TOPページへアーカイブへ
提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
←(2016年5月1日「1号機関車」)
(2016年5月15日「伝説の柔道家」)→

2016年5月8日「裸の外交」

イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルは政治家としての業績だけではなく、人柄もまた国民に愛された人です。
小太りの丸顔に山高帽を被り、葉巻をくわえる姿は、イギリスという国のシンボルとして親しまれ、良識ある紳士でありながら茶目っ気があるところも好かれていました。

そして、ユーモア。
彼の趣味は絵を描くことでしたが、あるときマーガレット王女が「あなたはなぜ風景画しか描かないの?」と尋ねます。
するとチャーチルはこう答えたのです。
「人間と違って、草や木なら描いた絵が実物に似ていなくても文句を言われないからでございます」

このユーモアのセンスは、本分である政治の中でも多いに発揮されています。
彼は首相に就任すると、さっそくアメリカを訪問。
ルーズベルト大統領と会談してアメリカの外交政策を探るのが目的でした。

ある朝、ルーズベルトがホワイトハウスに泊まっているチャーチルの部屋を訪れました。すると、部屋の中にはシャワーを浴びたばかりのチャーチルが素っ裸で立っています。
それを見たルーズベルトがあわてて部屋を出ようとすると、チャーチルが呼び止め、万歳の格好をして、こう言ったのです。
「このイギリスの首相は、アメリカ大統領に隠し立てするものは何一つありませんよ」

チャーチルは裸の外交を行ったというわけです。