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提供:創価学会
FM福岡(土)14:55-15:00
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10/13「友情の新聞記事」

2020年オリンピックの開催地が半世紀ぶりに東京と決まり、日本でのオリンピックは4度目の開催となりました。
そのオリンピックで初めて金メダルを取った日本人は、1928年のアムステルダム大会に出場し、陸上・三段跳びで優勝した織田幹雄選手。
また、この競技で4位になった南部忠平選手が次のロス大会で優勝しています。
この二人の金メダリスト--織田幹雄と南部忠平は同じ大学の陸上部員とあって、お互いライバルとして競い合いながら、兄弟よりも仲がいいと言われるほど固い友情で結ばれていました。

大学を卒業した織田が全国紙の新聞社に入社すると、南部は別の新聞社に入社。
社会人としてもライバル関係になったわけです。
運動部の記者になった二人ですが、そのまま二人とも現役の陸上選手を続けていました。

二人は自分が出場する大会の記事を自分で書くということもあったようですが、そんな時には二人だけの特別な仕事のやり方がありました。

例えば南部が試合をしている時は、記者席にいる織田が自分の原稿を書くついでに南部の新聞社用の原稿も書いてしまうという力技。
逆に、織田が試合する時は南部が両方の原稿を書いて、試合から上がってきた織田に渡していたのです。

今の時代なら新聞記者としてあるまじき行為。
おおらかな時代ならではの二人の友情だったのです。