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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年8月4日「希望の路面電車」

広島の町を走る広島電鉄の路面電車は総延長35キロの路線を持ち、一日平均15万人が利用する日本一の路面電車です。

大正元年に開業し、100年以上走り続けていますが、この長い年月の中で一度だけ電車が止まったことがあります。
そう、昭和20年8月6日午前8時15分。
原子爆弾によって広島の町が焦土となってしまったときです。
そのとき70両の路面電車が町を走っていましたが、朝の通勤で満員だった乗客は6000人以上と推定。
とりわけ爆心地付近を走っていた電車の乗務員、乗客たちは一瞬のうちに亡くなりました。

その3日後。
未だ火災が燃え広がる広島の町に、聞き慣れた音が響き渡りました。
遠くからだんだん近づいてくる音の正体は1両の路面電車でした。
生き残った広島電鉄の社員たちが包帯姿で復旧作業を開始し、壊れた電車を不眠不休で修理して、この日なんとか1両の電車を走らせることができたのです。
力強く走る電車を見て生き残った人々は驚き、喜びをかみしめました。

復興の道しるべとなって広島の人々に勇気を与えた1番電車・650系652号は、いまも被爆電車として平和を訴えながら広島の町を走っています。