皆さん、スイーツは・・・お好きですよね?
最近では、女性だけでなく、スイーツ男子と言う言葉があるように、
男性もスイーツ、お好きですよね?そこで今回のコンシェルジュ、テーマは・・・
スイーツから学ぶ フランスの食文化
今回のコンシェルジュは、キャラメル専門店「キャラメランジュ」のオーナーシェフ、
西村さんにお越しいただきました。
西村さんがお勤めのキャラメランジュと言うお店は・・・?
西村さん「お店の名前キャラメランジュは造語です。
キャラメルと、フランス語で天使を意味するアンジュを足してキャラメランジュです。
そしてもう一つこの中にメランジュと言う言葉がありまして、
これはフランス語で、混ぜるという意味が込められています。」
西村さん曰はく、お菓子屋さんのお仕事は「混ぜるに尽きる」。とにかく毎日何かを
混ぜているそうです。
確かに!クリームもそうだし、小麦粉もそうだし、大きなボールの中で何かを混ぜている
映像をよく目にしますもんね!!
しかし!しかしですよ!それにしても「キャラメル専門店」ってあまり目にしないような・・・
今村「もともと西村さんがお菓子職人になろうと思ったきっかけは
何だったのですか?」
西村さん「何かお店をしたいなと漠然と思ってまして、
例えばレストランとか・・・で、高校卒業して、調理師学校へ行きまして、とりあえず
コックさんになろうと思ってました。」
お菓子を作る専門ではなく、調理師の専門学校へ通っていたそうです。
そして・・・
西村さん「その学校は1年だったので、すぐに就職の事を
考えなくてはいけなくなったんです。どうしようか?となった中で、学校で
和洋中デザートを習う中で、デザートはちょっと違うなと思っていたんです。
例えばお魚料理だったら、魚がそのまま出てくるわけですよね。お肉だってそうです。
ただ、お菓子に関しては、卵と砂糖と小麦粉を混ぜて型に入れて焼いたら
全然違うものが出来る。型次第で色んな状態にもなるし、バラエティに富んだ
仕上がりにもなりますし、他と違って、何かクリエイティブなんじゃないかと。
もともと人と違った事がしたい、というのがあったんで、これは個性を
出しやすいのかな?なんて思ってですね。」
確かに、お菓子は素材から全く違うものが出来ますからね!
でも、スイーツって、手間がかかるというか、分量通りに作らないと、とんでもない物が
出来ますもんね!
西村さん「化学変化の世界なので、色々な素材が、
加熱によって作用して出来るものなので、量りものだけをきっちりしておかないと
自分の思うような味が出ないですよね。」
だから、新作を作る時なんかは、じゃああとこれ何グラム足してみようか?と言う事を
何回も繰り返して(試作して)、思い通りの味になるまでには、様々な試行錯誤が
あるそうですよ!
スイーツと言えば・・・フランス??
今村「じゃあ、スイーツと言えばフランス?と言う事なんですか?」
西村さん「いいえ。スイーツは世界中にあります。ドイツ菓子なんかは
有名ですし、アラブの方に行ってもスイーツはあるんですよ。ちなみにアラブのお菓子は
結構甘ったるいものが多いですよ。脳天に来るような パワフルな甘さですね!」
今村「じゃあ、色々ある中で、何でフランスに行こうと思ったんですか?」
西村さん「福岡のお店に就職して、そこがたまたまコッテコテの
フランス菓子を作っていたわけではなくて、で、仕事しながらいろいろな事に
興味を持つじゃないですか?色々な文献などを調べていくうちに、ルーツ的な事が
フランスだったりイタリアだったりするので、で、フランス菓子にだんだんと興味を
持ち出し、で、自分の基礎がしっかりしてきたところで、やっぱりそのルーツを
見たいと思うわけですよ。で、行くしかないな!と!」
ルーツをたどったフランス!自分の力で・・・
今村「じゃあ、どうやってフランスの店で修業をするんですか?」
西村さん「自分で辞書を調べて手紙を書きました。もちろん
フランス語なんて出来ないです。僕が行きたいお店のフランス人の方は、
福岡にお菓子の講習で来ていたことがあったので、どんなお菓子を作るか、などを
知っていたんです。で、後は、人の紹介なども通して紹介してもらいました。
手紙を出して、だいぶ待ったんですけど、ようやく場所(日本人が働く枠)が
空いたよ、と連絡が来ました。」
西村さんが最初に働いたお店は、フランスでも5本の指に入るような、チョコレート菓子が
有名なパトロン(シェフのような意味)がいたお店でした。
フランスの素材は力強い!
