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2012年10月アーカイブ

【その5】それぞれの人物たち

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どうも、監修の阿久根です。

このシリーズについてまたご説明いたします。

このドラマ全12章ありまして、隔週なんですね。

なので、前の物語を絶対聴いていないと分からないという作りではダメで、
それぞれの物語物語が単体でも成立するように作ろうと決めました。

それで、第8章が『辛亥革命』になるのですが、
第1章から、辛亥革命が成るまでを、それぞれの人物...
と言っても、タイトルが孫文と九州人ですから、
孫文と九州人(梅屋庄吉・宮崎滔天・頭山満・平岡浩太郎・末永節)が、それぞれの立ち位置から、
辛亥革命までの軌跡を見つめているようになっています。

なので、同じシーンが出て来ます。

しかし、それを見つめている人物が違っているのです。

それぞれの思惑が絡んでそれぞれの立ち位置から、そのシーンを迎えているのです。

同じシーンなのに、角度が変えられていて違った印象になっているシーンもあります。

辛亥革命の始まりは、恵州蜂起からということで、第1章では、孫文が始めて日本に上陸し、
いろんな人物と出会い(と言っても描かれているのは九州人ばかりですけどね)、
恵州で蜂起するところを描いています。

それぞれの人物たちが、シーンに絡みながら、恵州蜂起を迎え、
それぞれが、いろんな方向から辛亥革命に向かって進みだすようになっていて、
第8章以降は、『辛亥革命その後』という運びとなっています。

九州人たちは孫文をどう思い、どう接したか...あらゆる角度から各シーンを描いて、
孫文と辛亥革命が立体的になるといいなーと思っております。

とかなんとか言いながら...
今...第8章執筆ちう。

んー、よろしくお願いいたします。

監修 阿久根知昭

【その4】収録との戦い

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えー、監修の阿久根です。

あのー、収録との戦いとかタイトル書きましたけどね、
収録でナニとどう戦っているかというと、締め切りと迫る放送日と戦っていたんですね...

まず、第1章は、全12章の始まりというのがあって、それはそれは、いろいろやんなきゃいけないことがたくさんあって...

更に、

僕がどうしてもあげなきゃいけない映画の脚本執筆と、
この孫文が主役の第1章執筆が見事に重なってしまって、
ワーキャー言いながら書いたんですけど...
結局、役者集めて本読みする時に、完成することができませんでした。

恵州蜂起の前まで書いたんですけど...恵州蜂起は書けなくて...
なので、ラスト近くの盛り上がりシーン無しで収録しました。

編集の大塚さんはブーブー言いましたけどね...

僕は、宮崎滔天が主役の第3章の執筆担当でもあったので、その収録の時に、
恵州蜂起を録るようにしよう、役者も揃ってるし...
と思ってたんですけど...この3章も書き過ぎて、
15ページくらいカットすることになっちゃって...最初の手探りがもう大変でした。


第2章の担当は日下部信(くさかべしん)さんでしたが、第1章が中途半端だったため、
1章の中身と照らしながら2章を書くということが出来ず、随分迷惑をかけてしまいました。

僕もそうでしたけど、彼は本読みまでに4日徹夜状態となりましたので、
僕が書き直しを頼んだり、バッサバッサとカットすると、
少し...すこーし...キレ気味になってました。

今のところ日下部組の収録時間が最長ですね。

17:00からスタジオで録音開始したんですけど、終わったら夜中の2時に...
家に帰りついたら3時回ってました。

丁度オリンピックのレスリングの試合があってたので、
役者は待ち時間の間ずっとオリンピック中継観てました。
女子もいたので、その女性たちの収録先にやって、さっさと帰してね、
夜中はオッサンがオリンピック観てオーオー言いながらの収録。

その第2章が最近放送されたやつですね。

第2章で主役の庄吉を演じた二橋さんは、ずっと喋りっぱなしで疲れて後半だんだんアマガミモードに...


