「ニッポニア・ニッポン」という学名とともに日本を象徴する鳥とされながら絶滅したトキ。
その復活に情熱を注いだのが村本義雄さんです。
トキの生息地である石川県能登半島に生まれ育った村本さんにとって、トキは身近に見かける存在でしたが時代とともに激減。
村本さんは熱心に保護活動に取り組みますがトキは絶滅してしまいます。
夢も希望も情熱も失ったという村本さん。
ところが昭和56年、中国でトキ7羽発見の新聞記事に情熱が復活。
それは「今度こそトキを絶滅させてはならない」という強い思いでした。
しかし中国語も話せない民間人。
それでも保護活動の経験や知識を伝えようと幾度も中国を訪れてようやく許可を受け、奥地のトキの生息地で見たのはトキを守ろうと努力する農村の暮らしでした。
「この人々を支えることがトキを守ること」
それから毎年のように現地に通い続けて数十年、ともに田植えをするなど交流や支援を重ね、村本さんは地元の人々を始め、中国政府からも多大な信頼を得るまでになります。
それはやがて中国政府から日本への2羽のトキ贈呈、新潟佐渡での飼育と放鳥、そして能登にトキが飛来するという奇跡へと繋がるのです。
絶滅から復活へ。
トキに情熱を捧げた村本さんは、酉年の来年92歳を迎えます。