「宿題は?もう済んだの?」・・・。「済ませたよ」「言われなくても、あとでするよ」・・・。
親子の間でよく交わされる言葉です。
もぐらのもぐくんは、赤ちゃんが産まれてお兄ちゃんになり、かまってもらえなくて淋しそう・・。ところが、めえこ先生から宿題が出されて、なんだか嬉しそう・・。その宿題は「抱っこしてもらう」こと。でも、お家に帰って、忙しいお母さんになかなか言い出せません・・・。
岩崎書店から出ている、いもとようこさんの絵本「しゅくだい」の一コマです。
ある小学校低学年のクラスで、この絵本「しゅくだい」が読みきかされました。
すると、読み終えた時、クラスの男の子が「先生!今日のしゅくだい、だっこがいい?!」。
他の子も、「先生!先生!」と大合唱。
そして、その日のしゅくだいは、「だっこ」でした。
翌朝、子ども達は、すごくいきいきして、何だかうれしそうに学校にきたそうです。
あるお母さんは、「子どもがね、恥ずかしそうに、<おかあさん、きょうのしゅくだい、だっこなの>と言ってきて、あの子を久しぶりに抱っこしたの・・。抱っこした時の、あのうれしそうな顔、重たくなった体、私もすごくうれしかった?。あの宿題、良かった?。」とお母さんも満足そう。
小学生だけでなく、中学生の女の子をもつお母さんも、テスト前に「がんばってね」と抱きしめたら、照れながらも嬉しそうだったとか・・。
1歳の子どもをもつお母さんは、「だっこ」の言葉は、娘が覚えた数少ない言葉のひとつ。食事の準備をしていたりすると、おねだりされてもついそっけなくしてしまっている自分に反省させられました。ほんの少しでも、ぎゅ?ってしてあげれば、どんなにお互いの気持ちが安心できるかって・・・・・。
「しゅくだい」のだっこが、いつのまにか、「大好きだから」のだっこになったようです。
2005年5月アーカイブ
数えで100歳、今も元気で活躍されている方がいらっしゃいます。
しょう地三郎(しょうちさぶろう)さん。
福岡市にある「しいのみ学園」の園長、韓国・大邸(てぐう)大学教授・大学院長、中国長春(ちょうしゅん)大学の名誉教授、三才児教育学会の会長、手作りおもちゃ親子愛情学の校長として、毎日大忙しです。
100歳になる今年、「百歳記念 日本縦断?世界横断講演」をご自分で計画されました。
すでに、3月には、北京。そして、先月末(4月)に、アメリカへ出発。アメリカでは5つの大学で講演され、イギリス、フランス、ドイツ、ギリシャ、バンコクを廻って、来月(6月)はじめに、一旦帰国。その後も世界各国を廻られるそうです。
しかも、講演は、英語、ドイツ語、中国語、韓国語、ロシア語などを使い、なるべく通訳なしで、直接語りかけます。ロシア語の勉強をされたのは、60歳の時。中国語の勉強は、96歳の時で、わずか8ヶ月間で、中国語で講演できるまでになったそうです。「今からでも遅くない・・。」という言葉を胸に15歳の意欲で勉強されたとのこと。講演は、1時間半から2時間、椅子に腰掛けず、立ったまま。障害児教育、学校教育、老人問題・・・。時には、長生きの秘訣について話されます。そのひとつひとつの講演には、ある願いが込められています。「教育に国境はない・・。世界中の子どもたちに温もりのある心の教育を・・・・。」
自分を必要とする国があれば、命が続く限り出かけて行かれるそうです。
100年生きてこられた中で、身をもって感じていらっしゃるのは、こんなことだそうです。「人生はやはり幸福になることが目的。長生きするだけでは能がない。人のお役に立ちながら、身体を動かすところに生きる喜びがあるのです。」
しょう地三郎(しょうちさぶろう)さん。
今日も、世界のどこかの国で、世界の誰かの生きる力になっていることでしょう・・・。
行楽シーズンを迎えています。幼稚園や学校の遠足姿の子どもたちもあちこちで見かけます。遠足といえば、楽しみなのが、お弁当。遠足のお弁当にまつわる、こんな話があります。
ある小学2年生の女の子が、学校から帰ると、お母さんが病気で入院することになりました。明日は、楽しみにしている遠足・・・。お父さんはお母さんの病院に付いていなきゃいけないし、あしたのお弁当どうしよう・・。
女の子が困っていると、小学6年生のお兄ちゃんが、「おれがつくってやるよ」と冷蔵庫をのぞきながら、「おにぎりと、たまごやきと、ウィンナーでいいよな」。女の子が、「うん。りんごある?」ときくと、「うん、あるよ」。「じゃあ、うさぎさんにして!」・・・。
