9月はいよいよパラリンピック。
応援はもちろん、障害者への理解を深める大切な機会でもありますが、かつて一頭の介助犬とともに「身体障害者補助犬法」の成立に奮闘したのが木村佳友(よしとも)さんです。
交通事故で首の骨を損傷し手足が動かせなくなった木村さんは懸命のリハビリで車いすで生活するまでになり、飼っていたラブラドール レトリバーの子犬 シンシアを介助犬訓練所に預けます。
やんちゃだったシンシアは訓練を経て立派な介助犬となり、木村さんの行動範囲は一気に広がりました。
ところが介助犬はペットとして扱われ、至るところで同伴を拒否されたのです。
「介助犬のことを、まずは知ってもらうことが大切」
木村さんの奮闘が始まり、マスコミに取り上げられたり、講演の依頼があればシンシアと出かけて、その数9年間で364回に上ったといいます。
そして木村さんはシンシアを伴って国会を傍聴し、国会議員に法整備の必要性を訴えたのです。
これがきっかけで、ついに平成14年、盲導犬、介助犬、聴導犬を身体障害者の生活を支える補助犬とする法律が成立したのでした。
しかし世界から多くの障害者が訪れる東京パラリンピックが迫る中、補助犬への理解はまだまだ浸透せず、木村さんは三代目の介助犬デイジーとともに今も講演活動を続けています。