今村「日本とは違う、フランスの良さってどんなところでしたか?」
西村さん「まず素材が全然違いました!フランスは農業大国なので
フルーツや野菜などが、物凄く力強い!香りが違うんですよ。鼻から入って来る
感じですかね。」
今村「じゃあ、卵とか小麦粉とかは?」
西村さん「日本だと、大手の小麦粉何種類かをブレンドしながら
使うって形になるんですけど、フランスでは、このパンにはこれ、このスポンジ系の物には
これと、事細かにやってましたね。いろいろ種類があって、それもまた、力強かったです。」
今村「じゃあまったく同じように作っても、全く違う味になっていくという
事なんですか?」
西村さん「そうですね。歴史が違いますからね。洋菓子が日本に
入ってきて数十年なんで、フランスではそれ以前からやって来たことなんで、
それでマイナーチェンジを繰り返しながら、伝統菓子も変わってきた中で、今がある
と言う状態だったんで、何を食べても力強いんですよ!
だから、焼き菓子を食べてもガツン!とくるものがあったんで、そういうものを
日本でも作りたいと思ったんですよ。」
2年間フランスで修業。7か月で1軒目の修行を終え、次は細工ものが得意なシェフの
元へ行き、チョコレート細工や飴細工などを勉強しました。
キャラメルとの出会い
西村さん「日本にもキャラメルの仕事はありましたから、知識は
あったんです。でもフランスに渡ると、キャラメル味というのが食文化の中に根付いてまして」
今村「確かに、日本て、今でこそキャラメル味ってありますけど、
昔はなかったですもんね。」
西村さん「僕が渡仏する前は、某有名コーヒーチェーン店もなかったので、
コーヒーにキャラメルを入れるとかなかったですし、そんなのを知らないまま
フランスへ行ったら、普通にコーヒーにキャラメル入れてましたから。
もちろん紅茶にも、クリームにもキャラメル入ってました。
パティスリーでも、ドーンと大きな鍋にキャラメルのペーストを炊きまして、
それをアイスクリームに入れるとか、喫茶コーナーがあって、
そこのドリンクに使うとか、ケーキのムースに使うとか、だいたいやってたんで。」
フランスでは、キャラメル味のケーキは普通に置いてあるんだそうですよ。
日本では、今でもあまりキャラメル味のケーキって珍しい方に入りますよね。
今村「じゃあ、その時にキャラメルでやっていこうと思ったんですか?」
西村さん「フランスにはコンフィズリーキャラメル(一個一個包装された
キャラメル)があって、日本のよりもだいぶ柔らかいんですね。キャラメルムーって
言うんですけど(ムーは柔らかい)それが高級パティスリーには大体5種類くらい
店頭に置いてあって、で、そのキャラメルにもフルーツ味とか 色んな味が
あったので、これは面白そうだな、と心の片隅では思ってました。」
綺麗な格好をした紳士が 一人でパフェにがっつく!
今村「特に日本との食文化とのギャップってありました?」
西村さん「よく知られている話ですけど、フランス料理には
砂糖は使いませんので、必ず食事にデザートがつくんですよね。
そこで、きれいな身なりをした中年紳士が カフェで、パフェみたいなのを
かぶりついてるとかですね、チョコレート屋さんでも、1個から買えて・・・
(日本では、高級なチョコレートショップだと、そんな事出来ない雰囲気ですよね?)
おじさんがチョコ一つ頂戴!と言って、ポンと口に入れて去っていく・・・という
しゃれた光景がありましたね。」
甘い物がフランスでは生活に根付いているんですよね。
フランスは、食べ物への想いが強い国民なんだな、と西村さんは感じたそうです。
次回は、キャラメル1本でやっていこう!と思ったきっかけや、キャラメランジュの
美味しそうな商品を見ながら、さらにキャラメルの魅力に迫っていこうと思います。
今回のオンエア曲(西村さんリクエスト)
アイドルを探せ / シルヴィ・ヴァルタン
シェリーに口づけ / ミシェル・ポルナレフ