビッケブランカがドライビングミュージックとして選んだのがジョヴァンニ・アレヴィの「シークレットラブ」。
イタリアで最も有名なというか愛されているピアニストの一人。
どんな格式高いコンサートホールであっても常にアフロヘアにTシャツ、デニムそしてスニーカー。自宅にピアノさえないという噂も。常識や既成概念に一切とらわれず自由で、それでいて世界中のファンの心震わせるピアニストをフェイバリットとして挙げました。
「この曲はすべてをもっている曲」
ピアニストとしてはもちろん、その生き方もビッケブランカさんの憧れの存在だそうです。
こはまがインタビューした経験をお話すると、本気で羨ましがっていましたね。
そんなビッケブランカのメジャーファーストアルバムが7月発売されたばかりの「Firless」です。
昨年10月にミニアルバム「Slave of Love」でデビューしてから8カ月。「FEARLESS」は満を持して送る本当に楽しいアルバムです。
楽曲はこのアルバムのためのすべて書き下ろし。
「いつもそうですがコンセプトやテーマなどを決めず、今作るべき、収録するための12曲を書いた」のだそうです。その上で自然と見えてきた全体像を客観的に眺めながらすべての曲を書いていったそうなんです。
それもすごい話なんですが、もっと驚くのはビッケブランカさんのピアノは一度もならったことがない独学。しかも子どもの頃少し触る環境にはあったものの本格的にピアノをはじめたのはなんと22歳から。
教科書はすべて歴代のピアノマンの耳コピ。
ビリー・ジョエルにベン・フォールズ、ピアノマン、ビッケブランカにはそういったピアノマンのスタイルが染み込んでいるのです。
ビッケブランカさんのお話を聞いているとお話の中にビリー・ジョエル、ベン・フォールズ、MIKAにクイーンなんて名前が続々と登場して、それら先人のポップの血がご本人の中に、そしてこのアルバムの中に息づいていることがよくわかります。そしてそんなお話を聞くのはとても楽しい。
先人への強い愛情と敬意、そしてそれを受け継いでいる決意が伝わってくるのですね。
そんなアルバムの中からピックアップしてくれた一曲がアルバム最後を飾る美しく楽しいナンバー「THUNDERBOLT」。
フレディ・マーキュリー、マイケル・ジャクソン、Mikaの名前と言葉を引用しつつ「じゃあ僕は『We are the THUNDERBOLT』って言うぜ!という大胆不敵でリスペクトたっぷりで元気になる曲です。
すべての楽器を自分で演奏してたった一人で完全にデモを作り上げてしまうというビッケブランカさん。
この曲は印象的なサビのフレーズが一気に頭のなかに浮かんできたといいます。
しかも演奏している映像とともに完全にアレンジされた完成形でおりてきたんだそうです。
その記憶を仔細に分析して、楽器ごとに再現。そして出来上がってからは何度もクルマの中などで確認、修正してできあがったのだそうです。
なんだか神がかり的なエピソードですねえ。
ミュージカルのオープニングのようなイントロにあたるナンバーから始まり、バラエティに富んだポップの万華鏡、あるいは旅のようなアルバムですが、そのラストは先人たちが続く自分を「自分たち」と鼓舞するように歌う勇気あふれる、そして自身の成長を示すようなナンバーで終わります。
海を渡る勇壮な海賊のようなイメージも。まさに「ビッケ(海賊の下っ端の意味のポルトガル語)」ですねえ。
そう伝えると本当に嬉しそうなビッケブランカさんでした。
そんな素敵なアルバムを携えての福岡でのライブも間もなく。
時にエキセントリックに、時に感動的に、楽しすぎるMCとともにエンタテインメントとしても最高に楽しいビッケブランカのライブをどうぞお見逃しなく。
◆FEARLESS TOUR 2017
9/30(土)福岡INSA
OPEN 17:00 / START 18:00くわしくは TOP of ビッケブランカ Official Web Site (外部リンク)
始終楽しい雰囲気でお送りした今回の音解。
なんだか自分の音楽についていろいろとお話するうちに、どんどん新たな発見もあったようで「改めてそれぞれの曲について(客観的に)見直したくなりました」と、嬉しそうに話してくれました。
またぜひ。お待ちしてますよ。
次回8月19日はBenthamをお迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに。