2006年5月アーカイブ

5/28放送分 「ゴルフの神様の言葉」

ずっと向こうまで続く芝生のグリーン。冬は寒くて辛いし、夏は暑くてやはり辛い・・・。爽やかな風が吹くこの季節こそ、ゴルフ日和です。
1927年の今日、第1回全日本オープンゴルフ選手権が開催されました。
5/28は、ゴルフ記念日です。ゴルフにまつわるこんな話があります。

ある日本人がアメリカを車で旅している時、道に迷い、夜になった荒野の中で途方に暮れていました。そこへ通りかかったのは、地元に住む老人の車。無人の荒野に佇む不審な東洋人に、老人の眼は警戒の色を漂わせました。「こんな所で何をしておる?」そこで、日本人は、自分はゴルフのエッセイを書く仕事をしており、アメリカのゴルフ場を取材していること、その途中で道に迷ったことを手短に話しました。その瞬間、老人の眼が輝きました。「わしの車についてきなさい。」老人は、見知らぬ日本人を自宅へ招き、奥さんと共に温かい夕食でもてなし、たったひとつしかない老夫婦の寝室を彼に与えました。
翌朝、すっかり恐縮した日本人が、せめて宿泊代を払いたいと申し出ると、老人はこう答えました。「何を言っているかね。わしらはゴルフ仲間じゃないか。気をつけて行きなさい。今度来た時は、一緒にプレイしようではないか。」

その老人こそ、1930年代に28歳の若さでグランドスラムを達成し、亡くなった今も「ゴルフの神様」と尊敬されているボビー・ジョ?ンズ。

「人生の最後にいくらの財産を得たかではない。何人のゴルフ仲間を得たかである。」・・・・・彼が残した名言が聞こえてきそうです。

5/21放送分 「馬に親しむ」

毎月第3日曜日は、「馬に親しむ日」です。
都会に住み、馬と接することのなくなった子供達に、少しでも馬に接する機会をつくり、人と馬との触れあいを通して、動物を愛する心を育んでもらおうと、JRA・日本中央競馬会と馬事公苑が1986年に制定しました。各地の乗馬クラブや競馬場では馬に親しむ様々なイベントが行われています。

人と馬が出会ったのは、今からおよそ6000年前、昔は、交通手段として、農耕用として、またレジャーとしての関係が主でしたが、最近では共に生きるパートナーとしても考えられています。「人と馬の心と心が通じ合う」といえば、アメリカでベストセラーになったノンフィクション小説:「シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説」(ロラ・ヒレンブランド作=ソニーマガジンズ)を思い浮かべます。実話に基づき映画化もされました。1930年代、傷ついた3人の男:馬主、調教師、騎手、そして不遇の競走馬シービスケットが出会い生まれた奇跡を描いた作品です。
シービスケットのレース前に調教師は騎手にいろいろアドバイスして最後にこういいます。「・・・・それ以外は馬の好きにさせろ。ヤツが自分で飛び出す」・・・・。心が傷ついたシービスケットに騎手がかける言葉、それは「いいぞ。その調子だ。焦るな。大丈夫。よし、行こう!」・・・・。馬主はシービスケットのファンに対し、このように表現しています。「君たちは、へこたれない根性を見込んでくれたのだろう。人生でもレースでも・・・。ゴールは未来にある。シービスケットは未来への架け橋だ。」
馬をひたすら認め、信じ、愛し、タイミングを教える・・・。
何だか人間の子育てにも通じるところがある気がしました。
映画のラストには騎手がこのような言葉を残しています。
「見放された馬を我々が強くした?それは違う。馬が僕らに力をくれた。そして、お互いが癒されたのだ。」・・・・・・
「馬に親しむ日」、まずは馬にまつわる本や映画で心を通わせてみませんか?