第4章(頭山満主役)の高野龍也さんも、第5章(平岡浩太郎主役)の三浦としまるさんも、
みんなみんな徹夜で、キリキリしながら書いて収録しておりまして、
今のところ余裕で仕事した作家はいません。

第6章担当の山下晶さんも最近収録しておりますが、まだ録ってないシーンがありますから、
まだ苦しみは続いてます。

執筆する作家は9人いますが、今のところ、3人が苦しみながらも書き終えて、収録し、
晴々と制作現場から抜けていきました。

ああ、羨ましい。

今度の水曜日収録予定の瀧本雄壱さん、今一番キツイところにいます。
今の時点ですけど、明日の朝までには原稿を直してくれることになっています。

作家の皆さん、頑張りましょうね。


監修阿久根知昭

第2章、ポッドキャスト配信

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以下をクリックしていただくと、
第2章をお聴きいただけます。
聞き逃された方は、どうぞ。
大塚和彦

絆よ、悠久なれ121021Podcast.mp3

もうまもなく放送ですね。

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第2章「君は兵を挙げたまえ」脚本・演出を担当致しました日下部信です。

この、長崎の大商人・梅屋庄吉(1868ー1934)が、
孫文を積極的に支援していく史実に基づき、
その生涯の前半を第2章ではドラマにしました。
(後半は、第8章や第11章に登場します。)

梅屋庄吉の65年間の生涯を俯瞰して見ますと、
孫文との出会いの前・後で分けられる気がします。

前半は長崎商人として国内外問わず失敗と成功を繰り返しながら
貿易業や香港での写真館経営など、
経営基盤を固めていった印象を受けます。
その中で、しっかり者の妻・梅屋トクと出会い、結婚。
また、旅の途中、船の上でアメリカ人船長が
コレラに感染した中国人労働者を生きたまま海に捨てた光景を目撃。
欧米に警戒感を強め、対抗出来るアジアの国々でなければならないという
考えに至ります。

後半は、梅屋庄吉が孫文との関わりを深め、
一生に渡って心から支え、莫大な資金援助をおこなっていきます。
孫文と宋慶齢の関係にもひと役買うことになり、
まさに孫文にとって、
梅屋庄吉は強い絆で結ばれた日本人のひとりと言えます。

私が脚本を書く上で苦労した点は・・・
いくら孫文の革命と言えど、
私財をなげうって援助するという、
その器の大きい性格がもうひとつピンと来ませんでした。
それをしっかり理解し、イメージ出来るまでに時間がかかりました。
しかし、取り組む中で、分かって来ました。
さらに、百年前の国の違いなど軽々と越えた人間の絆というものに、
私は突き動かされました。
悲惨な戦争の歴史によって、
いかに私たちの歴史観が偏ったものに
なっているかを感じるきっかけにもなりました。

さて、もうすぐ放送となりますが、
これを機に、長崎の梅屋庄吉さんの活躍がもっと知られ、
九州の人間が、ものすごく大きなスケールで、
革命的働きを為したことを知って頂ければ幸いです。
なお、2011年に放送された
FMFUKUOKA『"孫文と九州"を語る』
http://fmfukuoka.co.jp/sonbun/
を合わせてお聴き頂くと、よりお楽しみ頂けると思います。


第2章 キャスト

孫文・・・・・・・・・・永淵幸利     
梅屋庄吉・・・・・・二橋康治    
梅屋トク・・・・・・・杉山英美
梅屋吉五郎・・・・山田高廣
秘書恩田・・・・・・田中富士夫
トメ子・・・・・・・・・古賀麻里沙
華僑ヤン・・・・・・山口浩二
写真館従業員・・畦かなえ     
カントリー・・・・・・矢山 治
宗 慶齢・・・・・・・渡辺美穂

