教えて!コンシェルジュ!: 2019年11月アーカイブ | FM FUKUOKA
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2019年11月アーカイブ

次世代に残したい名作?平成生まれの絵本?

  • Web Staff (2019年11月22日 15:34)

コンシェルジュは前回に引き続き、絵本司書、読書アドバイザーの
安藤宣子さんです。今回安藤さんには、次世代に残したい絵本、しかも
「平成生まれ」の絵本を、世代別にご紹介頂きます。

皆さんご存知「ぐりとぐら」(1963年)や「いないいないばあ」(1967年)など
昭和の名作は残っていますが、今回はあえて平成生まれの名作絵本をご紹介します。

赤ちゃんむけ「次世代に残したい名作」
「あかちゃんたいそう」 鈴木まもるさん作
あかちゃんたいそう_150.jpg
ねこさんと、ほっぺとほっぺ、すりすりすり。ここちよいリズムの言葉とともに、
体を動かして遊べる、親子で楽しむスキンシップ絵本。
オノマトペなど、擬音で赤ちゃんを喜ばせる絵本は多いですが、この本は
親子のスキンシップを大切にする絵本です。
安藤さんが聞いた話によると、赤ちゃんは生まれてすぐは視力が0.01以下、
生後三か月くらいで、ようやくぼんやり見える0.03くらいになるそうです。
なので原色を使った本や、線がはっきりした本が分かりやすい、と言われていますが
この絵本を生後5か月の赤ちゃんに見せたところ、絵本の最後に描かれた
動物と赤ちゃんの絵を見て、赤ちゃんを認識してそこをペロペロと舐め出した、
と言う事があったそうです。

続いて幼児向け
「しんごうきピコリ」 ザ・キャビンカンパニー作
ピコリ_150.jpg
信号が青に変わったら、車はどうする?パトカーが信号機の色を見ながら話をします。
ところが、信号機が「ピコリ」と、突然ピンク色に変わってしまいます。
すると、車はさかだちをしなければいけません。信号機がどんどんめずらしい色に
変わるたび、車たちにはいろんなことが起こります。
ピコリは何色光るのでしょう? 信号機のルールのお話かと思いきや、ふしぎな信号機の
ピコリに、パトカーと車たちがふりまわされる楽しい絵本。
作者の「ザ・キャビンカンパニー」は大分出身在住のご夫婦。
九州に拠点を置いて活動しています。なんとアトリエは廃校なんだそうです。

「とんでもない」 鈴木のりたけさん作
とんでもない_150.jpg
「ぼくはどこにでもいるふつうの子」という男の子のつぶやきから、お話はスタート。
よろいのようなりっぱな皮があって、サイはかっこいいなぁというと「とんでもない」と
サイが答えて...ウサギやキリンなど、次々に悩みをうちあけて・・・。
隣の芝は青く見える、の要素をユーモアを交えて取り入れています。
ご覧の通り、絵も綺麗!

さて、続いて「次世代に残したい名作絵本」小学生編
「みずとは なんじゃ?」 かこさとしさん作 鈴木まもるさん絵
みずとはなんじゃ_150.jpg
かこさとしさんがお亡くなりになった後に出版された絵本。絵は先ほどの
「あかちゃんたいそう」の作者鈴木まもるさん。かこさんが絵本が書けなくなって
しまった時に、かこさんの大ファンだった鈴木まもるさんに 続きを書く白羽の矢が
立ったそうです。
かこさんがあとがきで「大きな子供向けの科学絵本は、専門の方に任せて
自分は小さな小さな子供たちに 水とはどういうものか、と言う事を伝えたい、と
いう思いで書かれています。

「おかあさんのいのり」 武鹿悦子さん作
おかあさんの_150.jpg
戦後70年で出版された絵本です。わたしのあかちゃん、その手がどうか銃など
にぎりませんように。世界中のこどもたちから平和をうばわないで...。
母の子への愛情は万国共通。戦後70年、平和への願いをこめておくる絵本。

戦争を取り上げた絵本は、昔は暗くてなんか怖い、と言うイメージでしたが、この本は
パステルカラーでとても明るい色使いの本。子供だけでなく、お母さんにもオススメです。

