4月22日のゲストは篠笛奏者 佐藤和哉さんです。

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satoukazuya

この回をもう一度聴く!
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員の方が聞くことができます)

毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手は香月千鶴です。

今週お迎えしたゲストは日本の伝統楽器である「篠笛」を今の時代に新鮮に鳴らし続ける若き篠笛奏者、佐藤和哉さんです。

スタジオに篠笛を携えて和装姿でさっそうと現れた佐藤さん。
その凛とした立ち姿や、さりげない所作の美しさにまずはホレボレ。一方で優しい笑顔で友人たちとのドライブの思い出を楽しそうに語って周囲を和ませている姿は至って普通の楽しいお兄さん。音楽の魅力そのままにそんな両面を持ち合わせた魅力的な方です。

番組の冒頭、早速、生演奏で披露してくれた楽曲は皆さんおなじみのゆずの「雨のち晴レルヤ」の一節。 佐藤さんも作曲者としてクレジットされていますが、実は元々佐藤さんの楽曲をモチーフにしたものです。ゆずのお二人も伝統的な音と現代的な感覚が同居する佐藤さんの音世界を絶賛だそう。

素朴なのに情感豊かで奥深い美しさに溢れた篠笛の音色に魅了されてしまいます。

fueutaiそんな佐藤さん、昨年9月に発売されたアルバム『フエウタイ』でメジャーデビューしました。

今までは自分自身を孤独な状態において自分自身と向き合って音を突き詰めてきたスタイルを、今回のアルバムではむしろ逆に「自分と人との関係の中で生まれる思いを大切にしてつくりました」と語る佐藤さん。

そんな日常生活の延長からにじみ出る美しさや愛おしさに溢れた楽曲の数々。

そんな中に唐津市出身で佐藤さんの篠笛の原点でもある「からつ曳山囃子」も含まれています。まさに佐藤さんの原点から現在までのすべてが収められているよう。

結果、開放的で飾らない風通しの良い1枚ができあがりました。

番組では伝統楽器である篠笛についても解説してくれましたが、とてもシンプルな構造のその楽器で表現されるそれぞれの楽曲は、非常に情感豊かで繊細な美しさに溢れていています。楽器としての篠笛の可能性を感じさせてくれる1枚でもあります。


そんな佐藤さんの音世界を深く紐解くべく、自らピックアップしてくれた1曲は昨年5月に発売されたファーストアルバム「ふうちそう」に収録された「さくら色のワルツ」。

朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」主題歌の「雨のち晴レルヤ」の原曲がこの曲なんですね。

佐藤さんの名前を一躍世に広めた一曲でもあると同時に、佐藤さんの作曲者としての転機となった曲でもあります。

というのも、この曲のメインは篠笛ではなくトランペット。
意外なほどに柔らかなトランペットの旋律が印象的ですが、その柔らかな音色に魅入られて吉田さんが篠笛以外の楽器のために作った初めての曲なんだそう。

ドイツでレッスンを重ねていた時期に、遠く離れた日本への思いが募ってたった15分で一気に書き上げた曲。

この曲はその時に頭に浮かんだのは2つの情景。
「桜の並木道をこれから入学する笑顔の親子、子供の不安と期待」そして「散っていく桜、卒業式の別れ」。2つの情景を1つの曲の中で描きたいと思ったんだそう。

この曲では華やかなトランペットで出会いのワクワク感、高揚感を、篠笛で情感豊かに別れの切なさを表現しているんだそう。それを知った上でこの曲を聞くと、今まで以上に日本的な情緒たっぷりで奥深い風景が立体的に浮かびあがるようでちょっと感動的です。

そして、奥深い音楽はぜひ目の前で聴いてみたいものですね。
ニューアルバム「フエウタイ」を携えて、来週4月29日(土)にご自身の故郷である佐賀県唐津市でコンサートが開かれます。

「唐津大使就任記念&デビューアルバム『フエウタイ』発売記念『故郷ただいま』コンサート」

4月29日(土)唐津市民会館
【開場】13時00分【開演】13時30分
詳しくは公式サイトでご確認ください。篠笛奏者 佐藤和哉 - Kazuya Sato (外部リンク)

今回は地元での記念すべきコンサートということもあり、ゲストに佐藤さんのアルバムのサウンドプロデューサーでもあるピアニストのKOHIKIさんと、ゴスペラーズ「永久に」の作曲者としても知られるピアニストの妹尾武さんを迎えてお届けするスペシャルなコンサート。

「生で聞く和楽器の魅力は格別ですよ」と佐藤さんもコンサートを楽しみにしているようです。


今日は佐藤和哉さんの音世界はもちろん、普段馴染みのない篠笛の魅力についてもたくさん知ることができました。

そして佐藤さんの篠笛にかける熱い思いとその飾らない人柄のおかげで、始終笑顔の絶えないスタジオになりましたね。佐藤さん、ありがとうございました。


来週4月29日はNakamuraEmiさんをお迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに。