毎回、素敵なゲストをお迎えして、その音世界を紐解いていくプログラム「SOUND PUREDIO presents 音解(おととき)」 。今週のお相手はちん。です。
今回お迎えしたゲストはキュウソネコカミからヤマサキセイヤさんとヨコタシンノスケさん。
世間や自分たちを取り巻く周囲への不満、怒り、正論、妬み、悲しみ、そんな正直な気持ちを毒っ気たっぷりの笑える歌詞に込めてダンサブルなサウンド、そして圧倒的なパフォーマンスで熱狂的な共感を集め、今やライブハウスやフェスでも大人気、今やテレビやメディアでも注目のキュウソネコカミ。
スタジオにやってきたお二人は、礼儀正しく誠実な印象ですがどこかこちらの様子を少し伺うようなかんじ。キュウソっぽいなあとちょっとワクワクします。
この回をradikoタイムフリーでもう一度聴く!→ http://bit.ly/KYUSO_onair
(radikoタイムフリー、放送後1週間に限り放送エリア内(無料)とプレミアム会員の方が聞くことができます)
笑える歌詞やライブでお客さんの上を練り歩くパフォーマンスのコミカルな印象ばかりが先行しがちなキュウソネコカミですが、ご本人たちもサービス精神満点でテレもあってあーんまりそこら辺のお話を聞いたことがないような。
ってことで、今日は特に「キュウソの音楽」をしっかり聞き出したい!がちん。のテーマです。
最新シングルは8月23日に発売された「NO MORE 劣化実写化」です。
今日はとりわけこの一曲についてたっぷり話していただきました。
架空の原作マンガ「滅びのレッカ」を実写化したという設定のご本人出演のMVも話題ですが、「もうなんかホント多いと思いません?」とヤマサキさんがちょっぴり
うんざりした様子で話してくれたように、昨今のおびただしい数のマンガやアニメの実写映画化に対して、自身もファンである立場からの嘆き、失意、悲しみからの怒りを叩きつけるナンバーです。
もともと原案は1年前くらいからあって、もともとはシングルにするつもりもなかったそう。
だけど「自分達らしいナンバー」だし「今出さんならいつ出すんや」という思いと、スタッフの協力もあってシングルとして発売したのだそうですよ。
さて、そこからキュウソの音世界の原点について話してくれました。
キュウソらしいダンスチューンとして音作りを行った今作。
そこで、キュウソサウンドの原点として「ニューレイブ」という言葉が飛び出しました。
クラクソンズ、ハドーケン!、レイト・オブ・ザ・ピアといった「ニューレイブムーブメント」はアナログシンセや電子音を多用したダンスに限りなく近づいたロックのジャンル。パッと現れてパッと消えたイメージですがその中身は今まさにメインになっている「踊れるロック」そのものです。
確かにキュウソは初期の頃からニューレイブやポストニューウェーブ的なサウンドがベースにあるようですね。今回はもう一度立ち返ってみたそうです。
一方で今回の楽曲では、経験則で踊りやすさ、引き算でのスムースな音作りは十分理解しているけれど、ヤマサキさんのパンチあふれる歌詞、メッセージを音楽として引き立てるために、あえて音作りは「無駄なものをいっぱい入れて過剰に」さらにリズムやテンポ、曲調さえも右に左に振り回して「時を止めてしまうようなクセの強い」楽曲にした。といいます。
流れるような音楽にはしたくない。これもキュウソネコカミの音づくりの基本にあるそう。
色々なお話を聞いて思うのは、当然のように単に毒があって笑える。だけではないんですね。
同様のバンドが多数ある中でキュウソネコカミが一つ抜け出て多くの人に共感されるのは、こういったヤマサキさんの言いたいことを全員で細かい工夫を凝らして「音楽としての強度」を高める作業の積み重ねであることがよくわかります。
もっとも、「途中でワルツ、セリフで、ハモリからドラムソロで強引に戻るって、絶対に他のバンドはしませんよねえ」とアツくヨコタさんが語ると、ヤマサキさんが一言「だってよくないもん(笑)」。
と、らしいやり取りも忘れませんが。
そんなキュウソネコカミのライブ。
先に発売された3枚組のライブアルバム
『キュウソネコカミ-THE LIVE-DMCC REAL ONEMAN TOUR 2016/2017 ボロボロ バキバキ クルットゥー』。
なんばHatch公演と全国37会場の音源が含まれている代表曲を網羅した53曲を聞けば、「ライブへの想いは強い」と自ら言い切るキュウソネコカミの音楽とライブならではの迫力を堪能することができます。
福岡のライブも間もなく。
今こそ観ておきたいですね。
キュウソネコカミ 「ヒッサツマエバ〜とぎなおし〜'17-18ツアー」
11月1日(水) 福岡 DRUM Be-1 ※ゲストあり
キュウソネコカミWEB (外部リンク)
なお「NO MORE 劣化実写化」のシングルにはこのライブの最速先行予約シリアルナンバーが封入!締切りは9月3日いっぱいです。お見逃しなく。
そんなわけで、今日はお二人から音楽としてのキュウソネコカミのお話が聞けましたがいかがだったでしょうか。
お二人も楽しんでくれたようですよ。
またいずれ続きを聞かせていただきたいですね。
最後にお二人のみなさんへのメッセージ。
「キュウソの音楽はパンチが効いているだけじゃなく意外と奥深いもんだと思ってるんでそこらへんを注目して聞いて欲しいです!(ヨコタさん)」
「皆さん、いいものは自分の目で探してください(ヤマサキさん)」
次回9月9日は国分弘子さんをお迎えしてお送りします。どうぞお楽しみに。