最高の出会いが 感動を作る
今回も、絵本作家の「よしながこうたく」さんをコンシェルジュにお迎えして
お送りしました。
もともとはイラストレーターだったこうたくさん。その後、ひょんな出会いから
絵本を書くことになりました。まったく絵本など書いたことがなかった
こうたくさんですが、デビュー作「給食番長」がデビュー作にして大ヒット!
新進気鋭の絵本作家として一気に注目を集めることとなりました。
今村「その後、すぐに絵本の依頼は来るように
なったのですか?」
こうたくさん「給食番長を出版したところからは、依頼が
ありましたが、そのほかの所からはさっぱりでした。普通だと、
ヒットした後、バーっと依頼がくるものなのですが(後で知ったのですが)
給食番長ではそれがありませんでした。きっと各出版社が様子を
見てたんでしょうね!
今までにないタッチの絵本だったので、本物かどうか
見極めていたんでしょうね」
今村「じゃあ、今までに何作の絵本を出していますか?」
こうたくさん「十何冊かな・・・?1年に3冊ほどの
ペースですかね。」
今村「私のイメージでは、作家さんって、ご飯を
食べる暇もないくらい缶詰になっている、なんて思うんですが・・・」
こうたくさん「なにせ、仕事場が自分の部屋で、
出来上がるまでが仕事中なので、休み時間というのはないですよね。
たとえば、1ページに3日かかったとして、それでも20ページ
あるんで、60日間はまず部屋から出れないぞ!っていうのは
ありますよね。」
締切がぎりぎりの時は、寝ているとき以外は机に向かってずーっと座っている
状態が続くそうなので、孤独に耐えられる人でないと 頑張れない、と言う
ところはあるみたいです。
今村「お休みとかあるんですか?」
こうたくさん「休みはあるけれど、次の作品のネタを
探さなくてはいけないので、大学時代からほぼ休んでないですね。
常に頭は仕事の事でいっぱいなので、休みと言うものは
ないのかもしれません。」
そして、今回は、よしながこうたくさんが選ぶ、自身の作品3作を
トップスリー形式で 紹介していきます。よしながさん個人の意見です。
第3位
「ようかいガマとの」
これはシリーズものです。ガマガエルのお殿様と子供たちの交流を描いた物語。
若干ホラー系で、2冊出ています。
1冊目には、伝統的な、江戸時代に作られた妖怪が出てきていて、
妖怪の専門家の方に監修していただいていて、かなりのうんちくや
裏設定が詰まっているんですが、だれにも気づいてもらえない・・・
そして2冊目は「ようかいガマとの ゲッコウの怪談」と言って、
学校の怪談系「昭和の妖怪」ですね!口裂け女とか人面犬とか・・・
そういうのは子供たちは好きですもんね!怖いものとか・・・。
で、僕は、怖いもの怪獣とか妖怪とか小さなころから好きだったんですが、
子供向けのものって、妖怪とか怪獣とか、出てくるまではとても
おどろおどろしい雰囲気で、怖って感じなんですが、いざ、
妖怪とか怪獣とか出てくると目がクリクリとしてて かわいいんですよ。
せっかくの雰囲気が台無しになるので、僕の絵本はリアルに、怖く書いてます。
ただ、怖いだけではなく、妖怪などはキャラクター的な存在でもあるので、
ちょっとしたさじ加減で、怖いだけでなく、どことなくかわいげがあるように
しています。
第2位
ぼくの兄ちゃん
出版社の方から、こうたくさんのお兄さんのお話を絵本にしてみませんか?
と言うので、で、うちの兄はもともと番長だった、と言う事で、
こうたくさんのお兄さんは「やんきー」だったので、そのお兄さんと
こうたくさんとの関係を描いてくれと言う事だったんですが、
お兄さんを「番長、ヤンキー」だということは、絵本の中でも言わなければ
いけない。ただ、絵本の中で、「ヤンキー」と言う言葉はつかえないので、
あえて「おばけ」と言う言い方にして表現したそうです。
なので、大人の方がそれを変換してみると、大変だったんですね。弟さん。
と言われるそうです。次男であるこうたくさんが、男兄弟を持つ親御さんに
向けて、次男の悲しみをぶち込んだ絵本だそうです。
第1位
給食番長
こうたくさんの人生を大きく変えた1冊であり、やはり1作目が
一番オモシロイ!気負いがない分、もうどうなってもいいや!と言う感じが
あるので、とても面白いし、今読んでも、あ、ここが嫌だったな、みたいな
部分もないそうです。まさに完璧な1冊だそうですよ!!
気になった方、ぜひ書店で探してみてください!そして、こうたくさんの
新作情報!!
ぼくだって ウルトラマン
円谷プロ公認の、新しいウルトラマンが出てくる絵本です。
こうたくさんは、この絵本の依頼が来たときに、とにかく新しいウルトラマンが
書きたいということで、「3階建ての高さのウルトラマン」ちっさい
ウルトラマンを登場させました。実際は14メートルくらいあるウルトラマン。
テレビでも見たことがないものを作りたかったそうです。
3階建てのウルトラマンは、怪獣の脛くらいしかありません。
ウルトラマン史上最弱のウルトラマンユウキ。怪獣が出てくると逃げてしまう。
戦わないウルトラマンです。
この絵本も、怪獣の怖さを強調しています。また、初代ウルトラマンが
本編に登場。また、セリフも「ジュワ」とか、「助けて、科学特捜隊!」など
お父さんが読み聞かせをして楽しめるセリフが入っています。
また、マニアックなところでいうと、ここに登場する怪獣は、
テレビではウルトラマンまでたどり着けない、その前に科学特捜隊に
やられてしまう 可哀想な怪獣たちをフィーチャーしてます。
今年からはシリーズ化が決まったそうです。ウルトラマン世代のお父さん!
お子さんと一緒に楽しみましょう!
今村「こうやくさんが絵本を書くうえで気を付けて
いる事ってなんですか?」
こうたくさん「絵本界に新しい風を吹かせてくれ、
と言う事で呼ばれてますから、それが僕の使命だと思いまして、
子供たちに、今までにない絵本を届けてあげたい。と言う事で、
せめて、本編の1ページくらいは、こんなのありなの?といった
アーティスティックなページを入れるようにしています。
また、子供たちは、絵本を読むとき、細かい絵まで見ますから、
細かいところにまで気を使っています。その細かい絵が、サブストーリーに
なっている感じです。」
今後は、海外の子供たちに向けて 本を出してみたい!という
よしながこうたくさん。今回初めて知ったという方、こちらのページで
こうたくさんの事、見てみてください。
よしながこうたくさん「江戸マッチョ」http://www.edomacho.com/koutaku/
オンエア曲
ブルーにこんがらがって/ボブ・ディラン
生まれくる子供たちのために/佐藤竹善