コンシェルジュは福岡市保健福祉局健康増進課白石由紀子さん
手ごろな健康維持の運動としてウォーキングやジョギングを日課にしている方も
多いと思います。ウォーキングには、肥満による高血圧、糖尿病、高脂血症などの
生活習慣病の予防、自律神経の機能改善、ストレス解消、脚・腕・体幹の筋肉や
骨量の増強などなど...大きな健康効果もあると言われています。
そこで今週と来週は、そんなウォーキングの魅力についてお話をうかがっていきます。
白石さんがいらっしゃる「福岡市保健福祉局健康増進課」において、ウォーキングに
関してはどのような活動をされていますか?
白石さん「福岡市では、「歩きたくなるまちづくり」を推進しており、
特に「ウォーキングマップ」については、各区保健福祉センターなどが
地域住民の方と共同で作成しています。健康増進課では、
ウォーキングホームページによる広報、福岡市地下鉄が進めている
「サブウェイ・ダイエット」事業等と連携し、市民のウォーキングの取り組みを
推進しています。特に「ウォーキングマップ」は、地域住民の方と
区保健福祉センターなどが共同で作成しています。
今村「白石さんがこのお仕事に携わるようになり、福岡市の
ウォーキング事情はどう見えますか?」
白石さん「平成25年度末の状況ですが、市内には
約80のウォーキンググループがあり、それぞれに活動されています。
これだけ多くのグループが活動されている背景には、平成14年に策定した
「健康日本21福岡市計画」の推進があります。この計画は市民の皆様の自主的な
健康づくりを応援するもので、まずは各校区ごとに、その特色を生かし
健康づくりを推進していこうという方針で進めましたが、中でも「ウォーキング」に
力を入れた校区が多かったのです。
まずは校区情報も入れたウォーキングマップを作成し、実際に歩いてみる。
そこから「ウォーキンググループ」を立ち上げ活動に至る、といった校区が
多かったと思います。計画策定の前から活動されていたグループもありますが、
約7割が計画の推進に伴い出来上がったグループです。
私自身も、中央区で仕事をしていた時に、住民の皆様とのウォーキングマップづくりに
関わらせていただきました。
「ここを紹介したいからウォーキングマップに入れよう!」「春は桜が咲いてきれいだから
お花見ウォーキングコースで紹介したいね」「実際歩いてみたらこっちのコースの方が
いいね」などなど、住んでいる皆様だからこその意見がたくさん出て
下見などご一緒させていただくのもとても楽しかったことを思い出しました。」
今村「ウォーキングには、簡単に言うとどのような効果が
期待できるのでしょうか?」
白石さん「ウォーキングは、手軽な健康づくりとして大変有効で
あるだけでなく、地域をウォーキングすることで「あいさつ運動」「仲間づくり」
「地域の魅力発見」「防犯活動」など、二次的効果も期待されています。」
今村「なるほど!健康維持だけでなく、そのような二次的効果も
期待できるんですねぇ?。ではまずは、健康維持の観点から、ウォーキングの効果を
見ていきたいと思いますが・・・」
白石さん「ウォーキングは「手軽に行え、事故やケガの危険性が
低い有酸素性運動」です。ニコニコペースという言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
ウォーキングは、ニコニコペースで行うことで、健康づくりにより効果的な運動に
なります。具体的な効果として、脂肪燃焼による「肥満予防」「肥満解消」、全身の
持久力が上がることによる「体力の向上」、また、リフレッシュ効果
(自律神経のバランスが整うので、ストレス解消、気分転換、快適な睡眠)、
高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防などに効果的と言われています。また、
最近少しずつ耳にするようになってきた「ロコモティブシンドローム」
通称ロコモの予防にも効果的です。」
今村「ニコニコペースとおっしゃいましたが、どんなペースの
事ですか?」
白石さん「ややきつい、と感じる程度のペースが最適です。
脈拍からペースを見つけるのがベストだと思います。脈拍からの見つけ方として、
まず同じくらいの速さで5分くらい歩きます。その後立ち止まって、15秒後から
15秒間脈を測ります。脈は手首や首に手をあてて測ってみてください。
