熊本地震によって熊本城が甚大な被害を受けていますが、東日本大震災でも福島県白河市の小峰城が石垣の崩落など多大な被害を受けました。
およそ400年の歴史を持つお城は白河市のシンボルで、その被災した姿に市民の落胆は大きく、震災からの復興の中、お城の修復にも力が注がれました。
市の文化財課は7000個に及んだという崩落した石に、ひとつひとつ番号を振り「石材カルテ」を作成するところから始めて、石垣の修復に伝統工法で取り組み、さらに修復の過程を見学会を開いては公開して、少しずつ復活していくお城の姿を市民に届けたのです。
そんな市の取り組みに応えて、見学会には多数の市民が参加。
石垣の大きな石、築石の裏側に小さな「裏込め石」を積む作業の際に、200円の寄付で石にメッセージを書き込むイベントが開かれると、大人から小さな子供まで参加して、様々な思いや願いを書き込んだ石を自分達の手で積み上げました。
全国でも例がなかった大規模な石垣の修復に力をあわせて取り組んだ白河の人々。そんな白河市に、苦難に直面している熊本市から相談の連絡が入り、白河市は助言を行って今後の協力を伝えたといわれます。
震災に見舞われ懸命に復興に取り組む人々が、ふる里復興を願う心で結ばれたのです。