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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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2018年8月11日「41年目の競泳」

1936年のきょう8月11日、ベルリンオリンピックの女子200m平泳ぎ決勝で、前畑秀子選手が3分3秒6の世界新記録で優勝。
日本女性初の金メダルに輝きました。

彼女がゴールした直後にプールの中で抱き合ったのは、0.6秒遅れて2位でゴールしたドイツのマルタ・ゲネンゲル選手。
二人はお互いライバルとして認めあい、この大会で「マルタ」「ヒデコ」と呼び合う仲でした。
表彰式で二人が誓ったのは、4年後の東京大会で再会して金メダルを争うこと。ところが戦争のせいで東京大会は幻となり、オリンピックは1952年まで開催されませんでした。
その間、戦後の東西冷戦のために前畑さんが住む日本とゲネンゲルさんが住む東ドイツの間では手紙のやりとりさえできなかったのです。

ようやく二人が再会を果たしたのは1977年。
62歳になった前畑さんがベルリンを訪れ、66歳のゲネンゲルさんと41年ぶりに抱き合いました。
そして長年心に秘めていた友情の糸をたぐり寄せるように、二人は一緒にプールで50mをゆっくりと泳いだのです。

1995年、前畑さんが亡くなったことを新聞記者から知らされたゲネンゲルさんは、「ヒデコや私が生きた時代は過ぎ去った」と遠くを見ながらつぶやき、その5カ月後に前畑さんを追うように亡くなりました。

二人は人生の最期まで接戦を演じたのかもしれません。