技術・・・・・・・・・・内野 彰
           生越盛幸
作演出・・・・・・・・日下部 信
監修・・・・・・・・・・阿久根知昭
企画編集作曲・・大塚和彦

制作・エフエム福岡
ライトスタッフギルド


企画、構成、作曲のおおつかです。

第2章は、長崎出身の梅屋庄吉が主人公です。
孫文との初対面の様子や、支援することになったいきさつ、
などが描かれています。
ご期待ください。

孫文、第2章録音風景.JPG

第2章の録音風景です。

筑前玄洋社 その2 その源流

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hirano.jpg

 幕末、薩長土肥から英傑が群がりでて、混迷した時代を若いエネルギーで時代を回天させた...。

 幕末の物語は、血沸き肉踊りますね。
 第4章のライター・高野龍也です。

 うっかりすると「オレは生まれる時代を間違えた!」などと、人が聞いたら鼻で笑うような自意識過剰なセリフを吐いたことが、ボク自身あります(もちろん、若かりしころです)。

 若くて自意識過剰で勉強不足だったボクは、そんな時「どうせなら薩長土肥のいずれかに生まれたかった」などと思ったりもしました。勝ち馬の尻に乗るような発言ですね。今考えると、本当にこっ恥ずかしいです。

 ところが、玄洋社を探っていくと、どうも筑前福岡は、幕末期のもろもろで、影響力があったことがおぼろげに分かってきました。

 まず、筑前第11代藩主黒田長溥(ながひろ)公は、島津藩主重豪(しげひで)の子どもで、薩摩藩を傾けるほどの蘭癖大名の血を受け継いで、かなり開明的でした。
 黒田藩は、肥前鍋島藩と交代で長崎警護の任を受けていて、藩士を出島に出向させ西洋の文物を盛んに取り入れていました。

 中洲に、精錬所・反射炉を建設。城下町には、藩士が時計屋や写真館を開き、蒸気機関の開発などなど、藩の近代化を進めていました。

 薩摩藩のお家騒動(お由羅騒動)に際しては、甥の島津斉彬の家督相続のために、幕府内で政治活動を行い、老中阿部正広と結んで見事成功。 

第1章、ポッドキャスト配信

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みなさん、お待たせしました。
本当は日曜日まで待っていただくつもりでしたが、
あまりにも「急げ」との要望をいただきましたので、
なんとか仕上げてみました。
CMは抜いておりますので、突然ジングルが出たりと違和感があるかもしれません。
ご容赦ください。
企画、構成、作曲担当、大塚和彦

*少し、変更を加えました。20121014


絆よ、悠久なれ_20121007_Podcast.mp3

第5章、収録!

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【第5章 玄洋社の躍動】収録終わりました!


第5章脚本担当の三浦としまるです。
この章の語り役は、平岡浩太郎。福岡の士族たちによる政治結社「玄洋社」の初代社長です。
この平岡さん、18の時に戊辰戦争に身を投じて、勇敢な戦いぶりを見せただったそうです。

まさに、最後のサムライ世代です。

明治10年、西南戦争の際には、福岡での不兵士族の反乱に参加し、そのまま一人、西郷軍に合流しています。
その後、前章の頭山満らとともに玄洋社を立ち上げ、自由民権運動に邁進していきます。
実に40万人の連署をもって、国会開設を求めたのでした。

平岡浩太郎について特筆されるのは、その資金力です。政治運動をするには財政的な基盤が必要であると、自ら炭鉱経営に成功し、莫大な資金をあちこちに提供しているのです。
また、ここ福岡の鉄道、港といった近代のインフラ整備にも大きく貢献されたようです。

衆議院議員としても活躍し、日本最初の政党内閣を誕生させたキング・メーカーでもあります(歴史の教科書に必ず出てくる隈板内閣です)。


さて、いったいどんな人だったのか?。平岡浩太郎、同時代の人物評など読んでいると、

スマートでダンディ、天下国家を論じて、バッサバッサと論敵を快刀乱麻―そんな、快男児がイメージされます。

革命家・孫文が初めて日本に亡命してきた時から、滞在費一切の資金援助をしていたのも平岡浩太郎でした。
孫文と平岡、二人のあいだにどんな会話がなされていたのか、資料を読みながらいろいろ想像してみました。