そして中学生に向けた「次世代に残したい名作絵本」
「ことばのかたち」 おーなり由子さん作
ことばのかたち_150.jpg

もしも言葉に形があったならば、人を傷つける言葉は鋭い形で、本当に相手を
傷つけてしまう・・・言葉の哲学書みたいな絵本です。
物語り、と言うより詩集のような絵本です。

いかがでしたか?11月30日は「絵本の日」です。
絵本の日をきっかけに 是非絵本に触れてみて下さい。

絵本でデトックス

  • Web Staff (2019年11月18日 11:59)

今回は「絵本で心のデトックス」と題して
コンシェルジュに絵本司書、読書アドバイザーの安藤宣子さんにご登場いただきました。

11月30日は何の日かご存知でしょうか?11月30日は「絵本の日」なんです。
安藤さんがお勤めの「絵本と図鑑の親子ライブラリー ビブリオキッズ」が
制定しました。
この日は、児童文学作家の瀬田貞二さん(映画にもなって大ヒットした「ナルニア国物語」や
「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」の翻訳者としても有名です)が、
日本の絵本に関する基本的な考え方を最初に示して、その後絵本の世界に大きな
影響を与えた「絵本論」を出版した日が、11月30日と言う事でこの日に制定されました。
ビブリオキッズについてはコチラをどうぞ!http://bibliokids.jp/

今回は大人へオススメ。大人が読んでデトックス出来る絵本を何冊かご紹介します。
まずは最近では医療でも注目される「笑い」。大人が笑える絵本です。まずは・・・
「がまんのケーキ」(作・絵かがくいひろしさん)
我慢のけいーき_150.jpg
「がまんできます! あなたのためなら...」
ケーキを目の前に「こいたろうくん」と「かめぞうさん」は「がまんがまん!」。
大好きな「けろこさん」と一緒にケーキを食べたい! 迫りくるケーキの誘惑に
二人は勝てるのか!? はたして運命の結末は!?かがくいひろしさんのユーモア
もりだくさんの絵本。

続きまして・・・
「ちくわのわーさん」(作 岡田よしたかさん)
わーさん_150.jpg
のんびり気のいい「ちくわのわーさん」。急いでいるようですが、あちらこちらへ
寄り道ばっかり。おひるねしたり、こいのぼりになってみたり、巻きずしの服を
着てみたり......。わーさん、夕方までに無事目的地へたどりつけるのか。 
そしてわーさんは、どこに向かっていたのか・・・?

続いて・・・大人へオススメ絵本で心のデトックス!泣ける絵本!
「あの時、そこに 君がいた」(作 やじまますみさん)
あの時_150.jpg
2016年4月16日、午前1時25分頃、熊本県熊本地方をマグニチュード7.3、
震度7の巨大地震が襲いました。この本は、熊本市在住のイラストレーター(作者の
やじまますみさん)が、実際に体験した震災と、避難所の様子を描いた、
熊本地震を扱う絵本。実際に被災したやじまさんが見た、リアルな現場と、そこに
やってきた中学生のボランティア。彼らも実際被災しているにもかかわらず
誰かの役に立ちたいと、ボランティアに参加。来ていたビブスに書かれていた
言葉とは・・・。

「イオマンテ めぐるいのちの贈り物」(文 寮美千子さん、画 小林 敏也さん)
イオマンテ_150.jpg
アイヌに伝わる〈クマ送り〉の儀式をめぐる物語です。
アイヌは自分が着る物(熊の毛皮)や食べ物(熊の肉など)自分たちで必要な分だけ
狩りをして、感謝し、頂き、残った子熊を兄弟のようにかわいがり一緒に成長する。
しかし「別れの日」は必ずやってきます。成長した子グマを神の国へ送る儀式
「イオマンテ」が行われます。生命が軽視されることの多い今の時代に、
「いのちのめぐみ」を受け取るとはどういうことか、を伝える作品となっています。

今回はデトックスをテーマに「笑」「泣く」にスポットを当てました。
是非参考になさってみて下さい。

老いる自分を許してあげる

  • Web Staff (2019年11月 8日 16:13)

今回のテーマは、この方の最新刊からお借りしました。
イラストレーターの上大岡トメさんです。
http://tomekami.com/
トメさんの公式サイトです。一体どんな人なの?どんなお仕事してるの?
など分かります。