この時の目安として、20代では15秒間の脈拍が30拍、30代では28拍、
40代では27拍が ニコニコペースの脈拍数です。」
今村「なるほど!でもどれくらいの時間取り組んだら良いのか
分からないのですが」
白石さん
「健康づくりのための身体活動基準2013」というものが、厚生労働省から
出されているのですが、18歳以上64歳未満の方は、ウォーキングであれば
毎日60分くらいが目安になります。この年代の方は、それに加えて、息が
弾み汗をかくようなスポーツや体力づくりを毎週(1週間に合計)60分行うことが
推奨されています。ゆっくり泳いだり、ゆっくりジョギングするなどのスポーツですね。
65歳以上の方は、横になったままではなく、ウォーキングをはじめどんな動きでも良いので
毎日40分からだを動かすことを目標にされてみてください。座った姿勢でのラジオ体操、
ガーデニングなどです。ちなみに,「1日1万歩を目指そう」といいますが、
その理由をご説明します。厚生労働省は1日約300kcalを消費する身体活動を
すすめています。これは約1万歩の運動量相当です。例えば、体重60kgの人が
分速70m(時速4km・・普通の速さで)で1,000歩歩くと約30kcalの消費になり、
1万歩あるくと約300kcalが消費できるという計算なんです。
1日1万歩を続けることで「高血圧症や糖尿病」といった生活習慣病の発症を
おさえる効果があると言われています。
今村「ウォーキングを習慣にする、と言うのがまず最初の
難関だったりします。もっと気軽に楽しむ方法ありますか?」
白石さん「そうですよね。「ウォーキングが体に良い!という事は
分かっているけれど、時間が無い」という方も多いでしょうし、「1日1万歩」は
意外に大変なんです。そこで「歩かなくちゃ」と思うのではなく、気軽にウォーキングを
楽しむ為に、日常生活の中で自然に活動量を増やす工夫ができればと思います。
「+10(プラステン)」をご存知でしょうか。今の生活に「まずは10分プラスして、運動を
取り入れてみる」という考え方です。10分の運動の積み重ねでも、
生活習慣病予防などに効果があります。例えば・・・
※一つ手前の駅(バス停)で降りて10分歩く。
※買い物は歩いていく、買いだめしない。
※2、3階まではエレベーターでは無く階段を使用する。
※テレビを見ながら、CM中はストレッチ体操をする 。
※子供と体を使って遊ぶ
※昼休みは外へ出る などですね。
歩数計をつけてみるというのも毎日何歩歩いているかなという目安になりますよ。
今は携帯電話やスマホなどでも歩数計機能がついているものも増えています。
消費カロリーが分かる活動量計もいろんな機種がありますね。
さきほどお伝えした「プラステン」、10分プラスして運動を、という考え方ですが
10分のウォーキングは1000歩に換算できます。「あと10分歩こう」や
歩数計をつけて「1万歩まであと1000歩だから歩いて帰ろう」など
目安にしていただくといいと思います。」
ここで白石さんからお知らせ
福岡市では、「ふくおか健康マイレージ」という事業を実施しています。
ウォーキングのような毎日の健康づくりや、健康診断の受診などをポイントとして
貯めていただき、その貯めたポイントでプレゼントに応募するという事業です。
参加された方には、市内の障がい者施設や事業所で使える500円の商品券を
もれなく贈呈するほか、抽選で旅行券やよかろーもん人形などが当たります。
よかろーもん、急に出てきましたが福岡市の健康づくりイメージキャラクターです。
専用のウェブサイトでは、毎日の歩数を入力するとその歩数の累積に合わせて
「よかろーもん」が九州1周を歩くようなウォーキングマップもご準備しています。
毎日の健康づくりを楽しく記録する管理ツールとしてもお使いいただければと
思っています。対象は、福岡市内に在住・在学・在勤の18歳以上の方で先着2000名で
現在大募集中です!応募は専用のウェブサイトか、FAX,はがきの3種類で
行っております。ウェブサイトで応募の方は
「福岡市 健康マイレージ」で検索してください。
お問い合わせは「ふくおか健康マイレージ事務局 電話092-732-4352」まで
お願いします。平日10時から18時のお問い合わせをお願いいたします。
中央のオレンジの可愛いのが、よかろーもん!