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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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5/24「六甲山の開祖」

日本で初めてゴルフが行われたのは、明治36年のきょう5月24日のこと。
「神戸ゴルフ倶楽部」のオープンによって日本のゴルフの歴史が始まりました。

このゴルフ場を造ったのは、イギリス出身の実業家アーサー・ヘスケス・グルーム。彼は幕末の長崎でグラバー商会の社員として働いた後、独立して神戸で貿易会社を経営。
手つかずの自然が残る六甲山に分け入っては趣味のハンティングを楽しんでいました。
しかし長く日本で暮らすうち、趣味で多くの動物を殺めたことを後悔し、その償いとして、六甲山を神戸の人々が快適に楽しめるリゾート地にしようと思ったのです。

山に土地を借りたグルームは、仲間を集めて岩を掘り起し、雑草や笹の根を手鎌で刈り取るなどの手作業に汗を流し、5年の苦労の末にゴルフ場が完成。
またゴルフ場の他にも別荘を建て、私財を投げ打って登山道の整備や植林事業を行い、六甲山が避暑地・リゾート地として繁栄する礎を築きました。

晩年のグルームにひとつの逸話が残されています。
ある日、猟師に追われて別荘の敷地へ逃げ込んできた狐を匿いました。
狐は付近に住みつくようになり、グルームの膝の上で眠るほどに懐くようになりますが、他の人にはまったく懐かず、グルームが死ぬと姿を見せなくなったそうです。