そろそろ、「秋の桜」と書くコスモスの花が咲き始めますね。
コスモスの名所はいくつかありますが、福岡県久留米市北野町のコスモス街道のエピソードをご紹介しましょう。
北野町を流れる筑後川の支流、陣屋川(じんやがわ)。その両岸に毎年10月になると、長さ4キロにわたって、赤、白、ピンクなど、数十万本のコスモスが咲き乱れます。周辺ののどかさとコスモスの美しさに魅了され、シーズン中はおよそ10万人の人々が訪れます。
このコスモス街道・・・。今から30数年前に、ある一人の住民がコスモスを植えたのがきっかけでした。当時、川へのごみの投げ捨てに心を痛めた男性が、花を植えて美しい場所にするとごみを投げ捨てる人も少なくなるのではと考え、自宅前の土手に10メートルほどのコスモスを植えました。その時、ちょうど女のお子さんが産まれる時期でもあったので記念に祝う気持ちもあったとのこと。その後、次第に川にごみを捨てる人も少なくなり、きれいになっていきました。さらに、コスモスを植え育てるボランティアの輪も広まっていき、素晴らしいコスモス街道になりました。10メートルからはじまったコスモスの道は地域の皆さんの手で10数年の間に4キロに伸び、娘さんは花嫁に・・。
最初にコスモスを植えた男性は、娘さんが花嫁になる日、一緒にそのコスモスの中を歩いたそうです。
コスモスの花言葉は、色によって異なる説もあります。
赤は「調和」。白は「美麗」。ピンクは「少女の純潔」。
まさに、コスモスの花道は嫁ぐ娘と父が共に歩くのにふさわしい道だったでしょうね。
残念ながら、その男性は数年前にお亡くなりになりましたが、この方が植えたコスモスは毎年この時期、花を咲かせ、多くの人に癒しの心を与えています。
見頃の10月7日、8日の(土)(日)は「コスモスパーク北野」でコスモスフェスティバルも開かれます。美しく咲き乱れるコスモスを眺めながら、最初にコスモスを植えた男性に感謝したいと思います。