短歌に触れよう 実戦編 - 教えて!コンシェルジュ! | FM FUKUOKA
fmfukuoka

短歌に触れよう 実戦編

前回に引き続き、コンシェルジュは短歌作家の三上りょうさんです。

日々、短歌を詠んで暮らしていきたい。という事を趣味ではなく
仕事に変えていくために、、福岡発の短歌ブランド「蝶のあしあと」を
立ち上げて運営をスタート。
嬢舌短歌リズムをコンセプトにした自主制作の本や手作りの紙雑貨を発表。
朗読ライブや短歌を詠む会など短歌にまつわるイベントの企画や
運営もおこなっていらっしゃいます。

蝶のあしあと→http://www.chounoashiato.com/grape3/

今回は「短歌実戦編」。今村敦子さん、初めての短歌です。

と、その前に、今回も三上りょうさんの短歌を2首ご紹介します。

タコ焼きの 八つを分ける 夏休み

  

君の四つを 私が一つ。

「夏休み」と言うワードが入っていますが、大人になってお祭に出かけた時に詠んだ一首。
「一個ちょうだい」みたいな。「あーん」ってしてもらったら嬉しいけど、そこは
ちょっと妄想ですね!「タコ焼きが」って言う所がいいな、と思います。

これお祭だけじゃなくて、試験勉強とか、夏休みの課題か何かを2人でやっている時の
休憩中の歌でもいいなと思って、あえて「夏祭り」ではなく「夏祭り」にしています。


もう一首

図書館で 夕方デート するような
    
暮らしが欲しい 猫もいるけど

そのまま、ストレートな気持ちが入っていますが、あえて解説を入れるとするなら
「猫もいるけど」のところでしょう。
アナタと一緒に暮らす時に、猫もいるけどね、みたいな感じでもとれますし、
「気まぐれな私もいるけどね!」と言う意味も込めています。

そしてお楽しみ・・・今村敦子さん初めての 短歌!!
テーマは「恋の歌」です。

 

あの人を  形作る 一文字が

   

特別になる  どこにでもいて

今村さんの解説
好きな人が出来たら、その人の名前(歌の中の「形作る一文字」にあたる)の漢字が
そこここにあって、思い出す、と言う歌です。

実際に今村さんが人を好きになったらこうなってしまうそうです。実体験から生まれた一首。
では・・三上りょうさんに、辛口添削していただきます。

この歌のいい所。
言いたい事が一つになっている。「あの人」が「特別になる」で好きな人と分かる。
ですが、この歌は、解説を聞かないと意味が伝わらないのが 非常に残念。

具体的に情景が見えた方がいいと思います。
そこで三上りょうさんがこんな感じに変えてくれました。

  あの人を 形作る 一文字が
       どこにでもあり 特別になる

こうすると、文章的におかしくなくなったな、と言う感じがします。
その一文字が どこにでもあって、特別になっていく。みたいな。
ですが、これでもまだ分かりづらいですよね。なので、さらに・・・

    あの人の 名前の中の 上の文字は
          特別、すぐに 見つけてしまう

名前だけを見て、特別って思ってしまうんだなって言う
ちょっと胸キュンな感じも出るのかな・・・と。
短歌は基本的に解説しないものです。

先生、流石です!
皆さんもこの機会に、短歌に触れてみて下さい。

パーソナリティ


今村敦子

月別アーカイブ