平岡は、孫文の中にいったい何を見出し、何に心惹かれて、莫大な資金提供を続けたのか。
第5章、どうぞ、ご期待下さい。

筑前玄洋社 その1

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 孫文の辛亥革命を助けた九州人ー。
 10月21日(日)の第2章では長崎出身の梅屋庄吉。11月4日(日)放送は、熊本県荒尾の宮崎滔天が語りとなります。

 というわけで、第4章担当しました高野龍也です。

 梅屋庄吉、宮崎滔天はそれぞれ、地元では見直されたり、ずっと尊敬され語り継がれるような存在なのです。

 第1章から登場し、第4章、第5章を中心にして登場する頭山満を中心とする玄洋社は、残念ながら、歴史に埋もれています。

 頭山満は、孫文の葬式にまで列席し、日中が戦争状態になったときは、孫文の後継者である蒋介石から日中講和の仲介も依頼されるなど、中華民国と長い付き合いをしました。

 玄洋社は、明治から昭和初期にかけて、政界・財界に多大な影響力があったとされています。

 第二次大戦後、GHQは「日本の国家主義と帝国主義のうちで最も先鋭な一派」ということで玄洋社を解散させます。
 このことがもとで、玄洋社は「どうにも怖い一派」というイメージが残り、玄洋社の荒仕事や力仕事ばかりが喧伝されるようになっているようです。

 でも、調べれば調べるほど、玄洋社にはいろいろな顔があることがわかってきます。
 
 司馬遼太郎先生は「竜馬がゆく」の中で、海援隊のことを、商業だけではなく、教育や思想の啓蒙、政党でもありメディアでもあった、という具合に、多彩な側面と後世への影響力を高く評価していますが、玄洋社もそれに匹敵するのでは? と感じるほど。

 玄洋社の前身向陽社は向陽義塾という学校を設立し、それが後の県立修猷館高校に。
 玄洋社が発刊した「福陵新報」という新聞は、西日本新聞の源流に。
 玄洋社から輩出した主な著名人は、川上音二郎、杉山茂丸、明石元二郎、中野正剛、緒方竹虎、中村天風、広田弘毅などなど。安川敬一郎、夢野久作なども、玄洋社と密接な関係がありました。

 「玄洋社あるある」のごく一部を書きだしただけですが、多彩すぎて玄洋社のなんたるかがもう説明しにくい...。
 ですが、日本の近代化とか、福岡の発展にものすごく寄与していることはわかっていただけるのではないかと思います。知らないうちに、ボクたちも玄洋社の影響や恩恵を受けているのではないかと思います。

 ボクもまだまだ玄洋社に関しては勉強中です。
 また近いうちに、玄洋社について何か書きたいと思います。

 それでは!
 
 

第4章収録終了しました!

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「絆よ、悠久なれ ー孫文と九州人」第4章 第アジア主義を担当しました高野龍也です。

先だって、第4章の収録が行われ、無事に終了しました。

第4章は、筑前福岡の「玄洋社」の総帥頭山満先生(調べていくうちに、先生を付けずにおれずにいられなくなりました)を語りに、頭山先生目線での「中国の革命の展開」が描かれております。

第4章は、頭山満先生が主役ですが、第1章、第2章、第3章の物語を、視点を変え、時間軸を変えて再構成された一つの物語という側面もあります。
孫文の革命を支えた九州人に「絞った」物語ではありますが、それでも登場人物の多彩さに、ボクも驚きました。

ぜひ、最初から通しでお聴きください! 
きっと最初から聞くと、九州と大陸の「距離感」が変わると思います。

今回、玄洋社のことを調べさせていただきましたが、何も知らなかったです。
「地元福岡にこんなにスゴイ人達がいたとは!」
ちょっとコーフンしまして、シナリオが随分と迷走しました。
最終的には、監修阿久根さんにきちんと矯められ、整えていいただきました。今も勉強中ですが、ラジオドラマをもっと面白くなる情報を、こちらに掲載していこうと思います。

高野龍也