ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートで必ず演奏される「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」。
この二つの曲には1800年代に音楽家として活躍した父と息子、ヨハン・シュトラウス?世と?世の物語が秘められています。
父ヨハンは貧しさの中から音楽の才能で身を起こし管弦楽団を結成すると、ワルツなど数々の作曲を手掛け、ウィーンの人々を魅了してヨーロッパ音楽界で成功を収めました。
ところが、息子が音楽家になることには大反対で、練習中のヴァイオリンを奪い取って床に叩きつけるほどであったといわれます。
しかし息子ヨハンは屈することなく猛勉強し18歳で楽団を結成。
父の妨害をはねのけて、初の演奏会を開き大成功を収めます。
この時から父と息子はライバルとなって火花を散らし、それが素晴らしい楽曲の数々を音楽界にもたらしました。
そして、父ヨハンが45歳の若さで亡くなると、息子はさらなる活躍で「ワルツの王」と讃えられるまでになるのです。
父から受け継いだ才能を父との闘いの中で花開かせた息子。
大きな壁となって息子の才能を育てた父。
音楽で深く結ばれた父と息子、二人のヨハン・シュトラウスの名曲は、今も多くの人々を魅了しています。