今回も、トメさんの最新刊
老いる自分をゆるしてあげる。からお話を
伺います。この本簡単に言うと、できるだけ「老いる」って事を
ゆっくり、楽しく年を重ねていく為にやる事が 書かれています。

今村さんが気になったのは・・・
1.朝昼晩の食事の割合が「朝10」「昼8」「夜6」である
特に晩御飯から夜寝るまでには3時間は空ける。

2.腹八分目を心掛ける

3.適度な運動
4.あまり感情を振り切らない
良い感情、悪い感情、どちらもメーターを振り切ってしまうと
エネルギーを使うのでよくない。 

特に目新しいこともなく、なんならみんな当たり前、と思って知ってはいるけど・・・
でもそれを「実践しているか」「やってないか」で全然違ってきます。
「知ってる」のと「やってる」のでは違うし、「やる」のと「やり続ける」のは違う。それと早起きというのも大事になってくる。

そして今村さんが一番驚いたことは・・・
          感情も老化する
例えば、年を取ると「涙もろくなる」。トメさんは「感情をコントロールする前頭葉が老化したのかな?」と思っていたそうです。それももちろんありますが、私たちは色んな経験をしてきました。
だからこれは良い老化「共感」なのです。
これを「アフェクティブシンパシー」と言います。

そしてこの「共感」こそが50歳を過ぎても生きていける人間の
1つの理由だとトメさんは考えています。

老化は悪いことばっかりだと思ってましたが、良いこともあるんですね!さらに老化を重ねると・・・
人の話を聞かない。耳を傾けない。新しいものを受け入れない。自分の人生を否定する。全てを人のせいにする、など対応できなくなる人と、
好奇心旺盛で人の話をよく聞き、新しいものを積極的に取り入れようとする人とに分かれていくそうです。

年を取った自分を認めることから始めたい。でないと、人の、特に若い人の話も聞けませんから。

トメさんの本、リスナーの方1名様にプレゼント頂きました。
ご応募はosiete@fmfukuoka.jpまでどうぞ!
当選者の発表は発送をもって替えさせていただきます。

自分の体と歳に向き合う

  • Web Staff (2019年11月 1日 16:12)

今回は久しぶりの登場、イラストレーターの上大岡トメさんです。
上大岡トメさんの仕事など⇒http://tomekami.com/profile.html
代表作などこちらでご覧いただけます。是非チェックしてみて下さい。

神社さんぽやお祭の本など出されているトメさんですが、今回はコチラ!
トメさん本_150.jpg
そうです!老いに関する本です。そしてこの本がきっかけでTwitterで
「トメサイズ」も配信!⇒https://twitter.com/tomemaya

トメさんは「やはり運動が大事なんだ」と言う事に気づいたそうです。
「老いを遅らせる事、いかに日常的に運動するかが、この先の人生を
左右するな」と言う思いから、このトメサイズをTwitterで毎週月水金の朝8時から
8時30分の間で配信しています。見ただけで出来る簡単な運動です。

上大岡トメさんが老いを感じたのは、50歳前に喘息を患った時。
風邪もひかないほど、運動もしてるから、体には自信があったトメさんですが
なぜか喘息に・・・そして、よくよく見ると、自分の周りの50前後の方は、
体調を崩す方が多いと言う事に気づいたそうです。
キーワードは50歳。50歳前後に何かがある
トメさんは感じたそうです。
トメさんの最新刊を見ると、最初に目に飛び込んでくるのが
「人間の体は 50歳までしか設定されていない」と言う言葉。
本を作るにあたって、何人かの専門家の先生にお話を伺ったそうですが、
どの先生も50歳とおっしゃっていたそうです。特に歯や関節は50歳、
骨は30歳あたりだと。(それまでの過ごし方や食べ物によって前後はありますが)

歳をとるのは「経年変化」だと思っていましたが、実は・・・
「老いる」はプログラミングされているです。
成長は開いたプログラム、老いは閉じていく、というプログラムです。

など、この本はこう言った事が書かれています。
楽しく上手に年齢と付き合っていくって大事なんですね!
是非「老いる自分を許してあげる」手に取ってご覧ください。

パーソナリティ


今村敦子

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