関東大震災が起きたのは大正12年9月1日正午前。
大混乱の中、国内唯一の国際無線電信局がアメリカに第一報を伝えたのは夜になってのことでした。
日本の惨状を知ったクーリッジ大統領は直ちに救援を決断すると、大統領令を発してアジア艦隊などに救援物資を積んで日本へ急行するよう命令。
ラジオ放送で全米に救援を呼びかけると、義援金の募金運動を開始し
「1分早ければ1人多く助かる」を合い言葉に、目標の500万ドルを遙かに上回る800万ドルを短期間に集め、最終的には1200万ドルもの義援金を日本へ送るのです。
当時アメリカは増え続ける日系移民問題などで反日感情が高まっていました。しかし、世界のどこよりも早く最大規模の支援を行ったアメリカ。
実は17年前にサンフランシスコ地震によって甚大な被害が発生した際、日本は日露戦争の後で財政が極めて苦しい中から、政府と国民が力を合わせ多大な見舞金を送っていたのです。
関東大震災から88年後の東日本大震災でアメリカが行った「トモダチ作戦」は「911アメリカ同時多発テロ」に日本が消防救助隊を派遣したことに起因するとされ、オバマ大統領はクーリッジ大統領を参考にしたと言われています。
善意が次なる善意を、感謝が次なる感謝を育んだのです。