大正時代に誕生して以来、歌い継がれてきた「どんぐりころころ」。
池に落ちたどんぐりがどじょうに会って一緒に遊びますが、お山が恋しいと泣いてどじょうを困らせます。
作詞した青木存義(あおき・ながよし)は子供の頃、朝寝坊だったため、母親が庭の池にどじょうを放し、息子の自分が喜んで起きるよう工夫してくれた思い出を歌にしたといわれます。
ところで、池に落ちたどんぐりのその後が気になったことはありませんか?
実は2番までしかないこの歌の3番が 昭和の時代に誕生しています。
作曲家の岩河三郎(いわかわ・さぶろう)氏がこの歌を合唱曲用に編曲した際、「母親の愛情を表現したい」と創作したもので、それがいつしか広まり、なんと青木の母校でもある宮城県松島町(まつしままち)の松島第五小学校の子供達が平成の時代に歌い継いでいるのです。
小学校の現在の敷地は、広いお屋敷だったという青木の生家の跡地を青木家が寄贈したもので、敷地内には青木の両親のお墓も残されているといわれます。
気になる3番は
「どんぐりころころ泣いてたら 仲良し子リスがとんできて
落ち葉にくるんでおんぶして 急いでお山に連れてった」
子供達が歌うどんぐりのその後に、青木もお母さんもきっと喜んでいることでしょう。