うさぎの形のりんごは、お母さんがつくってくれたお弁当には、必ず入っていたそうです。「そんなのできないよ!」とお兄ちゃん・・。「じゃ、いい」と女の子は、少し悲しそうに返事をしました。
翌朝、台所に行くと、テーブルの上に、お弁当がのっていました。女の子は、そのお弁当をリュックに入れて、遠足へ。お昼の時間、お弁当を開けると、・・・大きなおにぎりが2つ。たまごやき。ウィンナー・・・。それに、うさぎの形をしたりんごが4つ入っていました!そのうさぎは、大きさも形もふぞろいでした。・・・お兄ちゃんがつくってくれたんだ・・・・。女の子は胸がいっぱいで食べることができませんでした。
夕方お母さんの病院へ行って、「お兄ちゃんが、うさぎのりんご、つくってくれたんだよ」と、お弁当を開けて、食べられなかったうさぎのりんごを、とても嬉しそうに見せました。「せっかくだから、みんなでいただきましょう」とお母さん。一緒にいたお兄ちゃんは恥ずかしそうにうなずきました。病室で、みんなで食べたりんごは、ちょっぴり、すっぱい味がしたそうです・・・・。
今週木曜日5月12日は、「国際看護師の日」。「クリミアの天使」と呼ばれ、近代看護学の普及に尽くしたナイチンゲールの誕生日だからです。
フローレンス・ナイチンゲールは、1820年、イギリス人の裕福な家庭の娘として生まれました。華やかな社交生活や結婚の話もありましたが、生来、看護や衛生、社会問題に深い関心をもち、24歳の時、病院で働く決心をしました。
その後、看護師見習を務め、30歳で念願の看護師に・・。
34歳の時、クリミア戦争が起き、戦争でけがをした人や病気になった人の手当てを依頼され、38名の看護師団を結成して戦場に向かいました。
病気やけがをした兵士たちは、不衛生な仮設病院の床に溢れていました。彼女たちは、まず、病室の掃除、洗濯からはじめ、わらでつくったベッドに白い清潔なシーツを被せ、衛生状態を改善。そして、兵士の食事の世話、手当てと休む間もなく働き続けました。時には24時間立ち通し、床に膝をついたまま、8時間も包帯を巻き続けることもあったそうです。そんな中、欠かさなかったのが、夜の見回り。何千人もの兵士が横たわる中、苦しむ兵士にはそっと手を握り、目があう兵士には、やさしく微笑みかけ、一人一人見て歩く距離は6キロを越えていました。ナイチンゲールがもつランプの灯りは、兵士たちの心を勇気づけ、天使のように思われていたそうです。そして、先駆者の使命を持って、彼女は90年にわたる人生を、病に苦しむ人々に捧げ、看護学の設立の為に尽くしました。
クリミアの天使と言われた彼女のことば・・・。
「天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、
苦悩する人のために戦う者です・・・。
先日、皇太子殿下の記者会見でも紹介された詩が、今、再び脚光を浴びています。
今からおよそ50年ほど前に、アメリカの家庭教育の第一人者、ドロシー・ロー・ノルトさんが書いた詩「子は親の鏡」です。
ドロシーさんは、3人の子供の母親でもあり、40年以上にわたって、子育てのコンサルタントとして様々な家庭と関わってきました。その中で生まれた詩です。
PHP研究所出版の「子どもが育つ魔法の言葉」=石井千春(いしいちはる)さん訳=の中で紹介されています。
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けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもは不安になる
「かわいそうな子だ」といって育てると、子どもはみじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる
親が他人を羨んで(うらやんで)ばかりいると、子どもも羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張りやになる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
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もうすぐ、こどもの日。親も子も幸せになる詩です・・・。