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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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5/14放送分 「竜馬の母」

長崎にゆかりが深い幕末の志士──といえば、坂本竜馬。
自由を愛し、世界に眼を向けた竜馬の大きな功績と、誰にでも愛される人柄やまっすぐな生き方は、時代を超えて今なお、多くの人たちに永遠のヒーローとして慕われています。
そんな坂本竜馬の恋女房といえば「お竜(りょう)さん」ですが、それとは別に、竜馬の生涯を通して最もかかわりが深い女性がもう一人います。

それは3つ年上の姉「乙女(おとめ)さん」。母親とは早くに死に別れた竜馬ですが、代わって身の回りの世話をしたのが乙女さんです。つきっきりで学問を教え、武芸の稽古までつけていたといわれます。そんな姉さんに対して、竜馬もまた一生、特別の恩義と愛情を抱き続けていたようです。
坂本竜馬は、無類の筆まめとしても知られていますが、現存する彼の手紙の半数以上が、乙女姉さんに宛てたもの。その文面を見ると、他の人に宛てた手紙には漢文調で用件を簡潔に書いているのに、彼女への手紙には平仮名を多く使い、見たこと思ったこと感じたことなどが文字となって楽しそうに踊っています。なかでも、お竜さんと新婚旅行で霧島に出かけたことは、まるで旅行記さながら、イラストも交えてじつに事細かに手紙に綴られ、また自分の妻・お竜に何かプレゼントを送ってほしい、と頼み込んでもいるのです。
これらの手紙から浮かび上がるイメージは、天下国家の行く末に思いを馳せる坂本竜馬ではありません。
母親に甘える一人のやんちゃ坊主の姿なのです。

今日14日は「母の日」。もしも幕末の時代に「母の日」があったなら、竜馬は赤いカーネーションを、乙女姉さんに贈ったかもしれません。
坂本竜馬の意外な一面を知って、ふと想像してみました。