5/14放送分 「竜馬の母」

長崎にゆかりが深い幕末の志士──といえば、坂本竜馬。
自由を愛し、世界に眼を向けた竜馬の大きな功績と、誰にでも愛される人柄やまっすぐな生き方は、時代を超えて今なお、多くの人たちに永遠のヒーローとして慕われています。
そんな坂本竜馬の恋女房といえば「お竜(りょう)さん」ですが、それとは別に、竜馬の生涯を通して最もかかわりが深い女性がもう一人います。

それは3つ年上の姉「乙女(おとめ)さん」。母親とは早くに死に別れた竜馬ですが、代わって身の回りの世話をしたのが乙女さんです。つきっきりで学問を教え、武芸の稽古までつけていたといわれます。そんな姉さんに対して、竜馬もまた一生、特別の恩義と愛情を抱き続けていたようです。
坂本竜馬は、無類の筆まめとしても知られていますが、現存する彼の手紙の半数以上が、乙女姉さんに宛てたもの。その文面を見ると、他の人に宛てた手紙には漢文調で用件を簡潔に書いているのに、彼女への手紙には平仮名を多く使い、見たこと思ったこと感じたことなどが文字となって楽しそうに踊っています。なかでも、お竜さんと新婚旅行で霧島に出かけたことは、まるで旅行記さながら、イラストも交えてじつに事細かに手紙に綴られ、また自分の妻・お竜に何かプレゼントを送ってほしい、と頼み込んでもいるのです。
これらの手紙から浮かび上がるイメージは、天下国家の行く末に思いを馳せる坂本竜馬ではありません。
母親に甘える一人のやんちゃ坊主の姿なのです。

今日14日は「母の日」。もしも幕末の時代に「母の日」があったなら、竜馬は赤いカーネーションを、乙女姉さんに贈ったかもしれません。
坂本竜馬の意外な一面を知って、ふと想像してみました。

5/7放送分 「福祉セラピーメイク」

5月9日は、5月:英語でMay(メイ)、9日:9(ク)で「メイクの日」です。お化粧は、普段、身だしなみやおしゃれの為にしますが、メイクの語源=英語の「Make Up」のとおり、お化粧をすると、気持ちもUP=元気になるという女性も多いのではないでしょうか?お化粧が心理的に作用すると気付き、「高齢者や障害者の方が、心が元気になるように」と、個人でボランティアメイクをしているメイクアップアーティストがいます。
福岡市在住の黒木瑞(くろきみず)さん41歳。
お年寄りや障害を持った方を対象にお化粧をする「福祉セラピーメイク」を始めておよそ5年。ひとり10分くらいの簡単なメイクを施すだけで、様々な人間関係が浮かび上がってくるそうです。
若い頃、ご主人を亡くされ、お子さんもいらっしゃらないある女性は、「私は、もう年だし、夫に早く迎えにきてもらいたい」とおっしゃっていたそうです。
ところで、黒木さんがメイクをしてあげて鏡を見せた瞬間、鏡の中に写る自分の姿を見て、お化粧が崩れるくらい泣いたそうです。それからぽつりぽつりとご主人との思い出話を懐かしそうに話しはじめたよか・・・。さらに、一緒に入所している男性陣から、「かわいくなったねぇ。」「もう一回お嫁に行けるよ。」と声をかけられ、少女のように顔を赤らめていたそうです。
また、定期的にメイクをしに行くうちに、性格まで変わったというケースもあるそうです。施設の職員を困らせていた女性が、メイクできれいになった自分に満足するようになり、その満足感からか、みんなにとてもやさしくなった・・・。それまで食事をがつがつ食べていた女性が、お化粧をすることで、左手をそえて上品に食べるようになった・・・等。黒木さんの施す「福祉セラピーメイク」は自分の一番いい瞬間や前向きな未来が見えてくる魔法なのかもしれません。
黒木さんは、「メイク後<ありがとう>と微笑んでくれるその言葉と笑顔が自分への最大のご褒美、<ありがとうといってくれて、どうもありがとう>」という気持ちで、これからも続けていきたいとおっしゃています。

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